表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/52

料理長のショタ②

「えっと、僕の生まれ育った場所についてですね?」


 ドワーフは話し始めたものの、足が床に着かなくてプラプラさせている!

 …まずい、可愛い!


「僕は特に名前は無いけれど、ドワーフがいっぱい住んでる所で生まれ育ったんです!」


 なるほど、他の種族気には[森]とか[里]とか名前があったけれどドワーフには無いのか…


「あと、最近のドワーフは特有の白いヒゲが生えない者や少年の様な姿で産まれてくる者もいるんです!」


 …ドワーフってヒゲ生えるの?

 まずい、無知なのがバレる!


「確かドワーフって器用なのよね? 武器とか防具を作ったり…」


 転生前にチラリと見たファンタジー系のゲームの話をしてみる。 間違っていたらゴメンなさい!


「はい、そうです! お嬢様は詳しいですね!」


 良かった…

 ありがとうファンタジー系のゲーム!


「でも全員が全員、鍛冶が出来るとは限らないんです。 人によって得意な物が違うので、皆で協力して暮らすんです!」


 なるほど。 という事は…


「じゃあハータムは料理が得意なドワーフなのね?」


 流石に料理長としてこの屋敷にいるんだから料理が得意な個体のはず…!


「はい。 むしろ料理しか上手じゃないんです…」


 いやいや、可愛さっていうパラメーターも振り切ってるじゃないですか!

 …口に出すのはやめておこう


「なので食材の調達をしようと川で魚を釣ろうとしたら溺れかけて…」


 あ、そこに繋がるの!?

 まさか料理の話から溺れかける話に飛ぶなんて思ってなかった!


「そこで紅さんと出会ったんだね?」


 …あれ、私の信じてた手掴みの野生児説は消える?


「はい! 最初はキツネがどうして僕を引き上げてくれたんだろうと思ったんですけど、紅緑さんはお腹が空いていたみたいで…」


 あれ、紅さん…?

 あの人、ただ単にハータムを助けた訳じゃ無かったの…!?


「油揚げをお礼に渡したらまた来るって言って九尾の里に帰っていったんです」


 食料目当てかよ…!

 紅さん見ず知らずの溺れかけてる人を助けるなんてカッコイイなと思ったのに…!


「それ以来ずっと仲良くしてもらっているんです!」


 まあハータムが良いなら良いのか…

 食料目当てと言えど命の恩人な事には変わりはないし…


「それから5年後くらいですかね…」


 急に飛ぶね! しかも5年も!?

 紅さんが来なくなったのかな…?


「1人の男性が僕らが住んでいた場所に迷い込んだんです!」


 …誰?

 今のところ予想がつかない…


「誰だと思いますか?」


 ハータムは上半身を前に乗り出し、私に上目遣いでそう質問した

 …この状態で保存したい


「誰だろう… 私のお父さんかな?」


 ダンテやカノンは道に迷ったりしなそうだし、ジャックはその時はまだヤクザの総長やってそう…


「正解です! 流石お嬢様です! 」


 おお、やった!

 …いやいや、何してるのお父さん!


「お嬢様のお父様が迷い込んでしまったので、最初に発見した僕が救護をして、食事も振る舞ったんです!」


 お父さん… 会ったこと無いけどホントに何してるの!?


「そしたら料理が気に入られて、私の屋敷で働かないかと言われたんです!」


 あ、でもカノンと同じような感じか。 流れは全く違うけれど


「それでここに来たんだ?」


 そう聞くとハータムは満面の笑みを浮かべて首を大きく縦に振った


「ここに来て、何か変わった?」


 この質問は失礼かな…

 でも前の方が楽しかったとか言われたら改善していかないと!


「前よりずっと良いです! ここには生まれ育った場所より食材も沢山あって、環境も整っていて、最高の場所です!」


 …ああ、天使が見える!

 …料理の話しかしてなかったよね?


「それに色んな人がいて、毎日楽しいですよ! お嬢様にも会えましたし!」


 …天使どころじゃない、神だ!

 神が降臨なさった!


「そっか。 楽しいって言ってくれて嬉しいよ!」


 私はハータムの頭を優しく、少しだけ撫でた


 …少しの理由? だって頭に手を乗せただけでハータムが顔を真っ赤にさせたから目に焼き付けておこうと思って


「お、お嬢様… その、頭を撫でられるのは慣れていないので…」


 慣れてない? だったら言う事は1つでしょ!


「じゃあ私が慣らしてあげよう!」


 私は赤面している彼の頭を撫で回す! すると…



「お兄さんも、お嬢ちゃんと同じ事をしたいなぁ…」


 食器洗いを終えたのだろうジャックがダイニングに戻ってきた

 …私のマドレーヌは!?


「良いかい? お嬢ちゃん、同じ事をしても」


 まあマドレーヌはまた作って貰えばいいか…

 私はハータムの頭から手を離した


「どうぞ、気の済むまで」


 …イケメンなアニキが可愛いショタの頭を撫でる光景を1度見ておきたい気もするし

 あ、腐って無いですよ!?


「良いのかい? じゃあ遠慮なく…」


 ダイニングとキッチンを繋ぐ扉の近くにいたジャックが私達の方にゆっくりと歩いてくる

 何やら怪しい顔をしているような気が…!


「そんなに緊張しなくても良いのに、優しくするからさ…」


 …これが大人の余裕ってやつ!?

 いやぁ、女子高生はこういうのに弱いからなぁ…!


「いくよ…?」


 私とハータムの椅子の間に立ち、ハータムの頭に手を伸ばす …と思いきや


「どう? 気持ちいいかい?」


 …どうして私まで撫でられてるの!?

 えっ、ハータムじゃなくて!?


「お、お嬢様… お顔が赤いですよ?」


 あれ、ハータム…撫でられてねぇ!

 ちょっと待って下さいよ! 何で私だけ撫でられてるんですか!?


「お嬢ちゃん可愛いよ? このままお兄さんが貰ってしまいたいよ…」


 な、何これ…


「じゃあ私は明日の朝食の準備を始めますね!」


 え、ちょっ… ハータム!?


「ごゆっくり!」


 ハータムはキッチンに行ってしまった!

 依然ジャックは私の頭を撫で続けている!


 …何この状況!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ