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小学生くらいのエルフの少女③

「リーフ、どんな服を着たい?」


 私達は入った服屋は女性向けの服がメインのお店だったので、なるべくリーフが着たいと言う物を買ってあげたい


「特にないかな… どれが似合うと思う?」


 どれが似合う…か、リーフは華奢だから何でも似合うと思うけれど…

 ふと1着のキャミソールが目に入った


「あの白いキャミソールなんてどうかな?」


 真っ白のキャミソールに下は赤いフレアスカートを選んだ。 小学生くらいのリーフには丁度いい服装のはずだ


「素敵、試着してみるね」


 今だ! 貝殻の髪飾りを探そう!

 彼女が試着室から出てきたらつけてあげるんだ!


「お嬢ちゃん、終わったよ」


 ジャックはもう帰ってきた。 まだリーフを試着室に入れただけなのに…!


「早いね! あの、貝殻の髪飾りを探して欲しいんだけど…」


 ジャックは今度は黒いライダースジャケットに、下は濃いめのスキニーパンツだった

 髪もちゃんと血がとれている


「髪飾り? リーフちゃんにあげるのかい?」


 流石アニキ、察しがいいな…

 出来れば私もお揃いのが欲しいけれど、ジャックのお金を2万ゴールドも使ってしまったからなぁ…


「うん。 リーフが貝殻を気に入ったみたいで、何なら貝殻の髪飾りを買ってあげたいなと思って」


 彼女ならきっと喜んでくれるのはずだ

 いや、彼女の喜んでいる様子が見たい。 年相応に満面の笑みを浮かべる彼女を


「分かった、お兄さんも協力してあげる。 でもね…」


 ここに来た時は手を繋いでだったけれど、今度は何だろうか…

 自腹で払え? それとも2万ゴールド返せ?


「お兄さん、今夜はお嬢ちゃんと同じベッドで眠りたいなぁ」


 お前もか!

 ベルンに引き続いてお前もかよ! 私と同じベッドで寝るのって流行ってるの!?


「嫌だ。 じゃあ手伝ってもらわなくて大丈夫だから」


 アニキ、貴方はそんな事を言わない人だと思ってたのに…

 謎の落胆がすごい…


「あはは、冗談だよ。 髪飾りってこれで良いかい?」


 ジャックはもう見つけていたらしく、私にナガニシという長細い貝殻が着いた輪ゴムを差し出した


「綺麗、ありがとうジャック! でも部屋には来ないでね?」


 先程のジャックの言葉が本心なのか冗談なのかは定かではないけれど、彼はセンスがいいと思う


「カナデ、どうかな?」


 試着室からリーフが出てくると、本当に6歳の少女らしい姿になっていた

 出来れば写真を撮りたい…


「すごく良いと思う! 最後にこれを付けたら完成!」


 私はリーフの長い髪を横に、貝殻が上に来るように結んであげた


「可愛いよリーフちゃん、変なおじさんに連れて行かれないようにしないとね」


 おいジャック、その発言だけは駄目だ。 不謹慎過ぎる


「…? そこまで褒めてくれるならこれにする…」


 良かった、誘拐されるとかはまだ分かってないみたいだ!

 ジャックや他の皆に言っておかないと…


「じゃあここはお兄さんが払うよ。お嬢ちゃんは何か欲しい物はあるかい?」


 ジャック、貴方は不謹慎だし少し変態気味かもしれないけれど、いい人だなぁ…

 アニキ系最高…


「私はいいよ! ジャックのお金使っちゃったから!」


 流石に2万ゴールドも使った事は申し訳ない

 あれはジャックの財布から出たお札だろうし…


「ううん。お嬢ちゃんは良い事に使ったんだ、気にする事は無いよ」


 アニキ…神!


「じゃあ買ってくるからね、外で待ってて」




「さっきの髪飾り、私に…?」


 リーフは私が付けた髪飾りは自分の物だと分かっていないんだろうか…


「うん、リーフなら似合うと思って。 貝殻にしたのも、さっき拾って喜んでたから」


 彼女を幸せにしたい。 その一心だった

 こんなに小さい子が森から連れ去られ、町で売られているなんて考えもしなかった…


「いいの…? 私は奴隷なのに?」


 …っ!

 奴隷…? 囚われた時にそう吹き込まれたのかな?

 あのおじさん最低だ!


「ううん、奴隷じゃないよ」


 私はリーフを抱き締めた

 彼女の口から"奴隷"なんて言葉が出た事に私が泣きそうになった


「リーフはリーフだよ、私達の大事な家族の。 奴隷じゃない」


 服屋の前で何をやっているんだろう。 でもこれは本心だ、自身を奴隷だと思い続けている彼女を解放するために言っている…はず…


「ありがとうカナデ。 私、カナデ達の家族になってもいいの?」


 リーフの声が震えている。 誰だって奴隷なんて嫌だよね


「うん。 だから一緒に帰ろう、新しい家族として」


 私はリーフを離した。 もう充分私の気持ちは届いているだろうと思ったからだ



「何してるのお嬢ちゃん達? お兄さんも混ぜて欲しいなぁ…」


 ジャックが服を買い終えたようで、両手に紙袋をぶら下げて歩いてきた

 いや、抱きつかせないですから!


「ま、いいや。 そろそろ日も落ちてきたし、帰ろうか」


 あれ、煮干しは…?

 買いに行ってないよね、煮干し…


「安心しなさい、男性向けの服屋の隣で丁度煮干しを売っていたんだよ!」


 煮干しを買えて喜んでいる金髪のイケメンを人生で初めて見たかもしれない…


「さ、帰ろうかお嬢ちゃん。リーフちゃん」


 ジャックはリーフを既に家族として迎えているようだ。 本当にに優しい人だなぁ…




 私とリーフは運転席の後ろに座った。 すると車が動き出してすぐ、彼女は私の右肩に頭を乗せ、眠ってしまった


「良い姉妹だ。 種族は違えど、こんな生き方を出来るのはいい事だねぇ…」


 ジャックはバックミラーを見つめてそう呟いた

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