第1話 転生
目を開ける、知らない天井、知らない部屋、知らない人。
ここはどこ?と、聞こうとしてら「おあぎゃ~」としか言えない
赤ちゃんの頃の記憶はないけど、なんとなく分かる。
私今、赤ちゃんだ。しかも、産まれたての。(体が気持ち悪い)
自分でも何をいってるかわからない。
ま、まず落ち着いて、少し前の記憶をたどってみる
私は、大学を卒業して家に帰るところだった
その帰り道でトラックに跳ねられて・・・・・・死んだのだろうか?
まぁ、私が死んでも悲しんでくれる家族や友達はいないのだが
というのは、私は幼い頃に両親を亡くし祖母に育てられて、私が小学校卒業の時に介護が必要な体になってしまった
生活費等が必要だったので、年齢を偽りアルバイトをしていた
だが、年齢がばれたりしてクビにされて、今にでも人手が必要な店に行き、採用され、クビになる
これを繰り返していた私は、大体のことは出来るようになった
だが、私が大学に入学した三日後、祖母が施設で亡くなってしまった
そして、お金に余裕が出来た私は、無事大学を卒業し、どんな仕事に就職するか迷ってボッーとしていたら、トラックに気づかず跳ねられてしまったのだ
そして今に至る。
これは、もしや、「転生」と言うものではないだろうか
図書館の本で1回読んだことがある
当時一人だった私は、いっそ死んで転生して人生やり直し(主にボッチ卒業)したいとか考えていた時期もある
まさか、本当に転生できるとは
じゃあ、目の前にいる人が母親だろうか
その母親らしき人が先程までは笑顔だったのに今は哀れむような眼で見ている
「貴方、女ですわ」
「何故女なのだ‼」
「ごめんなさい、次は男を産むわ」
「そうだ、絶対に男を産むのだ」
性別は女のままらしいが、女はダメなのだろうか?
「ごめんなさい」
母親らしき人が言った。
私に向かって言ったのか、父親らしき人に言ったのかは分からないが、とても悲しそうな顔をしている
私は笑顔で笑いかけた
母親らしき人は驚いて
「私が守るから」
と言った