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完璧なのは魔法だけ
「くくく、完璧な出来栄えだぜ」
ついつい、そんな声がでてしまう
俺は最近になって、異世界から日本という国に転移してきた魔法使いだ。
最初は驚いたが、せっかく俺だけが魔法を使えるのだから、これを利用しない手はない。
この国には、お札という紙幣がありこれが金として使えるらしい。
俺が得意な魔法はコピー魔法というもので、これにより紙幣を何枚もコピーすれば大金持ちになれる。
魔法を見破れる奴は誰もいないし、俺の完璧なコピー魔法ならお札を寸分違わず作りあげることができる。
「さっそく、このコピーして作ったお札とやらを試してみるか」
「最新のニュースです。精巧な偽札を作り使用した男が逮捕されました。偽造された紙幣は大変精巧なものでしたが、同一のものは存在しないはずの『記番号』が男の使用した紙幣で全て一致していたことが決め手となり逮捕に至りました」
「コピーする技術は完璧なのに、間抜けな犯人もいるものですね」
「そうですね、皆さんも偽札には十分注意してください。以上最新のニュースでした」