女の子
一つ前のページを少し変えました
「おいおい…俺が扉を開けると絶対に何かが起こるのか…そういう運命なのか…」
イノシシの時といい今といい…
そう愚痴りながらもXM8を後ろに回し、素早く女の子に駆け寄る
ワンピースのような服に身を包んだ女の子は怪我をしているようで、肩には血が滲んでいた
意識は無いようで、瞳は硬く閉じられている
「…こりゃまずい…俺は治療のやり方なんか知らないぞ」
大抵の怪我をマキロン一つで過ごしてきた俺が正しい治療なんかできるはずがない
…だが、見捨てるわけにもいかない
とりあえずベットにでも寝かせよう
そう思い俺は女の子を抱き上げようと女の子に触れた
その瞬間であった
「…傷は刃物による切り傷。傷は浅く縫合の必要は無し」
勝手に口に出していた
自分でも驚く
傷すら見てない俺がこんなことわかるわけがない
…いや、思い当たる節はある
あの戦車に触れた時に使い方がすべてわかった感覚と似ていた
…この能力は『解析』のようなものなのか?
「うっ…」
女の子が苦しそうな声を出す
そうだ、今は能力どうこうよりもこちらが大切だ
なんか知らんが傷は浅いらしいから特別な処置はいらないだろう
俺は女の子をベットに下ろし、改めて見る
大きな傷は肩だけのようだが、今まで裸足だったようで、足には無数の傷があった
俺はカバンからマキロン、ガーゼ、包帯を取り出す
ガーゼにマキロンを染み込ませた後、傷の周りを拭いていく
マキロンで傷口を洗い流した後、マキロンを染み込ませたガーゼを傷口に当てる
そしてそこを包帯で巻き、処置を終える
「…ふぅ」
溜息をつく
めんどくさそうなフラグは立てないようにしようと決めたはずなのに、外出10分でこれである
改めて女の子を見る
歳は13歳くらいだろうか
栗色のフワフワの髪に可愛らしい顔
かなりの美少女である
いったいこの女の子に何があったのだろうか
気になる…が、これは女の子本人に直接聞くのが一番だろう
とりあえず今は女の子が目を覚ますのを待とう
そう言って俺は楽な格好になってから椅子に座り、本棚のラノベを読み始めた