初戦闘
「おかしい…おかしすぎる…」
これと同じセリフを三回ほど言った気がする
目の前にはイノシシ
警戒しているのだろうか?
動くことなくまっすぐとこちらを見つめている
体長は170cmの俺と同じくらいで牙は目の下まで伸びている
こんなイノシシは見たことがない
……まさかこれが魔獣!?
そうとわかった瞬間俺の体は動き出していた
チャージングハンドルを引き、初弾を装填した後にセレクトレバーをSEMIにする
魔獣は危険を察知したのか、後ろ足で地面を蹴り、突進してきた
結構な速さだが距離がある
俺はしっかりと両手でACRを構え、ドットサイトを覗く
突進を続ける魔獣の頭に照準を合わせ、一発
ターン!
心地よい反動と樹海に響いた銃声を聞きながら、ドットサイトの奥で血を吹き出し絶命する魔獣を見る
あっけなかったものの、初めての命のやりとりに高ぶる気持ちを抑えながら、魔獣に近づく
「…食料確保」
これで今日は大丈夫だろう
続けてそう呟く
だが、空腹を何処かへ飛ばした高ぶる気持ちは初めて銃を撃った興奮もあって、収まりそうにない
…こうなれば、射撃訓練をしよう
ミリオタの俺からしたら銃が撃ち放題というのはかなり嬉しい話だ
どうせならいろいろな銃を試そう
弾薬は無限だ、的は木でいいだろう
こうして俺は日が落ちるまで銃を撃ちまくり、終わる頃には空薬莢でそこらは埋め尽くされていた