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決定
視点戻ります
泣き疲れたのだろう
今はスヤスヤと眠っている
女の子は気持ちを吐き出すように泣き叫んだ
その姿は見るに耐えず、いつしか俺の心にはある感情がやどっていた
怒り
直接は関係してない俺が感じる感情でないことはわかっている
しかし、怒りが止まらないのだ
平和ボケしている日本に住んでいたからこそ、人が死ぬことに慣れていないからこそこんな感情を抱くのかもしれない
俺にはある目的ができていた
敵の殲滅
黒い鎧の集団を圧倒的武力で潰す
「…勝手にすまないな」
寝ている女の子の頭を撫でる
そういやこの子、なんていう名前なんだろうな
帰ったら聞いとこう
そういや俺の名前も決めなきゃ…と思っていたけど、さっき決めたや
アルマ
ラテン語で武器、だ
あまりかっこ良くないが、歩く武器庫と化した俺にはピッタリだと思う
「さて…殲滅だ」
そう言って俺は再び戦闘服に着替えるのだった
アルマはなんか知ってたラテン語で、まさかこんなところで使うとは思わなかった




