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プロローグ
「おかしい…おかしすぎる…」
ベットの上で頭を抱える
ここはいつもの自分の部屋…ではなく、樹海
そう、木々の生い茂る樹海なのだ
樹海の中に自分が一人、その景色とは不釣り合いな多機能ベットの上に座っている
「夢か?夢なのか?」
思わずそう呟き、頬を引っ張る
もちろん痛い
ならこれはなんだ?
主人公が異世界に迷い込んでその世界を救う…みたいな小説はいくつも読んだ
俺もそんな風に…と憧れもしたが、いざ自分が当事者になってみるとハイそうですかと理解できるわけもない
不意に隣に寝転ぶミクたん…の抱き枕を見る
中2の頃に秋葉原で買った抱き枕は高2となった今までの俺に安眠を与えてくれた睡眠のパートナーだ
とりあえず落ち着こう…俺は抱き枕に顔をうずめた
あぁ!そうさ!俺はキモオタさ!だが侮るな!俺は学年では常に3位キープだ!基本趣味を隠してる俺はボッチというわけでもない!さらに!親のおかげで顔もそこまで悪くない…はずだ!
…落ち着け俺
とりあえず状況を把握するんだ
まずは基本からだ
Q.
ここはどこ?
私は誰?
A.
ここは樹海
私は…私は…わたし…は…
なんてこったい




