表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/25

エピソード4:始まりはヴェロニクス / 2

 hitoの話は続く。



 白漆<それを切っ掛けに、俺とkanapoは話すようになった。最初の頃はソロプレイのコツの話ばっかりだったけど>


 コトコトシチュー<お前のソロの腕はkanaさん仕込みだもんな>



 ──コトコトシチュー。それは「きのきょ」の「戸羽乃」のキャラクター名だった。戸羽乃の本名から2文字取っているそうなのだが、誰も彼の本名を当てられたことはない。hitoとkanapoを除き。2人は戸羽乃とリアルでも繋がりがあった。戸羽乃はhitoと付き合いが長く、そして、お互いの「訳」に理解があった。


 画面の前で、hitoは茶を啜る。高校生の娘からはジジ臭いと言われるが、hitoは何気にこの一杯が好きだった。そして、話を続ける。その間に、kanapoは装備の切り替えをしていた。アイテム・レベリング用の装備から回復魔法特化型の装備に。kanapoは用途に合わせて装備を変える。攻撃特化型の装備もある。



 白漆<でね、kanapoも俺に付き合ってるうちに、チャットメインのプレイヤーになってさ。2人とも、ログインしても街から動かないんだよね>


 ぽぽこ<あの頃は、ヴェノニクスがチャットルームみたいになってたよね>


 白漆<そうそう。だったらもうチャットルーム作っちゃえよ!っていう話になって、きのきょを作ったんだよね>



 なんと。深雪は心の中でリアクションした。サーバーが云々は分からないが、チャットルームを立ち上げるだけの知識とスキルがあるとは、hitoは何者なのだろう。そして、ネトゲで出会って、チャットルームを立ち上げて、そこからkanapoと結婚するに至った経緯を是非とも知りたい。とても運命的な出会いで、少し憧れてしまう。


 ずず、と、hitoが茶を啜る。そして、話の肝心な部分を話し出した。きのきょを作った、そのあと。



 白漆<俺とkanapoは、まぁ、抱えている訳に似たところがあってさ。自然と、支え合いたいって思うようになったんだよね。あとはもう、とんとん。リアルで繋がって、お互いの家族と顔合わせして、相性とか色々考えた上で、再婚。再婚後は戸羽乃も誘って、きのきょを一般向けにオープンしたんだ>


 ぽぽこ<うち、お互いにバツイチ子持ちなの。それが、私たち夫婦の「訳」だよ>



 なるほど。深雪はまた、心の中でリアクションした。と、その時。童話の中のお姫様のような美少女キャラクターが現れた。美しさでは真珠のキャラに匹敵する。キャラクターネームを見てみると、ぽぽこ。柚木は素直に驚いた。そういえば、ぽぽこのキャラは常時フードを被っていて、顔はよく見えていなかった。


 kanapoはレアモンスター戦の盾を引き受け、真っ先に犠牲になった、謎の多い巳茶を1番に蘇生した。美しい詠唱が鼓膜を揺らす。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ