99、孫
「まあ、まあ、フフフッ……派手にやったもんだね」
「ええのぅ~ええのぅ~、まさか神の手が見られるとはのぅ~」
「精霊も驚いとるぞ?」
「ひさびさに楽しかったわい」
「さすが面白いお子じゃ」
精霊を信仰してるはずなのに神ってどういうこと?
謎は解けてみればなんてことはない。この世界には精霊神というエビガニみたいな存在がおわす。
どうやら「神の鉄槌」が落雷で、「神の手」とか「足」って言われてるのが今回のような現象らしい。
力の強い大精霊と友諠を結んでるっていうハイエルフたちは、私の魔法が精霊とも神ともまったく関係ないことに気付いたはずだけど、それでもなお……というよりより面白がって「面白いお子」って。
よくよく聞けば前任の「面白いお子」は大勝負に出たか投げやりになったかした商人で、彼の語る内容はすべてハイエルフなら知ってることだったけど、ひどい訛りがあってそれが面白かったらしい。
え、そんなんでよかったの?
だったら漫才かコントでもエルルとか侍従を仕込んでやったのに……
がっくりきてる私の肩をつつく枝先。
また遊びにおいでだって。
訛り一つを三百年も面白がれるくらいこの森は平和で、それを保てる力がハイエルフにはあるわけだ。
エルフたちに対してはかなり放任だけど、それが信用なのか弱肉強食って信条に沿った行為なのか判断に迷う。
まあハイエルフたちに参戦されたらちょっとした小競り合いが敵味方に関係なく大惨事になりそうだから、エルフ側にとっても放っておかれてよかったのかもしれないけど。
彼らが親しみを示したおかげでエルフたちも私たちに対して友好的になって、とりあえず当初の目的は果たしたと言える。
「次来た時はドラゴンの巣でも見せてやろうかね」
顔の見分けも付かない孫に小遣いやるノリで言われても。
……もう「面白いお子」確定でいいので仲良くしてちょうだいね。




