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94、RPG


 一つ手前の村で旅埃を落して、いざ本番。

 森の手前までくるとかなりの数のエルフらしき存在を《感知》することができる。


 いまのところ敵意はない……警戒はしてるようだけど。

 まあこっちにはエルルたちもいるし、エルフの作法に則って行動してるからね。


 さてエルフの世界でお宅訪問となったら、客側が食材を持参するのが常識らしい。

 道中や森の中で狩ったり採取するのも可。

 むしろそうやって能力を見せつけてはじめて受け入れてもらえるそうだ。


 それを受け取ったホスト側は問題なく調理し共に食べなければならない。

 これまた知識や技術が問われるわけだね。


 文字通り鳴り物入りでやってきたからこのまま森に入っちゃっていいらしいんだけど、さすがに馬車ごとは無理だ……と思っていたら、森が開いた。


 何を言ってるのかわからない?

 うん、私もちょっと混乱してる。

 木々がずずずぃーっと左右に移動して、いかにも硬そうな土の道が現れるとかなんてファンタジー。


 隠れてるはずのエルフたちもどよめいてたから、けして当たり前のことじゃないんだろう。

 これがハイエルフの力か……


 ええ、ええ進みますよ。進まない方が怖いもの。

 一方でわくわくしてもいる。


 私たちも進んでるけど枝葉が避けていく上に地面も動く歩道みたいに進むから、テーマパークのアトラクション並みのスピード感。

 脅しかもてなしか、私は後者だと思うな。

 まあ大半は顔が引き攣ってるけどね。


 途中でさらに森が開け、中ボスっぽい魔物と遭遇するところはRPGっぽい?

 はいはい、狩ります。


 しかしこんな角を生やしてよく森の中で生きられるよね。

 あ、エルクって言った!?

 前世だと「森の王」とか言われてて映画でエルフが乗っていて……脳ミソ凍らせちゃったんだけど。


 エルル曰く、普通に狩って食べるって! よかったぁ。


 エシャレットっぽい植物の群生地にも案内されて……うん明らかに案内だよね。

 一人一掴みで換算して引っこ抜く。抜きまくる!


 高貴なフリはどうしたって? 忘れてた。

 今回は連れて来た侍従に泥を落させて、何食わぬ顔で馬車の中に戻る。


 この侍従一回に一人、一日二回限定で《クリーン》魔法が使えるんだよ。

 先輩たちからはしょっちゅう気が利かないって叱られてるけど。

 まあ事実だから精進しつつその才能も伸ばしてほしいな。


 現在私の力で揃えられるだけの調味料を持ってきたし、味噌も忘れてないからどう調理してもらえるのか楽しみだなぁ。じゅるり。



本年もよろしくお願いいたします(*^▽^*)

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