92、美白
さらに騎士や兵士の装備にも統一感を出し、馬車や馬まで飾り立てて流れ旗を靡かせながら練り歩く。
今回は格というか見た目にもこだわってみた。
……威張るためじゃないよ?
エルフたちの心を掴むには彼らと同じようにハイエルフを敬って見せる必要があると思ってさ。
昔テレビで大国のトップが天皇陛下に礼をするのを見た時「え、頭下げちゃっていいの?」って思いながらも気持ちの方はすんなり相手を受け入れてた。
私くらい擦れてくるとパフォーマンスだって察しつつどれくらい真摯であるかなんとなくわかるものなんだ。エヘン。
そんなわけで道中、私はずっと馬車の中。
極力カーテンを引いて、外に出る時は色の濃いローブを頭から被るか、貴族や群衆の前で格好をつける時はパラソルを差し掛けられてた。
高貴な人は日焼けしちゃいかんって思想はまだ男連中には浸透してないけど、これから世の中が平和になれば主流になっていくと思うよ?
まあとにかく今回は色白ダンカンで行く!
ハイエルフは抜けるように色が白く、それが神秘性を増してるってエルフたちが感じてることが重要。
バラ水と香油はもちろん使う。
それからハトムギ! ハトムギないかな。
大慌てで探させたら王国中の畑で雑草扱いされてたよ。
探しに行った者の目の前で埋められたり燃やされたりする寸前だったってくらい。
焙煎して毎日煮出して飲んでいる。
取り戻せ、染み一つない色白お肌!
もっとも今世はおかげさまで元がいい。
日焼けさえ褪めれば特に問題はないと思うよ。
早速、正妃に嗅ぎつけられて権利をまるっと持っていかれたけど、もう好きにして……
美容にかんしてあの人に逆らったらダメだって本能が言ってる。




