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88、幻灯機


 花のパラパラ漫画に試作品の青インクで陰影を入れ、花芯に金箔を貼った特別版をミシェルに贈ったら、翌朝正妃からお手紙が。

 はい!はい!より大掛かりなものを用意しております都合上、少々お待ち頂くことになり申し訳ございません……お客様相談室かな?


 もう幻灯機くらいしか思いつかないんだけど。

 そう、むかーしむかしのプロジェクター。


 レンズはある。

 ろうそくにしろオイルランタンにしろアルコールランプにしろ光源は火しかないけど、近頃は錆びない鉄を反射板として仕込んであったりだいぶ明るいものも出来ている。


 ガラスの質が今一つで、そこにタールで線を引たものだがら全体的にぼやぼやして見えるけど、美しい女が優雅にダンスしてることはわかる。

 またそれが正妃だってこともね。

 パラパラ漫画少年にこっそり練習風景を見せた甲斐があったよ。


 折よく銅やら何やらを混ぜて赤っぽいガラスを作ることに成功したので、まあガラスだしほんのちょっと指し色にするのが限界だったけど、それもよかったみたい。

 いまや赤は正妃のイメージカラーだからね。

 カーテンを引いた部屋で幾度となく茶会を開いてご満悦。


 学友、最後の一人は十二歳の女の子。

 ソイ先生が剣の才能があるって言うから選んだ。

 私の場合は他と比べれば刀が馴染んでる……つまりマシってだけで才能があるわけじゃない。


 第二王子の学友として呼ばれたのに、その先生兼護衛に預けられ剣の修行をさせられる。

 はじめは何がなんだかわからないって顔をしてた彼女も、いまではソイ先生に敬愛の眼差しを向けている。

 よし、ある程度まで腕が上がったらミシェルの護衛にしよう。



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