表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
87/162

87、エッチング


 もともと武具や装飾品に彫金する技術はあったので、銅板を削って版にすることは難しくなかった。


 私の面倒臭がり気質のせいでいきなり活字印刷に行っちゃったけど、まあ形式を大事にする告知なんかは手書き風の方がいいみたいでその辺、文官たちは上手に使い分けてる。


 本の方も文章は活字でよいとして図説は絵を印刷する必要があるわけで、それはパラパラ漫画も同じ。


 そう、私は彼がノートに落書きした絵をそのまま本にした。

 短冊型の小振りな絵本だ。大人の手の平の半分もない。


 エルルたちが紙の改良を続けて、凹凸のすくない張りのある紙を作り出してくれてた功績は大きね。


 絵具や色インクの開発に手間取ってるからモノトーンだけど、線だけの素朴な絵柄にそれが合ってる。

 そういう表現方法自体がまだ珍しかったし、微妙なモザイク画くらいしか観たことない人達がどう感じるのかまったく予想が付かなかったけど、とりあえずM&D商会に置いてみた。


 めちゃくちゃ売れた!

 ころころと小犬が転がり、起き上がって駆けていくってだけの絵なんだけど、それが動いて見えるのが衝撃だったみたい。


 値段が手頃ってこともあっただろう。

 私はまだ字の読めない子供にプレゼントすることを想定してたんだけど、そういえば大人も識字率低いんだった。


 次は小鳥。

 兎は見たことがないって言うから森まで連れて行った。

 目当てのホーンラビットそっちのけで一日中野草を見てたと思ったら、帰ってから可憐な蕾が開いて風に揺れまた閉じるまでを描いていた。

 ……真の天才っているんだね。

 

 まあそれを見ただけで正確に銅板を彫っちゃうドワーフもいい勝負なんだけど。

 他の職人は原稿の裏に煤を塗り付けて字をなぞり下書きありきで彫っていく……それがふつう。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ