83、その他の授業
新しく創設される学院のために、ユーリ先生のほかにも個性的で優れた先生が集められてる。
例えばいままでジャンクリン王国ではローマ数字形式の数字が使われていた。
ローマ数字って昔のちょっとおしゃれな時計によく使われてたよね。
それなりに規則性はあるけど覚えるのが大変で、なにより計算に向かない。
漢数字の大字……壱とか弐とか参で筆算できる? まあ昔の人はしたのかもしれないけどさぁ。時間かかるよね。
そんな中ドワーフ族の遣う数字に着目した人がいた。
これがアラビア数字方式なんだ。1・2・3ダーッ!
いろいろな方程式も生み出し続けてきたそうで……私にはその正違は判断できないけど。
性格は元テニスプレイヤーの熱い人を連想してもらえばいいよ。老……妙齢の女性だけど。
私の広めたなんちゃってワルツを洗練させ、さらに複雑なステップや振り付けをしてる男性もいる。
ダンディーなカイゼル髭の紳士だけど、数年前までは大変なメタボだったらしい。
知人にダンスを勧められハマる → 踊り狂う → 痩せる → ますますダンスが楽しくなる。
ついでに食と運動が体に及ぼす影響に着目し調べ実践し一家言ある。
恥ずかしながら私はワルツの創始者ってことになってるので、両手を取ってお礼を言われたよ。
いえいえこちらこそ。稚拙な児戯をここまで至高に引き上げてくれてありがとう。
壮大なオーケストラに少しずつ近付いてる音楽もさらに引き立ちますわ。
そして忘れてはならない楽器狂いテリーの教え子。
相変わらずやせっぽちの少女にしか見えないけど確かに成人はしてるらしい。
大変、情熱的なバイオリン奏者。ピアノも弾ける。
今回は技術を教えるというより音楽に親しんでもらおうと、もっぱら演奏のために来てくれている。
かわるがわるやってくる子たちが奏でるチャイムの音も一聴の価値ありと私は思ってるけどね。すがすがしい気分になるもの。
それでいて落ち着くっていうか……郷愁。
キルヒャー先生は何を教えるのか内心楽しみにしてたんだけど、執筆活動とか他の先生方の取りまとめとか、今回は先生方が普段研究してることを好き勝手……ゲフン!簡単に話してもらえばいいとして、学院で使う教科書をどうするかとかやること山積で不参加だって。
まあ、あの先生の授業じゃ普通の子供は泣いちゃったかもね。
あとは近衛を数名呼びつけてに騎士訓練のマネ事をさせたり。
当然、第二王子式ブートキャンプなので相当に走らせたり、反復横跳びなんかもさせたのに男子にはいちばん人気だった。
女子も体格差を見つつ半分くらいの距離を走らせて、弓の訓練をさせたんだけど、これもキャーキャー言いながら意外に楽しそうだったよ。
トムには特別に野外調理の指導をしてもらった。
自分たちで調理したボア汁は旨かろう。
それに食べられる野草の見分け方とか、いつか絶対役に立つよ!
欲をいえば魔法の第一人者とかいてくれたらよかったんだけど、さすがのキルヒャー先生も心当たりがないらしい。
これはエルフでも……しかし急がば回れか。
ほんの少しずつだけど受け入れられてきてるものの、彼らに対する抵抗はまだまだ根強い。
ここで無理をして学院の計画自体ぽっしゃっちゃったら意味ないし。
……追々考えますか。




