74、レンジャー
せめて自分に仕える者たちにはブラック勤務はさせたくない。
第二王子付きの近衛が倍に増えたので、念願の三交代勤務をさせることができるようになった。
勤務・休暇・サバイバルのローテーションだね。いや訓練の間違い間違い。
その上ワイバーンの被膜で迷彩服を作ってもらえるなんてうれしいよなぁ。
天にも昇る心地? そうだろう、そうだろう。
鉄帽に木の枝を縛り付けて匍匐前進、私もやってるよ!
それくらいだから兵士の三分の一にも満たない数の騎士たちも、貴族だからと威張り散らすこともなく泥だらけになって汗を流す。
目からも流せるなんて器用だね。
新しい仲間は、元々私の護衛をしていた連中に「これはと思える奴を一人が一人必ず引っ張ってくるように」義務付けたから簡単・確実に集まった。
犠牲者って呼ばれてるとか呼ばれてないとか、まあ気のせいだよね。
王や第一王子の近衛がすべて騎士つまり騎馬で固められてるのを見れば、うちの異様さがわかろうというもの。
え、オレらが近衛?って戸惑い半分よろこび半分だった兵士たちは割とすぐに順応した。
「世の中そんな旨い話があるわけなかった」とか「給料高いからまあいいや」って現実的でよろしい。
騎士は多少厄介ではあったんだけど、それだけに同僚とは張り合っちゃうし他所にも味方がいないわけよ。ププッ。
近衛は王族の盾って考えは間違いじゃないしそれを誇りにするのは構わないけど、魔法ありきとはいえ護衛対象の方が強いってどんな気分?
まあ王の場合もそうだからそう堪えやしないだろうけど、いじめてばっかりもなんなので焼肉パーティーをよくしてるよ。
真面目に結婚したいって奴には、身分の釣り合う評判の悪くない娘を紹介する。
脳筋には百の理屈を並べるより旨い肉と女、相応の金を与えるに限るわ。
それでも強さは示さなくちゃならないから、私も早々惚けてはいられないんだけどさ。




