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73、誓約書


 そもそも七歳前後なんてまだ海のものとも山のものともつかないんだから、選抜(せんばつ)したところであまり意味がない。

 王や宰相が「王家にとって安全だ」って判断した貴族家だからどれを選ぼうと外れもない。

 ただせっかくそれなりの数の候補者がいるんだから、学院のプレ授業にちょうどいいじゃないか。


 素質を見たいってもっともらしい理由をつけて、対象の子供を集めて城で合宿する許可を求めると「合宿とはなんだ?」と御下問が。

「お忍び連泊魔物狩りを城内でやるようなものです」

「ほう」

 そわそわしだした王を一睨みした宰相。こちらにリストを渡す時はにこやかだ。

 学院創設には彼自身相当力を入れているもんね。


「では、招待状を出さねばなりませんな王子」

「遠方の者もいるようだ、実施するのは一月は先になるか」

「そうですな。期間はどれほどをお考えでしょう」

「あくまで私の学友を選ぶためであるし、二週間ほどを考えているがどうか」

「丁度よいかと」


 蚊帳の外に置かれてどんどん不機嫌になる王。

 面倒事は嫌うのに仕切りたいとかあんたは王か! うん、王だった。

「王よ、許可を」

「うむ、第二王子ダンカンよ。合宿を滞りなく済ませよき学友を選ぶように」

「御意」


 御意、御意かって呟いてたから、どうやらそれは気に入ったらしい。

 純粋にカッコイイもんね!


 早速、キルヒャー先生のところへ報告&相談に行く。

「子供の年齢・性別は問わぬ、合宿中その子供に何があっても構わぬと誓約せよ? クククククッ」

 私が書いた招待状の下書きを読んで腹を抱えるキルヒャー先生。

 奴らにもよい経験になるだろうって、あ~あのキャラの立ってる教師の卵たち。


 個人的に「学友」には嫡子とか親の期待が掛かった子供より、味噌っかすを送り込んでほしい。

 その方が何かと予想外のことが起こりそうで、子供になんか興味のなかった私もいまからわくわくしてる。



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