70、属領
後日ドゴン、ドクトル、ドオール、ドムが揃って話しに来た。
自分たちが望むのは女子供たちが安全に暮らせること。
その上で採掘や製錬、鍛冶を思うさまできたら言うことなしと……ほんと正直だわぁ。
少々意地の悪い質問だけど、ジャングリン王国の者が上に立つのは構わないのかと問えば、ドオールが乾いた笑い声を上げる。
「あの狩りの仕方一つとっても、もうオレらの知ってるジャンクリンじゃない。オージの魔法がなくてもとても敵わんと悟ったわけさ」
また前例があったことも彼らの判断を後押ししたようだ。
「注文を付ける立場にはないが、ドワンのところと同じようになるのだろう?」
「そうだね」
ジャンクリン王国から送り込まれた代官が差配し文官が事務仕事をし、軍人は適度に魔物の間引きをする。
農地はこれまたジャンクリン王国由来の農民が耕し、ドワーフの男は採掘や鍛冶に女は牧羊や羊毛の加工に専念することになるだろう。
加えて言うなら「ドワンのところ」は厳密にはジャンクリン王国ではなくジャンクリン王家の属領で、それがさらに広がることになるわけだ。
「けして悪いようにはしない」
第二王子の口約束なんてクソの役にも立たないんだけど、ドクトルは安堵した様子で頷いてる。
「これまでと変わらず狩りもしたければしていいけど」
男とすれば忸怩たる思いがあったろうけど、『クラッシュセンティピート』をタコ殴りにする女性陣は生き生きしてる。
「いやオージ、お前さんのおかげで試してみたいことが山ほどある」「それな」
水車を鞴の動力とした高炉の構想を語り出すおっさんたち。
ドワンももちろんそれに加わっている。
いや私は何も指示してないよ?
もう放っておいてもある程度のところまで文明が発展していくことは間違いない。




