68、本来の目的
三ヵ月程ドゴンの一族の所ドクトルの一族の所ドオールの一族の所、そしてドムの一族の所とうろうろしてたので皆、私がいることに慣れてきた。
たまに子供が寄ってきて鬼ごっことかかくれんぼに誘われると面食らうよね。
そういえば私子供だった!
そんな時は道具を与えて誤魔化す。
子供とはいえさすがに器用で、オセロとかベーゴマとか一度見れば数時間で作っちゃうんだよ。
あとはルールを教えて見守ってると、たいてい大人が混じってきてガチで勝負して子供を泣かす。
……ドワーフ流の教育かな?
糸のような滝や一見地味な花の咲き乱れる丘など、自分一推しのスポットを教えてくれる、皺が寄っても雰囲気美少女なお婆ちゃんたちもいる。
そこでやっと私はここに来た目的を思い出した。
「アドヒ山に行きたい」
「行きたきゃ案内するが、なんもない所だぞ?」
「ストーンバードが欲しいんだ」
「まあアレならいくら獲ってかまわんが、不味いぞ?」
……私って食いしん坊キャラかな。
食べるわけじゃないんだって目的を説明すると、「手紙?そう上手くいくもんかな」って首を傾げながらも馬に乗って先導するドム。
アドヒ山は彼の一族のものなんだって。
高さだけを言えば幼稚園児が徒歩で登れるくらい。
ただ中腹からほとんど植物は見当たらなくなってごつごつとした岩が立ち並ぶ中、黒っぽい石が転がっている。
こんなところに生き物なんかいるのか?と思うけど、ギャァァァァッ!って自ら居場所を教えてくれた。
「ストーンバードの鳴き声だ。そこの透き間にいるみたいだな」
「……うん」
それなりに凶暴らしいんだけど、例によって一気に冷やしちゃうんで。
双方向に飛ばせられるか実験するためにもう一羽捕まえる。
巣にある石も忘れず回収。
その辺にごろごろ転がってる石もドムの許可を得てもらっていく。
しばらく紐に繋いで飼ってたんだけど、人を見れば襲い掛かろうとするからそのたびに冷やしてたら、一週間ほどで人を見てもギャァァァァッ!って鳴くだけになった。
私がめげるのが先か、鳥が弱って死んじゃうのが先かって耐久レースみたいになってたから一先ずホッとしたよ。
はじめは鼠とか雀を与えてたんだけど魔物肉の方が好みらしく、その日落としたワイバーンの肉を与えたら途端に擦り寄ってくるようになった。
……グルメなのか、ワイバーンを倒せるほどの強者だって認めたのかは微妙なところ。
自分のお気に入りの石にはすごく執着してて、シャッフルしても絶対に間違えない。
試しにお高い宝石も与えてみたけど見向きもしなかった。
思った通り鳥自身が選んだ石を目掛けて飛んで行くので、いまはその距離がどこまで伸ばせるか試している。




