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48、グレイブ


 これが初代王弟の使ってた槍だってものは王国各地にあるんだけど、じつは本物が城の宝物庫にあるのでわざわざ偽物を用意したりはしない。

 それにあれどう見ても薙刀なんだよね。つまりグレイブ。


 ロキ先生が草むらに向かってにゃーにゃー鳴いてたと思ったら、翌日その孫だって少年がやってきた。

 野生動物を介するため簡単なやり取りしかできないらしいけど、使える技能が多いな狐人族。


 その少年にソイ流グレイブ術を仕込み、次いで彼が狐村の住人にそれを教えるって流れ。

 予定は未定だけど一応、第一王子の初陣で事を成す予定なので、まあのんびりやっていこう。


 薙刀っていうと大奥なイメージがあったけど、考えたてみたら武蔵坊弁慶の武器もこれだった。

 男が扱うとより迫力があってカッコイイよ、うん。


 ドワンに作刀の技法で薙刀を打たせようか。


 それはともかく初代王弟って言ったらグレイブ、グレイブって言ったら初代王弟ってくらいイメージが定着してる。


 獣人相手に勝ちきれなかったことを相当に悔しがってたそうで、だからその子孫 (エセ)がそれを成し遂げようと動くのは後世の人たちにとって自然なことだ。


 まあちょっと習ったからって見事なグレイブ使いになれるわけもないけど……なにせ頭脳派だし。

 それもダイジョブダイジョブ。

 初代王弟ったらじつは下手の横好きでとっても弱かったって説もあるんだ。


 案外真実なんじゃないかと思う。

 たとえ最期は毒杯を(たまわ)ったとはいえ死後は許されて王家の墓に入ってる人だから悪口になるようなことは言えないし、生前だって王子に「あんた下手ね」とはなかなか言えないもんだ。


 だから本気でオレつえぇぇぇって思ってたのかも……私もそうなのかなぁ。不安になってきたぞ。



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