41、発見
《感知》の魔法はがんばれば人の嘘を見抜くこともできるけど、私は「嘘も方便容認派」なので普段はあえて見ないようにしてる。
もちろん最初からできたわけじゃなくて、普通に氏名・年齢等言わせた後、次にわざと嘘を吐かせて電流の絡まり具合を見るって訓練をくり返した結果だ。参考にしたのはウソ発見器。
でもそのことと油断することは違うし、さらなる魔法の可能性を求めてじーっと道行く人々を眺めていたら、あらびっくり!
尖った耳や尾っぽのある奴が混ざってる。
キルヒャー先生に耳打ちしたら、先生もじーっ。私以外には見えないことを保証してくれた。
うん、私もそのものが見えてるわけじゃなくて、たぶんそれを動かすための電気信号を《感知》してるんだと思う。
普通に見ればごくごくふつうの親子連れ。
ロバの背に収穫物を乗せて市場で売るなり物々交換するなりして、必要なものを手に入れたその帰りかな?
轡を取る父親らしき男の隣で、十歳前後に見える少女が好奇心に目を輝かせて私たちを見送ってる。
さてどうしようか。
ゲームみたいにコレ敵対者、アレ悪人って色付きでわかれば楽ちんなんだけど。
彼らが後ろを振り返って道端に避けたのは、自分たちより進行速度の速いもの、また騎馬や箱馬車なんてなるべく平民はかかわりたくないものに道を譲る当たり前の行為。
《感知》したのもあくまで人並みの恐れや用心であって敵意はないし、だからソイ先生の警戒は広く薄く普段通りのもので、私が注視してるから気を付けてるにすぎない。
すごく強いとか、殺人犯であるとか、極悪人ではないってことだね。
こういう時、私がよほど危ないことをしない限りは先生方は口を出さない。
質問すれば答えてくれるけど、向こうからはヒントもくれないなかなかのスパルタぶり。
とはいえ「は~いダン君、一たす一はいくつになるかな~?」なんてやられたら発狂するしな。
とりあえずトムに後をつけさせよう。
他の連中も腕を上げてきてはいるけど、元猟師と比べるとまだまだね。
対象が割と軽装で子連れだったことから、そう遠くないところに村があるんじゃないかって想像は付く。
私は残りの連中とちょっと早いけど休憩場所を探して昼飯の準備をば。
……あ。トームー!
一応、私も含めて皆それなりに飲食可能なものは用意できるんだ。
あくまでそれなりだけどさ。




