39、レインコート
麻布にゴムを塗り付けたレインコートはなかなか好評だ。
私としては通気性を犠牲にしてることが気になるけど。
従来通り毛皮を仕立てたものは保温性はあるものの、重いし後の手入れが大変。
雨の日に使うものが出先でまともに乾くわけもなく、文字通り濡れた獣の臭いがね。
一方、私のコートは防水・通気・軽量すべての基準をクリアしている!
今回は私の分しか用意できなかったけど、材料は例のアレですよ。
これは我が母、正妃と少ない在庫を巡ってかなりの綱引きをすることになるかと思いきや。
侍従たちからの手紙に「毒を持たない魔蝶発見」のニュースが!
突然変異か祖先返りか、はたまた別種か。
なんにしろ毒を持たないってことは捕食されやすいわけだから絶対数も少ないだろうし、それを雌雄合わせて見付けるなんてもう執念だね。
不幸な事故を起こしながらも、正妃の名のもとに養蚕の体制は着々と整っているらしい。
織物一つで女たちを従え、商人を思うように動かし始めた正妃は王より政治をわかってる。
ろくに価値もわからん男共にはもったいないとか思ってそうだけど、その辺、宰相なら上手くやってくれると信じている。
念のため蒸留器の作成を早めよう。
ドワンに手紙手紙……「まずはそんなに大きなものでなくていいからね」と。キルヒャー先生、ドワーフ語の綴りこれで合ってます?
バラの栽培は庭師いや大量に必要だから農家にさせるか。
バラ水と精油なんて正妃が興味を持たないわけがないからある程度のところで丸っと任せて、代わりに魔蝶シルクを融通してもらえばいい。
それにしても「七百個の卵」かぁ。思わず『エイリアン』を思い出しちゃったよ……うへぃ。




