30、働き口
悪党の情報網も馬鹿にならない。
山賊から転用した人夫たちを「普通に」こき使ってたら、いつの間にやらぞろぞろと奴ら自主的に集まってくるようになった。
いや賊であることは隠してるけど、どう見ても人相がね。荒んでるっていうか。
曰く、飯を食わせてくれるとか。
曰く、日のあるうちだけの仕事だとか。
曰く、六日働くと一日休ませてくれるとか。
曰く、毎日水浴びをさせてくれるとか。
それは本当かと。
はい本当です。
まあ、矛盾があるのはわかってる。
お前は殺人犯かと問うたところで正直に答えるはずもない。
賞金首でもない限り、立証する手立てもない。
どの道、契約魔法で縛るんだけど、どうやら犯罪に手を染めてない人も混ざってるみたいで、それでも働きたいっていう者が後を絶たない。
私から見ればタコ部屋同然なんだけど。
王よ。これは政策の問題ですわ。
とにもかくにも幅広で穴ぼこのない道が出来ていく。
山賊も減って、商人の行き来も増える。
魔物の襲撃には備えないとならないけど。
もともとは人夫のために浮浪者から娼婦を募って簡素な娼館を作ったら、騎士たちが街道の巡回を嫌がらなくなった。
……オイオイ。
病気怖くないのか?って思うけど、そういえば治癒魔法があったね。高いけど。




