28、確保1
私がいまさら口を出さなくても、ドワーフたちは風車を作り水の汲み上げに利用できないかって検討してる。
エルフたちはまだまだ紙の出来栄えに満足しておらず、改良を重ねる日々。
そして新たな食材にチャレンジする一方で、既存のレシピをより美味しく生まれ変わらせようと奮闘する料理長。
やっと一人前になった文官たちが中心になって、貴族の学び舎の構想を練っているとも聞く。
嬉しや嬉しや。
これは文明開化の道筋を付けたといっても過言ではない……かも?
私は最初の勢いを付けただけだけどね。事は動き出した。
学校はあと十年もすれば形になるだろう。
それまで私、しばらく遊んでもいいかな?
ちょっとあちこち見て回りたいんだ。付け足し感が半端ないけど一応、勉強がてら。
安全が確保できたらミシェルも連れて行ってあげたい。
それにはまず馬車だ。
馬に乗っちゃう男たちは意識してないけど、女子供にとってあれは苦行だよ。
そうとなったらスプリングだ! 板バネだ! 吊り下げ式だ!……言葉しか知らないけど。
ドワンならなんとかするだろう。
あとは道の整備。
せめて主要な街道だけでも石畳にしてほしい。
これは国家事業でしょう!
宰相、宰相。物流が良くなるとこう経済が回ってね。
え、予算はなんとか絞り出せそうだけど人夫が足りない?
農業効率が良くなって収穫高が上がって、ちょっとずつだけど人口も上向きはじめてる。
それはうれしいことだけど、それらの口を食わすために開墾も始めたと。すでにスラム街の住人は送り込んでると。
どっかに遊んでる人手ではないか。
盗賊、山賊?
ソイ先生、行きましょう!
焦った家令に騎士団を付けられたけど、今回は殺っちゃダメなんだよ?
しかしモノを運ぶのに人手は必要か。
商人とその護衛に扮するなら付いてきてもいいよ。半分は幌馬車に詰め込むけど。




