26、牛
田起こしに馬を使おうとしたら強固な抵抗にあった。
貴族や軍属の男共が話を聞いただけで猛反発してる。
すでに馬車を引かせてることを思えば訳のわからんこだわりだけど、田んぼに突っ込んだフェラーリを想像して私なりに納得する。
私はそこまでのこだわりはないからさ。
乳目当てに捕まえさせてる牛の魔物を使うことにする。
前世のホルスタインくらいの大きさで、気性の荒さもそれくらい?
見た目はまんま水牛だね。
どこが魔物なのかって話だけど、やっぱり見た目だそうで『ツーホーン』って呼ばれてる。
乳は牛乳よりもクリーミーでおいしく、肉は固くて調理に工夫が必要だけど味は悪くない。
その上、馬より燃費がいい。
愛いやつ。
確かフンは丸めて乾かせば燃料になるんだよ。堆肥にしてもいいしさ。
また、抵抗にあった……
あんたらそんな清潔でもないくせに、ほんと訳わからん!
まあ私もいい加減な知識があるだけだ。
自分の田んぼでまず実験して、その成果に宰相あたりが目を付ければめっけもの。
米の品種改良もまだまだ納得がいかないくらいだから、穀物酢なんてもちろんできてない。
駄目もとでやらせたらワインビネガーでもチーズはできたよ! フォー!
しかし、チーズにもいろいろ種類が……子羊だったか子山羊だったか、第三だったか第四だったか。
よし、羊・山羊を探すところからエルルに任せよう。
まったく確かに狩りをすれば肉は食べられるけど、それじゃ安定供給できないじゃないか。
塩辛すぎる塩漬け肉や、石のような干し肉にはもううんざり。
猪でわかったでしょ。畜産しようよ畜産。
昔から各家でガチョウを飼ってたのは褒めてつかわす!
鶏の卵と味は変わらない上に大きいし、肉も旨い。
なぜ羽毛を使わないのだ。ほら、温かいでしょ?
でもウールもいいよ、織物にもできるし。
バター作りは改造して取っ手を付けた樽にミルクを入れて毎日、誰かががグルグルしてる。




