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25、釣り2


 さすがのドワンも、やっと再現可能になった「錆びない鉄」で真っ先にワイヤーを作らされるとは思わってなかったようだ。


 それがいまズルズルと濁った水の中に引き込まれていく。


「掛かった! 引けぇ~」

「「「おうさっ」」」


 ドワーフたちが筋肉をモリモリさせながら巻き上げ機でワイヤーを巻き上げる。

 コレを運ぶのにも大活躍だったんだよね。


 意外に抵抗は弱い。

 あっさり引き上げられる大きな大きな……ウナギだな、うん。


 ゴム長&ゴム手袋を装備してるから足裏がぴりぴりする程度で済んでるけど、なかったらやばかった。

 さっさと脳みそがあるあたりを狙って温度を上げる。


 動かなくなるウナ。

 同時にぴりぴりも感じなくなる。


 大勢で狩った場合、魔法が「移る」先は止めを刺した奴って証言は得てる。

 もっと微弱なものでいいから電気、いやさ《雷》魔法が使えるようになるといいな。


 例えばヒトの場合、脳が四十二度を超えれば熱痙攣を起こして動けなくなるだろうことが予想ができるけど、一歩間違えれば障害が残るかあの世行き。

 正直そこまで繊細な操作はできそうにない。


 そこは電気も同じことだけどバチッとスタンガンか、ビリビリ~ッとテーザー銃みたいな使い方ができればと思うんだ。


 「すごいですね」と言いつつ、ソイ先生はいつも通り落ち着いてる。

 「何かあった時ほど平常心で」と指導されてるから、私も表面上はそのつもり。


 ドワーフたちは大盛り上がりだ。

 釣りを手伝わせる代わりに獲物は丸ごと譲る約束だからね。


 どうやって運ぶのかって? 腕力だよ。


 森を出て、街道を半ば進んだあたりから「なんだ」「なんだ」と人が集まってきて、ずっと後を付いてくる。

 何かの祭りかってくらい皆、楽しそう。

 この頃、順調に脳筋街道を歩みはじめた第一王子の周りがうざかったから一発かましたのと、第二王子は一歩下がってマイナーな魔法で行くよってメッセージでもあったわけだけど、やってよかったな。


 王や王妃にまで龍踊りを披露するはめになったけど、捌くことに変わりはない。

 ドワンによると魔石は出なかったそうだ。

 これは外れだったか?


 それでも皮にしろ骨にしろ内臓にしろ肉にしろ使い道があるらしく、「本当に全部いいのか」と確認してくるので、肉一切れだけバックさせた。


 まだ貴重な米を炊き、ウナ肉を蒸して焼いて味噌の上澄みと蜂蜜で味付けさせる。

 涙が出た。


 もっともご飯はぽそぽそで、肉の味付けにまったく深みがない。

 その上、肉自体不味くはないんだけど豚の角煮の脂身オンリーって言ったらわかるかな。


 欲張っちゃいけないってことなんだろうけど、まあ楽しかったし。

 電気ショックに拘らなくても、凍えさせれば生け捕りにできるじゃないかって……我ながら気付くの遅っ!



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