23、水車
エルフたちにゴムの木を探しに行かせた時に、たぶんそこにあるんじゃないかって私の予想は半分当たりで半分外れ。
確かに稲だと思うんだけど、野性味が強くてまるで別物。はっきり言って雑草だ。
……品種改良ってどうすりゃいいの?
とりあえず実験用の小さな水田を作らせて、せめて実ったら頭を垂れるように実の重いもの同士を掛け合わせていく方針。
いずれは広々と作付けしたいし、少なくともアレは作っておこう。
粉挽きにも利用できるから、便利だよ?
ドワーフたちの刀熱も一段落……してないけど、やれぃ!
鍛冶にも使えるって謳い文句は腕力&体力バカのドワーフたちには通用しなかったけど、軸受けの工夫をはじめたあたりでもう夢中になってた。
水の流れで羽根の付いた車輪が回る、ついでに水を汲み上げる、車軸に連動させた歯車が動く、縦回転を横回転に変換して石臼を回す。
見た目はむさくてごついけど皆、心は小さな男の子。機械大好き。
一つ形になったことで、既存の鍛冶師や石工、大工、その他の者たちも俄然忙しくなったきた。
すでに『ドワーフもしくはエルフが試作品を作る → 宰相はじめ大臣や文官たちの検討 → その他の職人が量産する』って流れが出来上がってるからね。
ドワーフやエルフの扱いにもやっとしてたから、他の職人連中を蔑ろにする気持ちがなかったとは言わない。
一方で彼らの忙しさを慮ってたのも事実。
鍛冶一つとっても、伝統の武器防具は変わらず需要があるし、当然メンテナンスもしなくちゃならないし、蹄鉄の付け替え、鍋や包丁、釘なんかを作るのも彼らの仕事。
いやドワンだって忙しい。その目のヤバさに気付いてないわけじゃないんだよ?
だから勤務時間や休日の取得についてもうるさく言って報酬も弾んでるんだ、うん。
作らせておいてなんだけど刀は王侯貴族が趣味で所有し、時に部下への褒美にしたり少数の変わり者が使うって位置付けになると思ってる。




