21、魔物狩り
ソイ先生っていうのは私を走らせたり武術の型を教えてくれてる、前世で言えば体育の先生かな?
教え方は丁寧で無茶はしない。
小柄で一見頼りなく見えるから抑止力にはならないけど、お忍びの護衛役にはもってこい。
まあ、馬を所有してる時点で一般人じゃないけどね。
一応乗馬も習いはじめたけど、今日は先生の前側に同乗させてもらってる私。
毎回、あまりの見晴らしの良さに何がとは言わないけどひゅんとして、でも生き物に乗ってる感動っていうの?
「本当にいいんですかね?」
体勢の問題で顔は見えないけど、眉をハの字にしてるのが目に見えるようだ。
「森のとば口でちょっと実験したら帰ります」
「……約束ですよ」
もちろん時間や約束は守りますよ。
もしもの時はかなり先生の腕を当てにしてるけど、騎士たちにも話を聞いて回ったし屠殺予定の猪で練習させてもらったから、その成果を出したいところ。
スライムは蒸発した!
動かなくなったホーンラビットからは湯気が上がっている。
ゴブリンは鼻と口から煙を吐きながら倒れた。
姿はそのままなのにグロく感じるのはなぜだろう。
生き物を殺すことに忌避感がないわけじゃないけど、「食う」「身を守る」「力を示す」何にしろ必要なことだって割り切ることにした。
思うだけじゃできなさそうなことができるってことは、すでに順応してるわけだけど。
「……すごいですね」
そうね。
脳ミソ煮られて生きていられる生き物はまずいないだろうから、いけるとは思ってたけど。
ただ相手があまりにも素早かったり数が多かったりしたらどうなるか。
要練習だな。
実地で獲物の処理方法を教わって、その日は帰る。
スライムは核だけ拾う。っていうかそれしか残らない。
ホーンラビットは一先ず取り出した内臓を埋める。血抜きもせずに熱が通っちゃった肉って美味しいんですかね?……結構いけた。
ゴブリンは魔石を取って右耳切って、あとは燃やして埋める。面倒だから狩りたくないけどすぐに増えて困るから皆、義務感で狩るらしい。
「ソイ先生、熱に強い魔物や獣って何でしょうか?」
「獣は王子の魔法でいちころでしょう。魔物ではサラマンダーやファイヤードラゴンが真っ先に思い浮かびます」
うっひゃ、強そうなの来たぁ!
正直想像するだけでもビビるけど、脳ミソを絶対零度にしたらどうだろう?
まあドラゴンともなれば魔力反射とか反則技がありそうだけど。




