1、再生
生きるって大変だ。
ブラック企業で使い潰されそうになってた私は、ある日下の毛に白髪を発見。
こら、あかん。
ちょっとの無理がかなりの無理に、そしてそれが普通になってたことを自覚した。
テカテカしてる上司に啖呵を切る気力もなく、頭を下げまくって「一身上の都合」で辞表を提出。
急激に不安に苛まれたけど、いや先のことよりいま生き残らねば。
私は間違ってない……はずだ。
とにかくいまは家に帰って眠れるだけ眠って、それから考えよう。
手荷物抱えて交通法規を守って歩いていたら、居眠り運転のトラックに轢かれてあえなく昇天。
結局、私はブラックな社会機構に潰されたってわけだ。
ところで、昭和生まれの方なら覚えがあるだろう。
まだ携帯電話なんて登場しておらず、パソコンよりもワープロが使われてた時代。
個人で年賀ハガキを百枚単位で書く強者も少なくなかった。
もちろんやってはいけないことだけど、アルバイトの学生が配達途中のそれを大量に投棄した気持ちもわからないではない。
なぜそんな話をするのかって?
この世界、他と比べて一日の死者数がかなり多いそうだ。
それを回収するモノを天使と呼ぶか死神と呼ぶか、単なるシステムと呼ぶかは個々人の趣味に任せる。
そのうちの一つの存在が、運搬中に数百個単位でこれを投棄。
結果、まだ名もない小さな世界に、前世の記憶を持った生き物が大量に生まれそうになった。
神だかシステムだかの働きによって、すぐに回収されたけど。
それを機にダンプと名付けられたこの世界は、まだ不衛生で医療も発達しておらず赤ん坊の死亡率が高かったから、悲しみと共に違和感なく受け入れられたようだ。
その中で回収を免れたものが一つだけある。
質疑応答なんて親切なものじゃなく一方的なものでも説明があったところをみると、故意に残されたかうっかり忘れたのを見逃すことにしたか、とにかく強制回収の危機は去った。
ようは剣と魔法が幅を利かせるファンタジー世界の真ん中で、のん気に乳を吸ってるのが私。
強国ジャンクリン王国の第二王子、名をダンカン・アス・ジャンクリンという。
お読みいただきありがとうございます!
またまた書きたいように書いてしまいました|д゜)
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