第91話「閲覧禁止」
対テレパシスト奥義 精神汚染誘導思念・第1波:ロイコクロリディウム
「ッ!?!? ギ…ギャアアアアアアァァァァァァア!!!!」
お花畑にセンセーの絶叫が響き渡った―――
ロイコクロリディウム…… 知ってる人は知っているカタツムリの寄生虫だ。
ハッキリ言ってかなりキモイ!
どうやらセンセーは知ってるらしい、効果倍増だ。
テレパシー能力と言っても格はある、単純に心の声が聞こえるだけのもあれば、頭の中に思い描いた風景を受信できるものもある。
センセーの『精神看破』は後者だな。
心の声が聞こえる程度の能力なら「黒板を爪で引っ掻く音」でも送ってやればいい、ただし人によっては耐性があったりする。
対して映像受信できるテレパシストは得られる情報は多いけど負荷も大きくなるというリスクを持つ。
恐らくだが…… センセーは異世界住人(男)の頭の中で●●されまくって来たのではないだろうか? それはもう口に出すのも憚られるレベルのグッチョングッチョンに……
センセーって見た目は可愛いしね…… ただそのせいでそっち方面の耐性を得てしまったと思われる。
それこそがセンセーが英雄候補を辞めて魔法少女に転職した理由かも知れない、思い返せばやたらと男を敵視してたしね……
ただ四六時中18禁のコトばかり考えてそうな荒くれ者サークルの姫をやってるのが意味不明だけど。
とにかく凌辱系ハードエロ漫画を真顔で読破できる魔法少女に精神汚染を掛けるには別角度からの切込みが必要だ。
なので万人が苦手であろうトラウマ級映像を送信すれば高確率で精神にダメージを与えられると考えた。
計算通り効果はバツグンだ!
ただこの手は本当は使いたくなかった…… なにせ俺自身の精神にもダメージがくる諸刃の剣だから……
「ぐ……ッ なんて気色の悪い想像をするのよ……」
「センセー…… 素直に降伏してください、これ以上続けても無駄に苦しむだけですよ?」
「この程度……どうってコト無いわ! 今まで相手にしてきた問題児たちに比べればね!」
ウチの学校問題児多いもんね。
「アンタはその筆頭よ」
おっと、心の声にツッコミ入れられた。
「ならば…… 手加減はしませんよ?」
「ふふっ…… もう二度とさっきみたいな……うぎゃあああぁあぁぁぁぁぁぁあッ!?!?」
あらら、ちょっとフライングしちゃったメンゴ♪メンゴ♪
対テレパシスト奥義 精神汚染誘導思念・第2波:トライポフォビア
ブツブツや小さな穴の集合体を恐れる集合体恐怖症、一種の蓮コラってヤツだ。
ネットでたまに見かける、コレも人によっては耐性があるが今回はより気持ち悪く人体に無数の穴が開いてる映像を選択、めっちゃゾワッとくる。
当然だが俺のメンタルにもダメージが来た、いい加減ギブアップしてくれないかな?
「ハァッ…… ハァッ…… キミは……アレ? 悪魔の生まれ変わりか何かなの?」
「失礼な、どこにでもいるごく普通の男子高校生ですよ」
約88%ね。
「普通の高校生はこんな的確に精神破壊を狙わない……」
「おや? 『精神看破』解除したんですね? 降伏する気になりました?」
「だ……誰がッ!!」
ふ~む…… あと一押しってトコロか……
対テレパシスト奥義……
「ヒッ!?」
「なるほど…… 接続・切断を小刻みに繰り返して精神ダメージを最小限にする作戦ですか……
でもその使い方って殆ど意味ないですよね? 断片的な情報じゃこちらの意図を完全に理解することは出来ない、せいぜい攻撃の起点を見極めるくらい、それだって多少のタイムラグが発生する」
「よ……余計なお世話よ!」
それでも『精神看破』を使うコトを止めない……
たぶん『精神看破』を使わずに戦ったコトが無いんだ、ゲームでも敵の体力ゲージが常に見えてるゲームのあとにゲージが見えないのをやると戦略を立てられなくなることがある。
「慣れ」や「勘」が働かなくなるからだ。
ましてやここは現実世界、ゲームよりシビアな世界だ。
今まで敵の次の行動が判っていたのにそれが無くなったらまともに動けないだろう。
だから『精神看破』を使う、止められない……
「そんなトコロですかね?」
「…………ッ」
判りやすいなぁ……
しかし参ったな、いくら俺でも可愛いアラサー魔法少女に腹パンはできない。
可能なら精神攻撃で仕留めたい…… ならば……
「今から最後の攻撃をします」
「は?」
「これに耐えられたら…… 見逃してあげます」
「キミは一体なに様のつもりなのかな?」
「さすがに現状は判りますよね? センセーの切り札である『精神看破』はまともに使えない、コッチの戦力は盗賊団を秒で壊滅させることだってできる」
「うぐっ!」
「俺の提案はそっちに残された全滅回避の唯一の道です」
「ぐぬぬ…… キミが勝ったら……」
「フラワーガーデンはめでたく壊滅です」
センセーはどうしようかな? 奴隷として売りに出されたら俺が買ってやるか、運転手の交代要員が一人くらいいても悪くないし。
「私を奴隷にするつもり!? 薄い本みたいに!!」
なんで教師がそのネタ知ってるんだよ……
薄い本の奴隷=性奴隷だからな。
「それで私が勝ったら……」
「見逃してあげます」
「いや、奴隷解放しろよ」
あ、そういえばそんなコト言ってたな。でも……
「解放できるならとっくにしてますよ」
「所有権を別に移せばいいのよ」
なるほど、つまり男が奴隷少女の主人になってるのが許せないのか。
「判りました、その条件をのみましょう」
「よしっ! これであとは私が気をしっかり持つだけ!」
………… 第1波・第2波で大絶叫してたくせに何故そんなに楽観的に考えられるのだろう?
いや、それよりも第3波どうしよう? やっぱりホラー系? でもホラー系大好物って人たまにいるしなぁ……
もっと根源的な恐怖を喚起するモノがイイ……
…………
アレ? 俺……わりと最近、根源的な恐怖の対象に出くわした気がする……
なんだっけ? 裸の男勇者かな?
「えッ!?」
おい教師、裸の男に反応すんな。
「くっ! トラップか!」
くっ! じゃねーよ、くっ! じゃ……
あ、思い出した根源的な恐怖…… あれか~……
ちょっと妄想をプラスして破壊力を上げておこう。
「センセー、覚悟はいいですか?」
「それはこっちのセリフよ! 神楽橋飯綱! アナタのお墓にキレイなお花、供えます♪」
「…………」
「…………」
「さっきから思ってたんですけど、そのキメ台詞…… 酷いです最悪です無いです」
「うっ!? うるさい! 酷くない! 死者に最大限の敬意を払ってるじゃない!」
まず魔法少女が相手に明確な殺意を抱いてるってトコが間違ってる。
いや…… 深夜系の魔法少女なら殺意ギガ盛りってのもあったかも知れないな…… 序盤で味方の魔法少女が惨たらしく殺されるやつ。
ま、センセーのセンスの悪さはこの際どうでもいいや。
「悪くないわよ!」
いちいち思考にツッコミ入れられるのめんどくせーな、さっさとケリをつけよう。
対テレパシスト奥義 精神汚染誘導思念・第3波……
「ッ!!」
キング・オブ・カタストロフィ!!
「……………………」
「あれ?」
まさかの無反応!? ここ最近で俺が一番精神汚染された出来事だったのに。
その攻撃力は正に圧倒的! 俺の実体験だからな。
さらに攻撃力を上げるために通常の小型Gを一個師団くらい増員して一斉に襲い掛かるビジョンを想像したんだけどなぁ……
チッ! センセーの心の強さを見誤っていたか、仕方ない、奴隷の所有権はユリアにでも譲ろう。
「見事ですセンセー、よく俺の攻撃に…… ん? センセー?」
「……………………」
もしも~し、綾野・ピュアネス☆フォーエバー・遥花センセー、応答せよ。
「……………………」
あ、あそこに金髪イケメンが上半身裸で……
「……………………」
返事がないまるで屍のようだ……
もしかして気絶してる? よく見れば白目剥いてるじゃねーか。
フラ~…… ドサッ
センセーはそのまま真後ろへ倒れた。
「え~と…… 勝った」
「あのね、ご主人様……」
「ん?」
「ナニやってたのかよく判らなかったんですけど?」
なんてこった、俺vs魔法少女の激闘は周りの誰にも伝わってなかった。
まぁ会話は俺とセンセーの脳内でしか成立してなかったし仕方ないか……
魔法少女ピュアネス☆フォーエバー、お花畑に死す(※死んでない)―――
墓にはキレイな花を供えるから安心して逝ってくれ。
ま、これに懲りたらヒトの脳内を勝手に覗くの止めるんだな。
みんな閲覧禁止に決まってるんだから。
《特別解説》
『ロイコクロリディウム』
画像検索要注意! 特に動画やGIF画像だとダメージ量が増加する。
『トライポフォビア』
画像検索要注意! ぞわっときて皮膚の下を掻き毟りたくなる画像。
『キング・オブ・カタストロフィ』
黒い悪魔。29話参照。




