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非魔法使いによる反則的異世界攻略  作者: 群青
―― 魔人族/エヴィル編 ――
86/175

第86話「リジェクトスーツ」


 僕はいま異世界でガチムチに(タマ)狙われています…… ちなみに両方全裸です……


 ヤバいことになった…… 最近いろいろと順調だったから油断していた。

 どうやら俺の首には賞金が掛かっているそうだ、コレは想定していたから問題は無いのだが…… タイミングが最悪だ。

 なんでよりにもよって風呂に入ってる時に来るかね?


「これがお前のオーパーツだろ?」


 ガチムチが持ち込んだタオルの中から俺の中二コートが出てきた…… ドロボー! 風呂場にコートを持ち込むな!

 それ以前に俺の使用済み衣服を回収すんじゃねぇ!


「諜報員の話だとこのオーパーツの機能は身体機能の超強化、魔法による身体強化とは比べ物にならないレベルらしいな」

「へぇ…… そうなんだ……」

「まぁ魔無(マナレス)じゃ強化魔法なんて知るワケないな、そして……」



 バサァ!



「俺が着れば強化魔法でさらに身体機能の上乗せができるというワケだ」


 ッ! あ……のバカッ! 信じらんねぇ! 濡れた体で人様のコートを勝手に着やがった! 全裸に直コート、更にサイズが合って無いからパツンパツンのギッチギチだ!

 こんなことならコートもストレージに入れておくんだった!


「これでお前には何もできまい? 魔法も使えず完全に丸腰だからな」


 …………


 丸腰って言うかフル●ンだ、そそくさとタオルを腰に巻く、これでなんとかゴブリン並みの防御力を手に入れた。

 まぁ防御力が0から1に上がったって被ダメは減らないだろうけど。

 つーかお前もタオル巻けよ! なんで全裸にコート一枚のモロ出し変質者みたいな恰好で普通に会話できるんだよ!


「それで? 他のオーパーツはドコにある?」

「あ?」

「お前たち反魔力同盟(アンチマギア)が複数のオーパーツを所有していることは知っている、他にもあるんだろ? それを寄こせと言っている」


 …………ヤバイ

 スマホは風呂場まで持ち込んでいるが桶に入れて岩の上に置きっぱなしだ。

 今は視線を送るだけでもバレる、そっち見ないように気を付けないと……


「目的は強盗か」

「お前が素直に渡せば強盗で終わるな」


 抵抗すれば強盗殺人になるってか? あるいは強かn…… 冗談じゃない!


「そもそもアンタ誰なんだよ?」

「名前は言えないが闇ギルドに所属している者だ」


 名前を言わないってコトは素直に従えば見逃すつもりはあるのかもしれないな。

 それもアリかも知れない、どうせ俺以外にパワードスーツは使えないハズだ、だったら後でベルリネッタにチクって回収してもらうのが一番安全だろう。

 ベルリネッタならお城の宝物庫に入れられても問答無用で取り返せる。ただしお城は崩壊するかもしれないけどね?


 まぁ見逃すってのも可能性があるというだけで、実際に見逃してくれるとは思えない。

 この世界の住人は基本的に魔無(マナレス)に人権など無い……と考えてる奴が大半だ。


 つまりこの状況を何とかしないと俺は高確率で殺される……

 だが何とかできると思う? ステータスは虚無級(ゼロ)、装備に至ってはただのタオル一枚だ。


 …………待てよ?

 アイツは中二コートを装備したことで身体強化されたと思い込んでいる。

 恐らく普通のオーパーツは装備しただけで効果があるのだろう、だがベルリネッタが用意したオーパーツはセーフティー機能が働いてるハズだ。

 つまり上手くやれば相手の虚を突ける。


 もうそれに賭けるしかない…… ハァ……なんて分の悪い賭けだ……

 相手の懐に飛び込んで「男殺し(アダムキラー)」をぶち込むしか一発逆転の目は無い。

 ホントは素足でヤリたくないんだが、そんなコト言ってる場合じゃない。


 少しでも成功率を上げるためアイツの意識を誘導する。


「本当に……」

「ん?」

「本当に…… オ…オーパーツを差し出せば……見逃して……くれるのか?」


 怯えた小動物のように小刻みに震えながら上目遣いで話し掛ける、この行動は諸刃の剣だ、俺の可愛らしい演技にアイツがズキュン♪と来たら危険レベルが跳ね上がるから。


「あぁもちろん、魔無(マナレス)の生死などどうd……」


 今だッ!!



 ドゥンッ!!!!



 優越感を感じながら話し始め+まばたきのタイミングで相手の懐に全速力で飛び込む!

 このまま股間を蹴り上げ……いや、スピードに乗って膝で突っ込むほうが痛そうだ……


 …………


 あれ? 俺の思考妙に早くね? というかタックルも妙に早いぞ? 相手との距離はもう30cmを切ってる……

 あ、ダメだ、間に合わん、突っ込む―――



 ズドオオォォォン!!!! バゴォーン!!



「ぐ……ぉおぉぉ~~!」


 ガチガチの腹筋に頭突きをかましてしまった、硬ってぇ~! もっと脂肪溜め込めよ!


「…………」

「イテテテテ……」


 ガチムチ男はうつ伏せの体勢で温泉に浮かんでた、死んで……ないよな?

 つーか温泉のお湯が1/3くらいこぼれた。


 しかし危なかった、あと少し体が低ければ顔面から股間に突っ込んでいくところだった、あるいはアイツがもう少し戦闘形態に移行してたら顔面が●●●に突っ込むところだった……

 ふぅ~…… まさに九死に一生を得た気分だ……


 …………


 いや、いやいやいや! 確かに近年稀に見るほどのピンチだったのは確かだけど、それよりも重要なことがある。


「なんで裸でパワードスーツ着用時並みのスピードとパワーが出た?」


 これは…… まさか!


 …………


 いや、ゴメン、やっぱ判んねーや、なんだよコレ? どうなってんだ?


「マスター…… 風邪ひく」

「へ?」


 気が付いたらすぐ隣にベルリネッタがいた……


「え? どっから出てきたの?」

「マスターの危険…… 察知した、だから急いで来た……」


 よく見ればベルリネッタも全裸だ、肌も髪も濡れている、温泉入ってたけど急いで駆け付けたって感じだ。瞬時にそれに気づかないとは俺も相当動揺してたんだな……

 そしてそれよりもショックなのは後10秒待ってればベルリネッタが全部処理してくれた……という事実だ。


「ベルリネッタさん」

「はい?」

「話は後回しでいいからまず隠せ、異性に全裸を晒すな」


 いくら緊急事態でも平気で真っ裸は困る、羞恥心プログラムをインストールしないといつか衆人環視の中でも全裸戦闘始めそうで……

 見た目美少女なんだから俺以外に裸を見せるべきではない、うん。


「マスターはいいの?」

「は?」


 3m後方にタオルがプカプカ浮いている、偉そうなコト言っといて俺もフルオープンだった。

 なるほど…… 俺の全力移動に軽く縛っただけのタオルは付いてこれなかったのか……


 イヤン



――――――


――――


――



 お湯の少なくなった温泉にベルリネッタと並んで浸かる。

 左に視線を向けるとガチムチ男のキュッと締まったケツが見えるのが不快だ。中二コートを回収したらあのケツが現れた、火口めがけて蹴り飛ばしたい。

 取り合えず掃除用のモップ無いかな? 一輪挿しにしてやる。


「マスターは男の臀部が気になる……?」


 風評被害ヤメロ!


「気になるんじゃなくて忌々しい思いで見てたんだ」

「マスターは私の臀部より男の臀部の方が気になるんだ……」

「そんなワケあるか! もし写生大会でどっちのケツをモチーフにするかと聞かれたら絶対にベルリネッタのケツを選ぶ!!」


 …………


 何の話してるんだ俺は?


「そんなコトよりベルリネッタに聞きたいコトがある」

「なに?」

「俺がパワードスーツ未着用(※全裸)にも拘らず身体能力が強化されていたコトだ」


 この謎の現象、ベルリネッタはその答えを知っているハズだ。


「ん~…… まず前提が間違ってる……」

「は? 前提?」

「マスターに渡したのは身を守るための防具リジェクトスーツ、パワードスーツ違う……」


 ………… は?


「リジェクトスーツに身体能力をアシストする機能……付いてない」

「?? いや、強化されてたじゃん、普段の俺は100m12秒台だったんだぜ? でもスーツ着用時なら8秒台とか余裕、全力なら5秒台もイケそうだった」

「それはリジェクトスーツの機能じゃない……」


 スーツの機能じゃないなら……


「スキルか?」


 昨今の異世界モノでは9割方出てくるスキルという概念。

 ファンタジー世界のくせに出てこないのが不思議だったんだがそういうコトだったのか。

 魔法とは別のカテゴリーで魔力が無くても使える能力!


「スキル違う……」


 ………… 一瞬で否定されてしまった…… じゃあ何なんだよ!


「マスターの……人間には出すことが出来ない性能はナノマシンによるもの……」

「ナノマシン?」


 なんだろう…… ちょっと嫌な予感がする……


「マスターが瀕死の重傷を負ったとき、治療のために私のナノマシンを分け与えた…… 覚えてる?」

「あぁ、もちろん」


 嫌な事件だった、あの忌まわしい事件のせいで完全体・ベルリネッタは失われ、今みたいなチンチクリンのベルリネッタになってしまったのだ。

 いつの日か必ずあの完璧美少女の姿を取り戻す!


「あの時分け与えたナノマシンはマスターの体内で分解されるか体外へ排出されるハズだった」

「ハズ……ってことは?」

「マスターの細胞はナノマシンを吸収して取り込んだ……」


 え? 超科学のナノマシンを吸収するって、俺……もしかしてバケモノなんじゃないの?


「より厳密に言うとナノマシンが自ら吸収・同化されにいった…… そういうふうに進化した」

「進化…… あ、「自立進化型特殊ナノマシン」か!」

「イエス」


 アノ時のナノマシンがまだ俺の中にいるってことか…… マズいな、雷の魔法には気を付けないと、隣にスーパーペガサス(185cm)が立ってても軌道を変えて俺(172cm)めがけて落ちてくるぜ。


「それじゃ俺って何なの? サイボーグ……になるのか?」

「まだ人間でいい……」

「ま……まだ?」

「87.75%人間」


 じゃあ残りの12.25%は何なんだよ!?






《特別解説》

『スキル』

 技能や能力のこと。作品によっては魔法もスキルの一部として扱われることがある。


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