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第四章 捕縛

かなり書き終わるのに時間がかかってしまいすみませんでした〜<m(__)m>

無気力になりかかって、やばいかと思ったけど、8月に入る前に何とか書き終わりました。(*^^)v



みなさんが望んでいたようなシナリオとはちょっと違った内容にしてみました。なので、不満が有るかもしれませんが、こんな作者に御付き合いください。


俺は学校を飛び出した、`それしか無かったから’。


校門を出て、平日の今の時間帯では人通りの少ない道を抜けて、コンビニの角を折れて、右手に建設中のビルだかマンションだか知らないが、喧噪を背にして、いつも歩いている道なりとは違う雰囲気を噛みしめながら歩いた。



歩いていて、俺はふと思いついた。


そうだ、図書館で情報収集でもしよう、と。


浅はかな考えであるが、俺は愚かにも高を括った。



図書館の前に来ると、そいつは俺に対して身構えているかのようであった。


中に入ると、司書がどうして平日のこの時間に制服のままの青年が来るのだろうかというような、疑念に満ちた視線を送った。また、雑誌等が置かれている所には、平日、暇なおばさん連中がペチャクチャと雑談を交えていた。とりあえず、地図とかの資料を当たった、陳列された蔵書の放つ緊張感を漂わせるオーラに半ば狼狽した。

2、3列棚を見て、ようやく地図を見つけると、俺は高揚し勝ったような気分になったが、一瞬にして崩れた。

どうにもこうにも、そう簡単に法則なんて見つかりはしない。


手には脂汗が出ていた。



とりあえず、訳も分からずにインターネット閲覧で情報を収集しようと思った。

案の定、パソコンは誰にも使われていなかった。


『災害 最近』と入力し、検索に掛けてみると、思うように自分が欲しい情報が手に入らないことに苛立った。


仕方がないので、個々の災害を入れて検索するほか無かった。

インターネットは大量の溢れていた。


検索ワードを変えてやってみると、一応相応の情報は手にはいるが、詳しい情報に手が届かなかった。

やはり、ここまでだったのか、と落胆しかけた。しかし、偶然にある地図のウェブサイトをクリックし開くと、俺は驚いて思わず、席を立った。



その世界地図には隕石が落ちた場所が示されていて、隕石の落ちた場所と、地震の起きた所の場所を世界地図で見てみると、緯線に平行であったのだ。


冷静に見てみると、隕石の落ちた場所はイランの首都、テヘランである事が分かった。



そして、俺は確信した。


−間違いない……こういう事だったのか−



心中で一言呟いて、胸ポケットに挿してあった"ペン"を取り出す。

ー法則は、緯線に平行に災害が発生するはずー



胸元にペンを持って…


カチッ…カチッ……20回ノックした。


勝った。 呆気無かったな。


と、満足げに呟いた。


晴れ晴れとした。




無意識に足は外に出ていた。




だが、真実はそう単純な物ではないと、まじまじと見せつけられるのだった。



電気店の前を通りかかったとき、俺は愕然とし、希望を打ち砕かれた。



「…速報です。 今日、十一時頃 アイスランド沿岸において大規模な津波が発生したとの情報が入ってきました。詳しい情報が入り次第お伝えします……」


電気店に置いてあったテレビは淡々と情報だけを伝えた。


俺はにわかに信じられなかった。

アイスランドでは確実に二つの地点の緯度より遙かに上じゃないか。いったい、どういう事なんだよ。



訳が分からなくなった。 道行く人々が自分の事を嘲ている様に感じた。



上を見上げると、青かった。

きっと、俺の顔も別の意味で青かっただろう。



酷く狼狽し人目に至極恐怖を感じ、逃げるかの如く人気のない路地に駆け込んだ。


走っていて、植え込みに足を引っかけたその時だった。背後に黒い影が現れ、頭部に激痛が走った。そして、その後の記憶は、無かった。






気がつくと、何処かの一室に居る様だった。俺の手は縛られ、携帯電話も無かった。

最初、窓からの陽光に目が眩んだが、見渡すと、ここはオフィスであったようだ。なぜなら、デスクやチェアー等が無造作に端に置かれ、パソコンや書類等が散乱していたからだ。

その後、俺は状況を整理してみた。

−誘拐−

その二文字が頭を過る。

それに伴って、額に汗が滲む。



俺を運び込んだのだから、単独犯ではなかろう。それより、もっと不思議で仕方がないのは、俺を誘拐する目的である。


しかし、そんな事は俺には想像できなかった。


手を縛られ、携帯も無い状況でどう外部と連絡を取るか、というのも頭を悩ました。すると、ギーという音が扉から聞こえたと思うと、人影が見えた。


数十メートル先の扉から現れた人影は一人だけで、なにやらコンビニのビニール袋を片手に持っていた。

すると、そいつはこちら側に向かってきたが、俺には一言も口を聞こうとはしなかった。

不思議だった。

すると、そいつは適当なイスに腰掛け、片手に持っていた袋から弁当の様な物を取り出し食べ始めた。


「おい!!俺をここに連れてきたのはどういう目的だ!」


大声で叫びそいつに問いたが、冷ややかに箸を進めた。


全く気にも掛けずに食事をしているそいつに対して幾分の空腹を感じているのも相伴って、さらに俺は苛立ちを隠せなかった。


「オイ!!返事くらいしろよ! このクズ野郎!卑怯者!」


俺は罵声を浴びせてやった。


しかし、そいつは全く顔色一つ変えなかった。まるで、聞こえていないような素振りで。


すると、ドアからまた一人の男が現れた。

風貌は二十代前半の若者に見えるが、態度等について言えば、最初に入ってきた奴よりも太々しい素振りであった。



二番目の奴は俺に向いて、不可解というのか、不気味な笑みを浮かべた。

「もう気が付いたか。ハハン、君はどうしてこんな所に居るのでしょうか。」


怒りを誘うような口調に半ば怒りに身を任せそうになったが、ここは抑えた。


「……どうしてって、こっちが尋ねたい所だねぇ。二人で一人を襲うなんて、卑怯者の弱者のする事だね。」

「あれ?君は立場を弁えていないのかな?」


二番目の奴は、イスを蹴ってやって来た。


「バットで殴って、こんな口を叩けるなんて大した者だわな。」

「…俺をこんな風にする目的って何なのか、教えろよ……豚野郎!」

それと同時にそいつに唾を吐いてやった。しかし、そいつは予想に反し、狂笑をした。

それを聞いて、背筋に何だか冷たい物が走ったような気がした。「ハハハ…。お前をここに連れてきたのは、復讐のためだからさ。お前は、俺の復讐の生け贄なのさ。ハハハ…。今の内に心にあることを全て吐いてしまえば良い。なぜなら、冥土に逝くのに無念を残してしまうのは、悪いからね。」

「……ぇぇ? ……冥土? 言っている意味が全く理解できない、むしろ、理解など出来ない。理不尽と言っても、言い尽くせねぇよ。」

「じゃ、嫌でも理解させてあげるよ。」

二番目の奴は、笑みなのか、引き釣っているのか、よく分からない表情でさらに接近し、胸ポケットに刺してあった例の"ペン"を取り出した。

「…オイ!何をするつもりだ!」



その時だけ俺の声が通ったような気がした。

「お前の命は…ほら、俺の手の中にあるよ。このペンでね……」

そいつは、ペンの頭を俺に向けて、ノックし始めた。嫌な予感がした。

「あんな風にしたり。こんな風に殺して、写真に撮って、あいつに送りつけてやっても面白いかもね。」


7…8…9…


「お前は何も出来ないのさ。手は動かせないし、携帯もないのよ。ハハハ…。」


13…14…15…


「お前は、どう死にたい?ハハハ…。」


18…19…20。





また、罪のない人たちが死にました。





「……質問したい事がある、何故、俺にした?復讐って何なんだ?」

「フフフ…、お前に知る権利はない。」

「ふざけんな!!」

さらに増して、大きな声がでた。無感情に弁当を食べていた一番目の奴も、さすがに俺の事を見た。

「さっき言ったじゃねぇか!無念を残さないってさ!俺は最低限、それを知らないと死ねねぇよ!」



「…そうだな、俺がお前を生け贄に選んだ訳というのは、復讐と多少結びついている。お前の制服を見ろ。胸の所に校章があるだろ。それが答えだ。」

「……?どういう意味なのか、さっぱり分からない。」

「そうか、そうだな。まぁ、簡単に言えば、お前の高校の校長に復讐をしたいのさ。」

「どうして?成り行きが分からない。」

「……」

そいつの表情に一瞬、陰りが見えたような気がした。

「そこまで、言わなきゃいけないのか?なぁ、俺はお前に過去を自白する為に連れてきたんじゃねぇよ。」

「でも、俺は納得出来ない。」

「……そうか。 ならば、教えてやろう。お前の高校の校長である山崎は、俺の親友を事実上殺した。だから、奴に復讐をしなければいけないんだ。」

「どうやって殺したんだ?」

「…奴が直接手を下したんではない、結果的に親友が自らの命を絶った。ある事件のせいで。それに当時の山崎が関わっていた、というのが事実だ。」


「その事件って何だ?」

「それは、今ここでは話したくない…。それを話す準備が出来ていないから…。」


部屋に沈黙が流れた。


「……俺は言いたくはない。だが、警察は俺の話を聞いてはくれないだろうから、お前に話してやろう。」


話した所で、勿論、俺は奴に殺されるという事実に対して納得もしないし、賛同もする気もなかった。ただ、ここで時間稼ぎをして、打開策を模索するのが目的で、何とか引き込んだが、奴の話す内容に付いて興味が沸いてしまった。



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