アネース新国王への訪問
アネース大臣たちは噂をする。それぞれの小声が一つになって国家への意見となるまで、そよぐみたいに小さな噂を重ねていく。
玉座の間。その後方の仰々しい木目の机の向こう側で。
「新陛下は落ち着いていらっしゃるな……」
「新陛下はお優しい性格でいらっしゃるからなあ……」
「まあ……だからこそ我々が引き締めて差し上げねばなるまい。なにせ玉座についたのも幸運の賜物である。国王様が退席され、彼しか適任がなかった。まだ歳若く、そのうえ実年齢より遥かに若く見えてしまう呪い持ちであるし……」
「そうはっきり言葉で刻むな……」
「……さてはて。おそらく水ガラスの向こうからやってくる冒険者にも甘い顔をなさるでしょうな。せっかく冒険者と国家警備隊との連携もできてきたのに、流れの冒険者に引っかきまわされてはかなわないでしょう」
「うーむ……一理はある……」
「しかしなあ。そのような物言いは……」
「さあ。さあ。かの新陛下の手となり足となり、大臣として働きましょうぞ!」
(老齢な大臣など口を濁すだけでなにを恐れることもない)と、中年の大臣は発言権を大きくするべく、語気を強めた。
彼の頭の中では、この大臣間のリーダーのようになり自分の発言こそが世界を変えてゆくだろうというファンタジーが展開されている。まだ支持のない新国王に、冒険者の予定外の来訪という問題は、またとない彼のスタートダッシュの舞台のようだとさえ思った。
外からの冒険者の姿がしだいに大きくなり──。
──近づいてくるのが早すぎる。
──速度、どれだけ出てるの?
▽バリーン!! 水ガラスが突破された!
▽粉砕された水ガラスは 水の粒になり 空中停止した。
▽馬車の天井に 少女がよじ登る。
▽ポーズ! 後光が炸裂!
(((そんな登場があるかよ!)))
新国王の側近はしりもちをついた。
この部屋の奥で、大臣たちは逃げ惑った。
床を這い逃げようとしたもの、机の下に隠れたもの、泡を吹いて立ったまま気絶したもの。それぞれの反応は災害を前にした小市民のそれである。
少女はそんな反応に慣れっこのようではつらつと挨拶をした。
「みなさまお久しぶりです! お呼ばれしたそうなのでネッシーの勧めによって空を渡ってきました。お騒がせしました~。なおネッシーというのはシルフィネシア様がそのように呼んでほしいとのことなのでご了承ください」
(なぜ説明口調に?……我々への牽制ということだろうか)
(お騒がせしましたじゃないんだよ。してるんだよまだ、今も!)
(誘われたからって空を渡ってくるか普通。普通じゃないのか……)
「ごほん。大臣たちには心臓が弱いものもいる。──そなたたちのことは勇者のように迎えたいと思っていたんだ。だからこそ立ち振る舞いは控えてほしかったがな……みな、よくここまで来られた」
(((新陛下、落ち着いてるな)))
大臣たちは、自分達の前でしっかりと背を伸ばして立っている国王の伝統的なマントの柄を眺めた。
アネース王国に伝わる精霊シルフィーネの伝承を模した若葉が刺繍された緑の分厚いマントである。そして色素の薄い髪を外からの風にふわふわとさせた新陛下の後頭部をみる。
小さく、まだ幼いようでありながら、少なくとも度胸は備わっている。
レナは、”彼”のことを目を丸くして見た。
そして、驚かないように気をつけた。
彼が親しい態度を取らないようにしているのは、あえてそう決めたのかもしれないから。
(リオくんだ。ええ〜新国王陛下なの〜!?)
やんわりした淡い色の髪の少年・リオ。
パトリシアの花屋を手伝うように働いていた少年であり、赤の聖地のガーデンづくりにも携わってくれた身内である。おとなしくてまじめな働き者だ。目立つことを好まず静かにいることで幸せそうな表情をする、道端にある花のような人柄だとレナは認識している。
いつもふわふわした微笑みを浮かべていて、儚さすらある少年だったのだが……。
今はその頭に重そうな王冠を被り、背丈よりも大きなマントを引きずっている。
(リオくん……体が弱かったはずだよね。だから、アネース王国の国民としてシルフィーネ・シルフィネシアの綺麗な空気の側にいれば体調が良くなるって、それで、花屋さんに来たんじゃなかったっけ。
それなのに、この閉めきられたお城の中にいるんだ)
ほんの一瞬たりともリオは表情をゆるめなかった。
見たこともないような厳しい表情をしていた。
「訪問を受け入れよう! 冒険者レナパーティ。アネース王城への訪問、ご苦労である。以前シルフィーネ様とシルフィネシア様を救ってくれた功績にも敬意を示し、このたびの驚くべき訪問への問題はなしとする。
大臣たちもそれでよいな」
「は、はあ……」
「反対意見、なし。いつ来ていただいても良いように、式典ができるしたくはしてあった。盛大にも静かにもできる。そなたたちは冒険者である。それゆえに式典の形式に縛られることはなく、アネース王国に協力をしたものとして要望を述べる自由がある。今日、これからの予定は?」
「用事があるので暇ではないです」
「では短く執り行おう。アネース王国の代表であるマナリオ・アネースと、パーティの代表であるレナ・藤堂、見届ける大臣がいれば事足りる。
始めるぞ! 前へ!」
「は、はい」
勢いに呑まれるようにして、レナは馬車の上から降りようとした。
クレハ・イズミがスライム状態になり吸着力のあるスライム坂を作ってくれたので、転けることもなく降りることができた。
人型に戻ったモスラがレナの背後で優雅に礼をすると、それを真似して、キサも従者の礼を見せて、ミディにも真似するようにうながす。
▽レナは マナリオ新陛下の前に 立った。
「これを授与する」
「ありがとうございます。記念の杖ですか」
「空気の浄化を可能にする清廉の杖なのだ。シルフィネシア様のいらっしゃる【ラビリンス:青の秘洞】の空気に近づけられるように、研究者と聖職者が魔法を織り交ぜている。アネース王国を清廉にする働きをした功労者に贈られる証であり、飾っても、実用的に使ってもかまわない。そなたのものになったのだから」
「わかりました。いただきます」
「では、去れ」
(ええ~~~~っ!?)
レナは微笑みかけた顔を、ひくり、引き攣らせた。
そっけないというか、ただごとではない拒絶感である。
<神の怒りを見せつけちゃいましょうか?>
(ステイ。キラ、やめなさい。というか早く去ったほうがいいね。背中からも従魔のみんなの不満を感じるよ。
ただ……早く帰ることには私も賛成なんだけど、ひたすら言うことを聞いちゃって、リオくんはそれを望んでるのかなあ。政治的な場のことはわからないから、キラ、相談に乗ってほしいな。あの子がいじわるして私たちに冷たいわけじゃあなさそうなことはわかるでしょ? お願いっ)
<そうやって身内のことばっかり考えるんだからー、もーっ。私はマスター・レナのお願いだから聞いて差し上げるんですからねっ。プンプン。
この場においては彼の言う通りに動いちゃって問題ありません。彼は、新国王としての威厳を見せることと、しかしそれにしても言いすぎだろうという隙を用意することで、今後の大臣たちとの新たな関係づくりをしたいようです。
レナパーティのことをどうでもいいとは思っていないようです。彼の瞬きの頻度と視線、口調の緊張から罪悪感のようなものが計り知れます。おそらく総合的に、国とレナパーティにとって最善のラインを目指したのではないでしょうか。
この思惑が穏便に終わってから、リオさんが「あの時はごめんね」って言いたいというなら、聞いてあげればいいんじゃないですか。めちゃくちゃ謝って貰えばいいんじゃないですか? めっちゃいいもの要求してもいいくらいだと思いますよ?>
<キラママ悔しそう>
<だって彼、従魔じゃないんですもん。だから嫉妬や恨みの気持ちをあたりまえに抱くんですぅー。でも私たち、問答無用で威嚇してた昔に比べたらモスラさんだってクレハイズミさんだって私だって、穏やかになりましたよ。”しょうがなく好ましくない姿勢をとる場合”ってもんを知っちゃいましたから怒りきれなくて、そこがモヤモヤと不完全燃焼──……>
キラは愚痴をいい足りないらしく、接続を切ったつもりなのだろうがレナの頭の片隅にぐちぐちと言葉が残っていた。
レナは苦笑すると、杖をもらったことについて「ありがとうございました」と言い、さっさと踵を返す。
「帰りますね。そうだ、ネッシー。さよならまたねの歌のリクエストをしてもいい?」
『いいわよ~♪』
(((はあああああ~~!?)))
大臣たちの頭に青筋が浮かび、まるで大精霊を私物化しているようではないか!と、そのような気やすいお方ではないのだという気持ちが噴き上がった。
表情や喉元にまで表れかけていた憤怒の感情は、しかしシルフィネシアの歌声に溶かされていく。
『ラララ~♪ ルルル~♪』
──歌詞のない純粋なメロディ。
──ただただ胸の中のきゅうっと繊細なさみしさ、戸惑いを示すような風の音のゆらぎ。ふわふわしているようでいて、きちんと意志が芯にある安定した声。音が遊ばないのは、そのように歌うべきだろうと誰かのことをきちんと想っているから。
──外からは夏の風によるハミング。
『あっ。わたしが それも歌うつもりだったのにな。ふふっ ラララ~……♪』
水ガラスの向こうにはシルフィーネの姿がある。
姉たちは妹の歌の癖などお見通しだ。それ以前に彼女たちの意識は、このアネース王国の国民に大切にされている概念として、幹を同じくするものである。姉妹の心は自分のもののようによくわかる。風みたいにたやすく混ざりあい自然にたわむれる。
レナが望んだ「さよならまたねの歌」。
とんでもなく豪華なメロディとなってアネース王国玉座の間に吹き込んだ。
その空間にいるものはあまりのことに魂から震えて、邪な気持ちを保つことができなくなり、今だけは誰もが生まれたての赤子として初めて風を頬にうけたかのような感動に包まれていた。
マナリオ新国王の青白かった頬も、うぶな薔薇色に染まる。
「なあ。いつでも、居場所は置いといてあげるからさ」
パトシリアはレナたちとともに去る時に、さりげなく呟いた言葉は、マナリオ新国王が聞いているべきだよねと、シルフィーネたちが風に乗せて運んでくれた。
すると、ふわふわの髪の毛は、くしゃくしゃにされてしまった。風に撫でられたみたいだ。
厳格な表情を保つのが大変だったのだろうか。
マナリオ新国王は眉をハの字にして、口元は微笑んだ。
「これにて、冒険者レナパーティの謁見は終わりとする!」
次いで、マナリオ新国王がしっかりと発言した。
レナパーティは来た時と同じように、またしても空中パレード状態でアネース市街地に戻っていくのであった。
水ガラスの大きな穴が閉められる時、
「国王との謁見をタスク扱いするなああ~……!」
と、とある大臣の声がわるあがきのように情けなく届いた。
馬車の上でレナが「バレてたか~」と舌を出した。
▽スチュアート邸へ── 着陸!
ぶおおおお、と空中で風が渦巻く。
そしてエレベーターみたいに垂直に馬車は降ろされた。
その大技を成し遂げたのは、シルフィネシアとシルフィーネたちである。
例えば天に登る魂が天使たちに祝福されているようなシーン、それを逆再生したような動きであった。よっこらしょ、とシルフィネシアが言うのはアニメの悪影響である。
たまに、はつらつとした性格個体のシルフィーネが妹と戯れたりなどしたので、馬車の中の備品を支えるのは大変なことだった。スライムシートベルトが大活躍だ。
スチュアート邸の庭へと着陸した馬車(荷車)は、モスラがひと運びして倉庫に向かう。パトリシアが扉の開け閉めを手伝う。
アリスは急ぎ足で食堂にレナたちを案内すると、作り置きしてあった冷やした紅茶にシロップを入れて、レナたちに配ってくれた。
華奢なティーカップに似合わない音を立てて、ごっきゅごっきゅ、と喉を上下させて水分補給をするとようやく「ぷはあ~~」と緊張が抜けた。
「みんな~。まずはね~。襲い掛からなくてえらかった」
「「ぎゅー!して!」」
「はい、ぎゅー」
クレハとイズミがおねだりしたので、次にミディ、キサ、へと順番が巡ってくる。
「そうやって抑えてあげたことでリオくんのプライドが守られたんじゃないかな。従魔が襲いかかってくると彼は困っただろうしね。それにしても、彼が国王業をしてるなんて知らなかったなあ……。びっくりした〜。アリスちゃんは知ってた?」
「実は知らなかったんだ。新国王の名前は周知されていたけど、それだけだったから。リオくんじゃなくて、マナリオさまって言われると繋がらなかった。それに私から国王様に会いにいくことはなかったし、シヴァガン王国に旅行したみたいに国外にいることも多かったからね」
「そうなんだ。前の国王様、亡くなっちゃったのかな……?」
「表向きはそう言われてるよ。けれどもしかしたら、病気だとかいろんな王室の事情があるのかもしれない……。そういえば、レナお姉ちゃん、以前の国王様に会ったことあるんだっけ」
「うん。ネッシーが初めて私を弾丸にして王城に連れて行った時に」
「なんて?」
「ネッシーが初めて私を弾丸にして王城に連れて行った時に」
「レナお姉ちゃんってば本当にもう」
「私のほう!?」
『えへ♪』
ネッシーがテヘヘと笑って、ペロリと舌を出し、頭をこっつんこした。しぐさが古めかしいアニメ調ではあるが美しいから芸術判定100点。
「時の流れっていうか、会ったことがあるから余計になんだけどさ、思い馳せるところがあるよねえ……。リオくん……自分の親が亡くなったということで国王様にならなきゃいけないって、どんな気持ちなんだろう……。リオくんってさ、実はジレとギルティアとも仲良くて、ぐいぐい行かない控えめなところが人を怖がらせない子だったんだよ。まだ幼いのに向いていなさそうな国王業なんて」
「マナリオ新国王40歳だぞ」
「うっっっそ」
馬車の点検を終えたパトリシアとモスラが、遅れてやってきた。
パトリシアの発言に、レナは目が飛び出そうだ。
魔物なら年齢不詳だが、リオはヒト族として認識していたから。
パトリシアはストレートティー、モスラにはシロップをどっさり入れた甘露茶、とそれぞれ用意してあげるアリスは慣れたものである。
主人からいただくなんて恐縮です、とモスラは丁寧に言った。
パトリシアはとくに謁見に緊張していなかったのか、落ち着いて少しずつ飲んでいる。
レナはジト目で見た。
「教えてくれなかったのはどうしてよ~。説明を求めますが!」
「私だって昔驚いたし。レナも驚いてもよくない?」
「いいけどさー!……怒りが終わってしまった。まあいいや。でも疲れたよ~」
「私も初めて知った時は驚いたもんだよ。せっかくだから休憩しながら経緯を説明しようかね。
リオは体が弱いから空気の綺麗なところに……って私らのところでちょこちょこ働いてたじゃん。”実家に呼び戻された”って、そんで体調も悪くないですからって、休職中なんだよ。今のところは花屋にも赤の聖地にもこなくなってるんだ。そんな情報だけの時に、式典だのなんだののために花屋として花を卸しにアネース王城を訪ねたら、王冠をかぶってるあいつと、うっかり遭遇しちまってだな」
「なんか……王子様系って不運な人が多いの?」
「立場が”良く”なれば、そのぶんの”悪い”ことくらいあるんじゃない? まあリオはついてないやつだね。その時は私も大人気なくびっくりついでに壁際に追い詰めて文句を捲し立ててやったんだが」
「いやな壁ドンだね」
「なんだその単語。そんときは衛兵に叱られたし、大臣にも叱られた。それで、リオもそんな状況を招いたことを叱られてた。人目につくようなところで権威を下げるようなことでは困ります、新陛下としての自覚が足りない、つってな。これだから……とか説教が長引きそうな雰囲気だったよ」
「うひゃ〜。だから、あんなにも私たちに強い態度だったのか」
「それもある。あと、レナたちのことを見てた大臣の視線みたか? 強欲そうな奴もいただろう。レナパーティのことを利用したくて呼んだ際に何を押し付けようかって、企んでた奴もいるんじゃないかなー。毒牙にかかる前に遠ざけようとしたんだろうよ。リオ自身の好感度を下げてでもな」
「遠距離恋愛するよりそっけない態度でフられてあげようとする恋人?」
「なんだその例え。まああいつは、バカってこと。賢いバカってやつよ」
「言うねえ」
「愚痴くらいいいじゃん。だって私が助けようのないことで、ムカついてるんだよね。花屋と王様仕事じゃあ、やれることが違いすぎる。で、相談しても来ないってことは、リオが自分の力でやりたいことがあるんだろうし。あいつの頑張りどころなんだろうから、見ててやんなきゃいけない時期じゃん。レナたち見てるとそう思う。
たまに城に行くからあいつの様子も見れるし、それでまだ、あいつの問題に手出しするのはガマンする」
「ふてくされてる~。心配をしたんだね」
「した」
「雇用主の私にも教えてほしかったなあ」
「レナにもびっくりしてほしかったんだもん」
「もん、て。あはは」
レナは、抱きついたままでいたミディのエンペラをぷにぷにと触った。
「パトリシアちゃんだけじゃなくて従魔の何人かも私に秘密にしてたんだろうな。パトリシアちゃんを責めたら、そっちも叱らなきゃいけなくなっちゃう。私はしばらくは従魔の好きに成長してもらって、サポートや後始末をすることに決めてるんです」
「マゾい……サドなのに……」
「おほほほほほ。パトリシアちゃんも同類だよ言っとくけどさ。とりあえず私たちもリオくんのことはほっとけばいいんだね」
「そ。あいつがいなくても、赤の聖地のガーデンはこれまで通りにやれるからさ。リオは元々、その境遇なら一緒にどうぞって感じで雇ってただけだから、いなくても業務に支障はないんだよ」
『……ああ! それって さっきのマオリオ?』
「そうだよネッシー。あれ。あんまり話通じてなかった?」
『夜がちかいからねむいの~……。お腹も赤く満たされたし~……すー……すー……ハッ。レーナ、まだお礼になにかしてあげたいわー……むにゃ……』
「じゃあ、たまにリオくんのところに歌いにいってあげて。ネッシーがそうしてあげたら権力的にも体力的にもリオくんは助かるだろうし、そうしたらパトリシアちゃんが安心できるし、そうなれば私だって嬉しいし。どうだろうか」
『いいよ~♪ ……すやあ、すやあ……♪』
満足そうに眠るネッシーは お姉様たちに運ばれて森に戻っていきましたとさ。
モスラが夕飯の支度をはじめた。
あまりに美しい手際なので、キサがそれを見にいった。
アリスが食器を片付けてくれる。
レナは窓の外に遠く見える王城の屋根を、ぼんやり見つめた。
「頑張れ」
「「フレフレー♪ あ、我らもねっ」」
「そうだね。ここでお夕食をいただいたら、パトリシアちゃんの家に移動して訓練からのパジャマパーティにしようか」
「待て待て。忙しすぎる」
「またまたー。体力落ちちゃうぞー。私は従魔たちのお世話が少なくなっちゃって、旅生活で培った体力がありあまっているんだよね。いざとなったらドーピングスイーツあげちゃうからさ」
「禁句みたいにしといて自分で言うな。というか軽口が過ぎるだろ」
「パトリシアちゃんが落ち込んでいるから元気づけたいんだよ」
「方法が強引なんだよな。昔からか。……よーしそんじゃあ、食べて移動するかあ!」
「「「おーーー!」」」
▽ごちそうさまー!
▽モスラ特性の夕食には 睡眠作用がありました。
▽レナたちは 眠ってしまった。
「休みどきなんですよ。ヒトの体は魔物に比べて脆いんですから大事にして長生きしてもらわないと」
「蝶々の先輩がいうと緊迫感があるのじゃ。昔死にかけたんだっけ」
「そうですよ。このメンバーだと思い出してしまいますね。さあ、寝室に運んで極上ベッドの刑に処します」
「刑なのか!?」
「お大事にというところをなかなか守って下さらないので。従魔の願いを聞くといいながらも、全ての願いを叶えるなんて複数の従魔がいればムリなこと。そのうえで信念として掲げるならば、報いを受けていただこうじゃあありませんか」
「先輩。妾も人のことを言えないけど、こじらせているのじゃ」
「主人たちのやすらかな寝顔を調度品の美しい寝室を背景に眺める夜の会というのはいかがです」
「先輩センスあるー! 乗った」
▽おやすみなさい。
▽明日には訓練と進化を始めようね。
読んでくれてありがとうございました!
やることが…多い!
広くて多くて事件解決よりも日常寄りのトコなので、退屈にならないようにグッと進むようにしています。
これでも書きたいものをかなり厳選しているので、ふともっと書きたくなっちゃって、歯痒い〜-(´∀`; )
読んでもらうもの、ということも意識しつつ(ありがとうございます♪♪)これからもがんばりまーす!
リオくんのことはサブストーリー的に拾いながら、レナパメインでさわぎますね。
今週もお疲れ様でした!
よい週末を₍˄·͈༝·͈˄₎◞ ̑̑




