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どんな魔物になりたいの?インタビュー


コメディ増し増しで贈ります!

ハッピークリスマス&よいお年を♡


今年もありがとうございました!ヾ(*´∀`*)ノ

 




 ▽ギルティアの仕事が決定!



「みんなにインタビューしてきて欲しいの。どんな魔物になりたいのかって。ジレ、アグリスタ、マイラにね」


 レナが人選を告げると、ギルティアはホッとしたように綿毛ボディをそよがせた。


 さわさわと白い毛並みが揺れるとレナは触りたくなってしまうけど、ぐっと我慢。

 ▽えらい!


「ギルティアになら言いやすいと思うんだ。私とあの子たちは、仲良しとは思ってるんだけど、従属の首輪があるから遠慮されちゃうみたいで」


 ギルティアのつぼみが、ひくひくっと動く。

 自分の方が三人に近しいと言われたから。そして従属の首輪の存在を思い出したため。


 ふしゅっとつぼみが膨らんで、萎んだのは、不満を(しょうがないな)と飲み込んだからと解釈できる。

 つぼみに感情が現れるのは、まだコミュニケーションが取りづらい今、助かるなとレナは安堵する。

 獣人の耳や尻尾のようだ。


「ギルティアの進化をみてから、三人とも、クラスチェンジに興味を持っているらしいの。訪ねてきてちょうだいな」


 言い切りの言葉に対して、ギルティアはこくんと前のめりになった。

 おそらく頷いたのだ。

 クリスティーナの手のひらの上で、転げ落ちそうになりわたわたともがいて元の位置に戻った。


 もはやここが定位置になっている。

 が、


「じゃあ了承も得たことだし。ギルティアもちょっと成長なさいね」

『ぷぅーーーー!?』


 ▽クリスティーナは ギルティアを リリーの手のひらに乗せた。

 ▽ギルティアの抵抗もむなしく 褐色の手のひらにつつまれた。


「いらっしゃい♡ ふむふむ……『離そうとしないで』?」

『!』

「私、心の声が……ちょっと、わかるの。だから、今のあなたを導くのに……てきにん、なのだよ!」


 えへん! とリリーが胸を張った。


 キラがその背後で苦笑している。


「リリーさん、心が視えることはまだ内緒だったはずでは?」

「あっ。てへ♡ 言っちゃったぁ」

「そんなこともありますよね。適任って言葉を知っていたのはすごいです!」

「やったー!」


 ……ギルティアがどんぐりまなこを半眼にして、二人を眺めている。

 早く済ませておいた方がいい、レナパーティの洗礼その1。

 ▽テンションに慣れよう!


「じゃあ、リリーちゃんとキラがついて行ってくれるから。ギルティアと意思疎通できるし、お屋敷で迷うこともないもんね。いってらっしゃい」

「「ゴー!!」」

『〜〜!?』


 ▽世話係は リリーとキラに 決定!

 ▽ギルティアは 連れ去られてしまった。


 そのような表現がぴったりの、二人の走り込みっぷりであった。

 廊下では走らない、など完全無視、ならば走りやすい廊下にすればいいとストレートな道に創り変えられている。

 レナパーティの洗礼、その2。

 ▽非常識に慣れよう!


 遠くなっていく二人の背中を、レナは眩しそうに見つめている。


「はしゃいじゃって〜。リリーちゃんもキラも可愛いところ全開だね! 仲良しなのに最近あんまり一緒にいれなかったから……うわ、途中でランニングコスチュームに変身してる。これは本気でインタビューを楽しむ気だね。ふふふ〜」

「……大丈夫ですかね」

「ええ、クリスティーナさん」

「クドライヤでいいですよ。むしろアイデンティティを見失いそうなのでそれでお願いします」

「クドライヤさんクドライヤさんクドライヤさん!! っと、ギルティアは大丈夫になってもらわないと困ります」

「ですね。……納得です。ちょっと染まりすぎましたね俺、直します」

「なりきってるとなかなか戻れなくなるの、分かります。私もたまに[赤の女王様]に呑まれそうになりますから」

「赤の女王様になるってどんな感じですか? 極まると、全ての魔物を屈服させたくなるようなイメージもありますけど」

「まさか。高飛車な口調がなかなか戻らないくらいですよぉ…………」

「ああ…………」


 お察し致しますわぁ、とクドライヤが額を押さえながら言った。

 今のはわざとでしょうけどサマになってますよ! とレナがからかう。


「さあ、ギルティアが持ってくる成果はどんなものでしょうね?」


 レナとクドライヤはそれぞれの思想を胸に、新従魔が去った廊下をそっと見つめた。







 ダッシュするリリーの手のひらの上で、ギルティアはポヨンポヨンと軽快に弾む。落ちないよう! にとツタを伸ばして、懸命に指先にからみついた。

 緊張で、綿毛ボディがぼわっと膨らんでいる。


「あ、ごめん、モスラみたいな[大空の愛子]……持ってないから、揺れるよね。しゅん……」

(いや普通そんなギフトねーから)

「慰めて、くれるの? あっそうだ、この……ツタがね、指輪みたいで可愛いねっ♡」

「リリーさんの創作意欲が湧く瞬間、バッチリ撮影いたしました☆」

(どうやって!?)

「どうやって? だってー」

「それはですねこの分身体! スキルなどを扱える小型分身を常時飛ばしているので御座います。ドローンもびっくり」

「なにそれ? ヒュードロロン」

「きゃーっ! ゴーストで御座いますわーっ!」

「クスクスっ♪ おばけごっこだぁ、逃げろーっ」

(なにもわからない!?)


 ▽テンションに慣れよう!


 リリーは無自覚に、キラは意識しながら、会話の流れを激流に変えていく。

 その間にも走り続けているので、あっという間にガーデンについた。


 ──二階のベランダから二人が飛び出し、時間短縮。



『ーーーー!?』

「「モスラ(さん)っ、受け止めて!」」


 いきなり現れた二つの影にも、モスラは動じない。

 0・1秒で求められていることを理解、把握するとゆるやかに風を舞わせた。

 ふんわりとキラとリリーは着地する。


「はい。先輩方」

「「ありがとう!」」

「今日は随分といい笑顔ですね。太陽のようにきらめいています」

「またまた〜。モスラさんってば褒め上手♡」

「このこの〜。それほどでもあるぅ♡」


 レナパーティの洗礼その3。

 ▽褒め言葉に 慣れよう!

 ▽まっすぐに 受けとめよう!


 さすがにレナパーティ会話耐性がついてきたジレが、談笑している先輩の輪に入った。


「あの、なにか手伝えることはありますか? それ……ギルティアお姉ちゃん、ですよね?」


 ジレが恐る恐る指差したのは、花びら部分がくるりと逆巻きになって全身を包み、白まんじゅうのようになった球体であった。

 見覚えのあるツタがリリーの指に絡んでいたため、ギルティアであろうとかろうじて判断した。


「正解ー! はなまる、あげちゃうねっ」

「お菓子もあげちゃーうっ」

「いえはなまるは結構です。お菓子も、現在仕事中なのでもらうわけにはいきません。ところで俺が手伝えることがあるかってことを……」


 まっすぐに育ってくれたものだ、ジレ。

 そのような感激とともに頭を撫でるクーイズは、確実にツノから毒を味見している。

 ▽ジレのスルースキルが 磨かれている。


 ▽ギルティアが 花開いた。


「やっぱり、ギルティアお姉ちゃん。今のってガード姿勢? 初めてみた」

『ぱぷぅ』

「……なに?」


 ルーカを呼んでくるしかないだろうか、とジレがキョロキョロと辺りを見渡す。

 リリーがドーンっと胸を張った。

 いつもより多めに張っております!

 ほらみて!

 妖精の誇らしさ!


「私が! 通訳! できるのだよっ」

「……知りませんでした。覚えます」

「えへん! [フェアリーアイ]が、あるもん。ルーカの魔眼が……味方になるまでは、私が、索敵してたからっ」


 そのような過去があったのかと、ジレは驚く。


「たしか、リリーさんの方が先に従魔になったんですよね」

「そう! 私の目は、15人力、ルーカの目は、1550人力……って感じ?」


 ずいぶんバラけるな、とジレは思った。

 何か指標があるのだろうかと。いや適当である。


「合わせて、1556人力!」

「惜しいリリーさん、1565人力です!」


 ▽ジレのスルースキルが 磨かれている。

 ▽この二人はきっといつもより多めに戯れたいだけなのだ。

 ▽というわけで 二人の間にさりげなく割り込んだ。

 ▽話を進めたい。


「あっ。通訳だったよね……『ジレの夢を教えな』」

「俺の夢……?」


 ギルティアは、ジレのことをジト目で見ている。


「夢か……」


 そう言われて思い出すのは、夢組織にいたときのことだ。

 あの頃、煉獄火蜥蜴のようなはみだしものでも居ていい居場所が欲しかった。

 それが与えられた今、求めるものは別にある。


「毒を制御できることかな」

『ぱふ』

「『それが夢?』って、疑問に、思ってる、みたいだよー」

「うん。毒が無くなったら今の仕事がなくなるから迷惑だし、毒が垂れ流されるのはもちろん迷惑だから、制御がいい。……ちょっと前、レナ様の指を害してしまったことがあって」


 ジレの告白を、ギルティアは「圧」を感じながら聞いていた。

 従魔たちは静かに後輩を見守りながらも、ひんやりとしたどこか異質な雰囲気を纏っている。


「俺、仕事に慣れてきた頃で油断していて。[地を這う黒炎]を使って、熱くなった体がひび割れていたのに、レナ様が帰ってきたからって近づいていったんだ。そんなことしたらいけなかったのに……。レナ様は手を伸ばして俺の顔についた泥を拭おうとして、指に……毒が……紫になって……」


 ヒト族のやわらかい皮膚が紫色になってしまう光景は、ジレにかなりのショックを与えた。


 それからレナが「大丈夫だよ、なんとかする」とジレをかばおうとした瞬間の全てを忘れられない。


 結局、レナの指は瞬く間に完治した。

 キラが警報を鳴らしエリクサーで皮膚を回復、ルーカが[浄化パージ]を施し、レナ自身が緑魔法[グレートヒール]で癒した。


 どんな敵からも守られているはずのレナが、従魔からの攻撃にはこんなにもあっさりと傷つけられるということ、それが自分の毒によって行われたことが恐ろしかった。


 その日から数日は、ジレは絶対にレナの側に寄らなかった。

 さみしいと主人が泣くので絆されて距離感は戻したけれど……。


 そんなことをぽつぽつと素直な言葉にした。


 ギルティアは、押し黙った。


(力のある奴の善意は厄介なんだよな)

「善意だって〜」

『ぷふぅ!?』


 ▽リリーに 速攻バラされた。

 ▽これも 力のある善意である。


 リリーたちに言われる前にと、ギルティアはしかたなく話すことにした。


『ぱぷぅ。うーうぅ、みゅぅ』

「えーとね。『夢って言い方をしちまったけど、どんな魔物に進化したい?ってインタビューだぞ』って」

「そうなの!?」


 ジレの目が丸くなる。

 なんだか色々と熱く語ってしまって恥ずかしくなったのか、鼻の頭が赤くなった。

 体が熱くなったので滲んだ毒は、クーイズが美味しくいただいている。


「魔物か……。じゃあ毒保有のワイバーン」

「無難すぎますね! エンシェントドラゴンとかでもいいんですよ!」

「そんなに控えめだとワイバババーンとかすごくなってしまいますからね」

「バババーン!?」


 ▽先輩方のちゃかしがひどい。


 モスラが真顔でワイバババーンなんて言うので、リリーが地面に転がってケラケラと笑っている。

 手のひらの中でシェイクされたギルティアは目を回している。


「あの、俺、ドラゴンにはいい思い出がなくって……。別の種族で、毒を制御できるやつなら、なんでもいいんです」

「了解!」


 キラがニコーーっと笑ったのでジレは冷や汗が滲むのを自覚した。

 ▽クーイズが美味しくいただいた。


「さあリリーさん、ギルティアさん。そんなところに寝転がっていないでメモで御座います」

「かしこまり♡」


 リリーは反動をつけてふんわりと立ち上がり、寝転がっていた醜態なんてなかったかのように美しい礼をした。

 レナパーティの洗礼その4。

 ▽見た目詐欺に 慣れよう!



「キラウィンドウ、オープン」

「きゃっリリーさんてばあ、くすぐったい!」

「それそれ」

「きゃっきゃっ」


「はいギルティア、書いていいよ〜」

「報告書の書き方、クリスティーナさんに伺っているんですよね?」


 ギルティアははっとしたように浮かび上がり、ゆらゆらとツタを伸ばしてキラウィンドウにジレの報告を書いていく。




 [報告文書]


 執筆者:世界樹ユグドラシルネオ・ギルティア


 煉獄火蜥蜴ジレの 進化先の要望について。


 ・毒をもつ

 ・毒を制御できる

 ・ドラゴンじゃない種族


 …………



「待って、俺そんなにも厳格な報告をされるんですか!?」

『ぱぷぅ』

「『手伝うって言ったの覚えてんぞ』だって〜」

「言質ってこういうものですよ、覚えておきなさいジレ」

「は、はい」


「例えばどんな感じでしょうかね〜。なにか指標があった方が良いかと。あっ、ギルティアさん絵を描かれますか?」

「ギルティアお姉ちゃん絵が下手だから絶対にダメーーー!!」

『ぷしゅーーー!?』


 ▽ギルティアVSジレの プチバトル!


 ▽スライム盾で ギルティアのツタを弾いている!


「はっ! はあっ! いや、ほんとにダメだから! どんな奇天烈な容姿だろうがレナ様のギフトが現実にするだろうから幸運被害ダメ絶対!!」

『ふーーー!……』


 ギルティアのツタは勢いをなくし、そのままぽてんとリリーの手のひらに落ちた。


「あ、あれ……? ギルティアお姉ちゃん?」

「お昼寝タイムかなー」

「しばらくよく動きましたしね」

「そ、そうなんだ」


 とりあえず自分のとんでもない進化予想図を描かれることは回避したようだ。

 ジレは胸をなでおろす。

 ギルティアがストップした理由が平和的であったのも安堵の理由だ。


「あの……ギルティアお姉ちゃん、どうしてこんなことしてるんですか?」

「仕事ですよ」

「インタビューの仕事? 最初からそう言ってくれたら、対応しやすかったのに……」

「次はギルティアさんがそのように言えたらいいですよね。進化ではなく夢と言ったこと。まーーひねくれていますよね。譲歩できるようになることが、まずギルティアさんがここに馴染む一歩なのだと思いますよ。マスター・レナが目指しているものはきっと」

「そうなんだ。……ギルティアお姉ちゃんも、ここに受け入れてもらえて良かった」


 ジレは曇りのないはにかんだ笑顔をみせた。


 モスラが「太陽のように眩しい、かもしれませんね」とちゃかす。


 キラが写真を撮り、クーイズが頭の上でスライムダンスを踊って毒を『『美味し〜!』』と分解する。


 リリーはつられて微笑んだ。


「従魔になってよかったでしょう。私も、そう思うの!」

「はい」


 その鎖はやわらかにみんなを繋いでいる。きっと。

 ジレはこくんと頷いた時に首輪の質量を感じた。先輩たちの思い出の品はなんですか? とインタビューしてみたくなった。

 とくに意図せず呟いた。

 結果。


「それいいですね。ギルティアさんのお仕事に追加しましょう!」

(ごめんお姉ちゃん……)


 ▽ギルティアの仕事の 負荷が上がった!

 ▽レナパーティを学んでいきましょう!

 ▽わっしょいわっしょい!!


 ▽キラの勧めで 幻想生物カタログから ジレは理想の姿を選んだ。

 ▽異世界ラナシュのいいかげん進化回避のためである。

 ▽ジレは「い、いかす……!」と気に入ったものと巡り合った。


 ▽進化をお楽しみに!


 ▽アグリスタとマイラの元に向かおう!

 ▽巻いてダッシュ!!!!










読んでくださってありがとうございました!


ギルティアは寝てる間にネッシーの祝福もらったんだけどまたあとで。入れる隙がなかったε-(´∀`; )


いろんな可能性が芽生えてるレナパーティ、作者もさぐりながらキャラにインタビューしながらのつもりで書いています。

たくさん話してくれるのでどこを書こうか選択に苦労しています(笑)



遅くなりましたが、メッセージ返信させていただきました! 嬉しいお褒めの言葉も、優しい心配のお言葉も、サポートのご連絡も本当にありがとうございますっ!

宝物です。


感想返信も時間つくっていきますね!

いつもありがとうございまーーすっ!!


できることをできるだけ!

健康には気をつけて!

みなさまもよいお年を!幸運を( *´꒳`*)੭⁾⁾



次の金曜日は、1/3ですね。

活動報告にSSを掲載させていただきます。

本編はおやすみです。


ぜひ、読んでもらえるような面白いものを書きますねー!またねー!!



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― 新着の感想 ―
[一言] 明けましておめでとう御座います。m(_ _)m 取り敢えずはご挨拶迄。
[良い点] みんなかわいい! [一言] 書籍待ちきれず、書籍のつづきから追いかけ読みしました! ギリギリ年内に追い付けた・・・(笑) 展開が怒濤すぎて、仕事中にうっかりコメディパートを読んでにやにやし…
[一言] ドラゴンが嫌って事は、恐竜とかかな?あれもまたドラゴンとは違う味わいで格好いいよね。個人的にはスピノサウルスとか毒使いそう。
感想一覧
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