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ルージュのお誘い

 


 ──夜。

 ルージュに誘われたのは赤の扉。


(安心感がある)


 とレナが思うのは慣れている色彩ゆえだろう。青よりも赤のほうがリラックス効果があるのだ、レナパーティにとっては。

 ▽面白いね!


「レナ様。こちらトリックルームと申しますわ」

「どこかで聞いたような?」

「キラ様の御力です」

「なるほど〜。キラはみんなのやりたいことをサポートしてくれているんだよね」


 レナが嬉しそうに声を弾ませた。

 ルージュはその様子を、優しげな表情で眺める。



『さあ』


 ルージュに誘われて扉をくぐり、異空間にいざなわれる浮遊感を覚える。

 すぐに慣れて、レナは体幹を安定させた──と思いきや、すっ転んだ。


「いててっ!?」


 おしりが地につくと、ふわっと赤の花びらが舞った。

 下は花びらの絨毯。

 上を見ると、木を彩る赤の花が手を振るように風に揺れて、レナの上にふわふわ落っこちてきた。あっという間に花びらまみれ。


「なんか、こんな風に転んだの久しぶりかも。いつもはハーくんがすべりこんでくるから」

「ふふ。懐かしいですか?」


 ルージュが手を差し伸べる。

 レナはすんなりと握った。


 手袋をとったルージュの手には、やけどの跡がある。


「……そうかもしれない。旅の始まりにはこんな風によく転んでね、お尻を打ってたの。それから……こうして手を差し出されることがもう、懐かしい感じがする」

「お兄様かしら」

「そうかも?」


 レナは苦笑いした。

 ルージュがあえてその話題を振って来たことに驚き(そういえばここに呼ばれた理由を聞いてないな)とふと思う。


 もっと親しくなりたい、とルージュは言っていた。

 それならばたくさん話をするのが一番だから。

 思い出話など最適、ということ?


 レナは少し言葉を考えた。


「ねぇルージュ。私、あなたともっと親しくなりたい気持ちだよ」

「まあ! まあまあまあぁ……」


 ▽ルージュは顔を真っ赤にして イヤーンと照れてしまった。

 ▽まんざらでもなさそうだが そうじゃない。


「わたくし、そんなッ……レナ様になら……♡♡」

「落ち着いて」


 ハイテンション求愛に慣れているレナ、見事な対応。

 ただなだめるだけではなくさりげなく肩を抱くところはスパダリ!



 ▽ひと呼吸。



 テーブルまで、木々の小道を少しだけ歩く。

 サリサリと花びらをスリッパで踏む音。


「ナイトティーパーティなんておしゃれだよね。私、思いつきもしなかったよ? ルージュはお嬢様だからものしり」

『お嬢様……ふふ、生前のわたくしはそういう立場でしたね』


 ルージュは遠い目をしながら天井を見上げる。


 天井は夜空のように星がきらめいていて、一部屋ぶんしかないはずのトリックルーム内をどこまでも広く見せている。

 かつてのお屋敷のガーデンテラスに似せた景観であり、夜になると親しい者たちとくつろいだのですよ……とルージュが思い出を語った。


 一揃いのテーブルと椅子。


 レナをまず座らせてから、ルージュはティーポットの支度をする。


『せっかくですから、ローズヒップティーを淹れさせて下さいな』

「え!」


 立ち上がりかけたレナの肩をそっと押して、ルージュは着席を促した。レナは困った顔をしている。


「ねぇールージュ……今はプライベートで一緒にいるのに、私だけしてもらってばかりは」

『あら。どうしてもやってみたいですか? レナ様』

「そこまで言われると……そうでもないけどぉ」


 レナが口ごもって答えると『それならばお任せになって』とルージュに微笑まれてしまったので、レナは諦めた。


 なめらかに動く淑女の指先を眺める。

 リズミカルに踊るように。


「とても上手」

『うふふ。レナ様はいつだって褒めるところを探して見てくださる』


 レナは無意識に髪の毛先をいじった。

 先ほどお風呂に入ったあとなので、しっとり濡れた黒髪がひとつの三つ編みにまとめられている。バスローブに雫がひとつ、ぽつんと垂れた。


「私、親しい人の素敵なところを見つけるの好きなんだー。いいところって自分では気づきにくいから、他の人に教えられて自覚できたら、それいいなって」

『いいな、ですね。そうですねぇ……』

「あれ? ルージュの考え方は違う?」


 言葉の違和感にレナが尋ねると、ルージュが微笑む。


『同じですわ。けれど、今、レナ様がおっしゃったことを聞いて初めて「なるほど」と……』

「意見一致に気づいたわけだ~」


 レナが嬉しそうにころころと笑った。


(そこがいっそう明るくなるみたい)


 ルージュがレナを眺めて、やんわり目を細める。


 レナの人柄的なものを、従者が好ましく思うからこそ輝いて見えるのだろう。


(なるほど)──とルージュは長いまつ毛をパシパシ瞬かせた。


 きっと、従魔にとって主人はこのように見えているのだ。興味深い。


 ひと仕事を終えたルージュが、レナの向かい側に座った。


 テーブルの上にあたたかなローズヒップティーが香って、レナがうっとりしている。小皿に氷砂糖(キサの氷をチョココがお菓子にした)がキラキラ光っている。ランプの灯りが、庭園風の小部屋をやわらかく照らした。


 こぢんまりした秘密の花園。


 夜空から星がひとつ落っこちてきて、カップに入ると、波紋をひろげた。


「これ……」

『きっと、甘くなっているのではないかしら』

「素敵!」


 二人はくすくす笑った。

 よりいっそうローズヒップティーを飲むのが楽しみになった。


 ルージュがティーカップを持ち上げる。


『今宵の逢瀬に、乾杯』

「わ、大人っぽいね……! 乾杯」


 ひとくち口に含むと、至福のため息。

 芳醇で甘い。


 持ち上げたままのティーカップの湯気を指で遊ぶような動きを、ルージュが行う。


 レナもなんとなく倣った。

 ふわんふわんと湯気がたゆたう。


 今宵何を話すか決めていなかったレナは、目の前の光景を話のタネにすることにした。


「独特……だね。ルージュの家系の作法?」

『この指の動きですか? そんなところです……”自らの従魔にわけあたえよ” これが家訓。つまり影の魔物に湯気のごちそうというわけですね』


 ルージュの足元から影がにゅっと現れて、湯気と絡むようにゆらゆらした。


「なるほど」


 料理の湯気は、影の魔物のごちそうになる。

 従魔に何を与えられるのか、ルージュはいつも考えているのだろう。


(私は、真似しなくても良かったかもしれないな)


 レナが散らした湯気の周りには、影の魔物が寄ってこない。


(あの子たちはルージュの従魔だもんねぇ)


 レナはすんなりと納得して、主従の絆をむりやりこちらに引き寄せなくて良かった……とホッとする。


 きっとさみしくさせてしまうから、ルージュから魔物が離れてしまうなんて。


 影の魔物には意志がある。ルージュに従いたいという。

 それがレナにとっても嬉しい。

 そっと胸を押さえるレナ。


(素敵な絆だねって、伝えようかな?……)


 レナは口を閉ざした。

 主従が戯れているとき、その幸せをわざわざ言葉にしなくても、本人たちがきちんとわかっているはずだから。


 雰囲気はなごやかに、レナはルージュたちを観賞して静かにお茶を飲む。


(影の魔物がルージュの頬に触れたのは、きっと頬ずりのようなもの。ルージュは影の……喉のようなところをこすってる。ネコ科の喉かなぁ。ルージュの肩にぽすんと長めの影……尻尾? 蛇?)


 レナがむむむと観察していると、ルージュは影をからかうように指先でくすぐって反撃してみせて、どこかサディスティックに笑った。ぶわ! と毛が逆立つようなシルエットになったから、きっと尻尾だ。


(影絵当て、してる気分)


 レナがくすりと笑うと、ティーカップにまた波紋が広がった。


 レナのローズヒップティーはもう半分しかない。

 氷砂糖をしゃりっと噛みしめて、舌鼓を打つレナ。



『……あら。夢中になってしまって』


 ルージュが申し訳なさそうにレナに言う。


「いやいや〜、わかるよその気持ち。従魔ってウルトラ可愛いもん。オッケー続けて!」

『……続けましょう!』


 ルージュが弾むような声で言い、レナとタッチした。

 レナはちょっと驚いた。


(手袋をしていないルージュの手。……手の皮がけっこう硬かった、かな)


 ルージュが鞭を扱っていたことを思い出す。


 レナは、テーブルの端から見えているルージュの細いくびれ、ドレス上の鞭ベルト、豊かな胸…‥と視線を上げていった。


 赤の巻き髪が揺れる。

 小首を傾げたルージュの鎖骨に、怪しい黒煙が巻きついて、それをルージュがデコピンで制裁した。


「お、おお〜。今の……挑発的なイタズラっていうか、もしかして叱られたがりの従魔?」

『その通りですわ。漆黒狐でした……幻術が得意で、しょっちゅうわたくしを驚かせては鞭で叩かれていましたね』

「任意?」

『任意ですわ』

「やっぱり〜」


 そんな気がした。

 レナとルージュは(仕方ない子たちだよねぇ)と甘いため息を吐くのだ。

 従魔が可愛くて可愛くて可愛くて! 好き!



「ルージュの従魔の話、もっと聞きたい」

『もちろんですわ!!!!』

「あ、就寝時間くらいまでね。あんまり遅くなるとお迎えがきちゃうから」

『ふふ、セーブします。無限に語っちゃいますもの。まず……』


 ▽ルージュは息継ぎなしで語り始めた!

 ▽レナは 真剣に聞いている。

 ▽従魔の話で 二人はリラックスした。


 ▽影の魔物たちが照れてきた。

 ▽夜空の星々がチカチカとせわしなく瞬いている。



『スターダストドラゴン、しっかりなさいな』

「うわ! すごい強そう」

『従魔たちの中でもエースでしたわ。テイムするにも苦労しました……崖に誘導されたので、足場が悪くて戦いにくくて。漆黒狐が夜空に紛れているうちに、地上からの攻撃で引きつけて、首の裏に一撃。わたくしは前から鞭の一撃ではさみうちにして、気道を封じて気絶させました』

「やるぅ……! いいパーティだね」

『最高の褒め言葉ですわ!』


 ルージュが満面の笑みになる。


 夜空が降りてきて、レナたちを包むように影が覆った。


「スターダストドラゴンさん……の影だよね……?」

『恥ずかしがっちゃったみたいです。この子、純血のドラゴンだったからプライドが高くて。テイム方法があんまりかっこよくなかったから、って……むぐ』


 ルージュの口を影が塞いだ。

 レナが「あちゃー」と苦笑いして、ルージュはどのように収めるのか? 眺めていると、


『おやめなさい』


 ゾク! と凍るような声音。

 声は大きくなく低くもないのに、魂に響いてくる命令。

 スターダストドラゴンは震えながら少し離れた。

 レナにはわかる。


(マゾ系だこの子も……!)


 たくさん喋らせてくれたお礼とお詫びにルージュからのご褒美、という図式。なるほど。とても魔物使い。


 このあと平手の一発でもいくのかな〜? とレナは自分たちに置き換えて考えてみたが、ルージュがそれ以上スターダストドラゴンに構うことはなかった。

 ふぅん、とレナが頷く。

 モヤ、と不可解にレナの胸の内がくもる。


 ルージュの指示で、スターダストドラゴンはまた天井の影となり、満天の星をレナたちに見せてくれた。


「従えてる! って感じ。お見事」

『うふふ。先導者に聞いてみたいことはございませんか?』


 ルージュに誘導されて、レナが目を丸くした。


『胸を貸しましょう』

「胸を!?」

『さあおいでくださいませ。わたくしはあなたに娶られました……♡』

「ちょっと違う気がする」


 ▽レナは 冷静になった。


 今宵のルージュは妙な言葉をちょいちょい挟んでくるので、翻弄されてしまう。逆にレナが冷静になる。

 それは彼女の本質なのか、それとも話術のうちなのだろうか。


(ルージュの従魔への愛情はたくさん聞いた。従える力もある。魔物使いの大先輩のルージュになら……)


 レナは呼吸を整えて、打ち明けることにした。

 ここには二人きりだから。



「ルージュ、あのね。従魔に対して、モヤっとした感覚があるのってなんだろう?」


 正直、そんなことは言いたくなかった。


 でもモヤモヤに向き合わないことで、従魔の不利益になるかもしれないから。

 従魔に向き合わないことになるから。


 レナが望む主従関係ではなくなってしまうから。

 挑む。


 説明が足りないと思い、レナが付け足す。


「従魔にのびのびと成長して欲しいって、心から願ってるんだ。そのためなら、モスラが遠方にいるみたいに、しばらく離れているのも選択肢なんだって納得してるの。

 だけど、今日お屋敷に帰ってきたとき、私が知らないうちに成長してた従魔にモヤっとした感じが……。意見を聞かせてもらってもいい?」


『そこまでご自身で理解しているのですね』


 ルージュは微笑んだ。


『まず、レナ様を褒めましょう。大変よくできました』

「あ、ありがとうございます」

『モヤっと。わたくしにも経験があります』

「き、聞きたい!」


 レナがテーブルに身を乗り出す。


 どうどう、と影の魔物たちにたしなめられた。

 この空間においては、ルージュの存在感が圧倒的だ。



『ズバリ申し上げますと、レナ様の実力を従魔たちが上回ったゆえの不安』

「!」

『ピンときますか?』

「ビビビッときたよぉ……!」


 レナがこくこくと赤べこのように何度も頷いた。


 思い当たる。

 モヤモヤは、チョココがレベルアップしてから顕著になってきている。


『最近、従魔が三体増えましたね。従魔のそれぞれがじわじわと力をつけてきている。一人一人のレベルが1上がったとしましょう。主人の負担プレッシャーはプラス16』

「う……!」

『従魔はレナ様の力なのです、全て。これをまとめる魔物使いの器とは、従魔契約であり、魔物使いのレベルであり、レナ様の心でもある』


 魔物使いって心の優しい者が向いているんですよ……とルージュが語る。

 指導する者、使役する者であれば「教育者」「施政者」「猛獣使い」などが適性職業になるのだという。


 魔物使いは、意思ある生物に寄り添える存在であること。

 そして魔物の尊敬を得て、まとめられる存在であること。


 ルージュが付け加える。


『レナ様のテイムはイレギュラーです。魔人族を従えていることは前例がありません。そして、尊敬のない状態の夢組織の子どもらを迎えましたね。さらに王族魔物たち、虫やスウィーツモムを従えている。これもレナ様の配下といえます。従魔のひとりにレナ様のレベルが追い抜かれそうなことも……』

「……あ! ルーカさん」

『そうです』

「だからモヤっとだったのかー。私がいない間にレベルアップしてたこと、不安だったんだね……ふさわしくいられてるかな?って……」


 レナが深ーくため息を吐いた。


 ルージュがスッと立ち上がって、レナを抱きしめた。

 湯冷めした体は、少しひんやりしている。

 ルージュの熱を分け与えると、心地いいらしくてレナの方からすり寄ってきた。


(子どもですわ、あなたも。でも大人のように振る舞える。分かります、わたくしもそうでしたから)


 ルージュが施せるサポートを。


『もっと立派な主人になりたいでしょう』

「うん」


 レナの返事には迷いがない。


「従魔のみんなに誇ってもらえるような主人になりたい。心も体も守りたい」


 志はずっと変わらない。

 ルージュの唇の端がキュッと上がった。


『魔物使いのレベルを上げましょうね。鞭を扱い、称号を得て、地位を得て、あなた自身を高めるのです』

「……うーん、ちょっと悩む……!」

『ふふ、分かります、分かりますわ。豊かな生活とは、親しい者と過ごす穏やかな時間。ただがむしゃらに強くなることとはまた違う』


 影の魔物がやってきてルージュの椅子となり、二人は隣同士で寄り添った。


 風がほんのりと赤の花々を揺らし、夜空が美しい。

 この景観がルージュの大好きな思い出だというのなら、レナの価値観と似ている。


(ルージュから学ぶことは、きっと本当にたくさんあるんだ)


 レナは頭を撫でられて心地よくて、安心して胸に体重を預けた。

 しばらくそのまま。



『すこし辛いことを言いますよ』

「……? うん……」

『魔物使いの一族とはいえ、わたくしの家系にも、苛烈な者たちがおりました。魂を縛る猛獣使いや死霊術師ネクロマンサーなどに就業し、屋敷に火を放ちました』


 動揺したレナを落ち着かせるように、ルージュは撫でる手を動かし続ける。


『わたくしは守りきれなかった。魔物使いとしての力が足りなかったからです。豊かな生活は尊いですが、レナ様にはそのような後悔をして欲しくはありません』

「攻撃は最大の防御……」

『そのとおりです』


 大切なものを守るための力は必要。


 従魔たちには困難を撥ね跳ばすだけの力がある。

 それなのにレナがへこたれていてはいけない。


 不安は悪運の呼び水になる。

(……ってルーカさんの物言いだから信憑性がすごいっていうか)


 くす、とレナが苦笑したことで、ルージュはホッとしたようだ。


 暗い思い出話をしてしまった後だから。

 レナはくじけなかった。


「私、従魔を幸せにする!」


 レナが高らかに宣言すると、影の魔物たちがその志に喜んで、暗闇の中を踊りまわった。

 ルージュがレナを慈しむように抱え直した。


『大丈夫ですよ』

「ん〜そう言ってもらえると安心するな〜」

『ここでは甘えていいですからね』

「ルージュお姉様……!」

『ここでは、ね。よしよしいい子でちゅね〜。たっぷりぎゅっぎゅしましょ〜』

「そ、そこまでの赤ちゃんプレイはいいです……」


 ▽レナは 冷静になった。


『ここでは甘えて。外では従えて。訓練場では励みましょう! わたくしが鞭の指導をいたしますわ』

「……ッッよろしくお願いしまーす!!」


 レナは「ぎゃあ!?」と叫びたくなるのを堪えて、ルージュに挑む。内心はドッキドキだ。


(目がギラギラしてるぅ、調教師モードだ間違いない。サディスティック訓練だってぇ……! でももうモヤモヤしたくないからー!えいえいおー!)


 よし! とレナはローズヒップティーの残りをぐいっとあおった。



 ▽レナは ルージュの胸元に 頭を突っこんだ。

 ▽ぷるるんぷよん。

 ▽誰も見ていないから、たぶん。


「甘やかしてください!!」

『よーしよーし〜』

「うえええぇぇ……みんなのことが好きぃ……だから頑張るーぅ! うっうっ」


 不安は涙になって流れていくといい。

 ルージュはそう願いながら、レナに寄り添う。

 慈しみのプロなのだ。

 魔物使いだから。

 レナの友達だから。


(ええ、頑張ってくださいね、レナ様。ギルティアを従順にするならば……あともう少し、魔物使いの地力が足りません。あなたは選べる者なのですから、そもそも尊敬のない魔物のテイムなどしなければいいのですけれど……逃げないのでしょうね。本当に優しい)


 魔物使いだな、とルージュはレナを見て思う。

 とても嬉しく思う。


 自分たちの志が受け継がれているようなレナが、魔人族のテイムから、さらにその先まで登りつめるのを見てみたいと思った。





 ▽キラが 現れた。


『おかえりなさいませ』

「遅くなりましたーっ! オホホホホ……ってマスター寝ちゃってますか?」

『この通り』

「アチャー」


 キラはぺしんと自分のおでこを叩いた。

 長い銀髪がキラキラ揺れて、ボイーンと主張する胸にこぼれ落ちる。

 ふりふり赤ドレスにナイスな女体、キラご令嬢。


 見参!!!!

 落胆。


「せっかくナイトティーパーティにお呼ばれにきましたのにーっ! 従魔会議が長引いてしまいましたから……」

『あらあら。主人について語っていたら盛り上がっちゃいましたか?』

「おっしゃるとおり」


 てへぺろ☆ と舌を出すキラ。

 圧倒的美少女なのに中身はいつものままである。レナが起きていたら淑女キャラを演じて驚かそうと思っていたのだが、もうどうでもいいようだ。


『性別不明って便利ですね、どちらにもなれて』

「男子と、女子と、そのうち神にもなりますね!」

『あなたがたの未来が楽しみですわ』


 ルージュがにっこりと大輪の薔薇のように微笑む。


『我々も混ぜてくれ!』

『あらカルメン様』

「今まで寝てましたね〜? さては」

『無視を楽しんでいたのだ! ははは!』

『おっしゃっていることは理解できますわ』

「う〜ん。まあいいや」


 赤薔薇が4つ、寄り添った。



 ▽ルージュから 魔物使いの心得を聞いた。


 ▽魔物使いのお勉強をしよう。

 ▽鞭の練習をしよう。


 ▽あらゆる手段を使って強くなろう!






読んでくださってありがとうございました!


ルージュ

『うふふ。ギルティアテイムにあたって心配していますわ、と伝えようと思ったのですけれど、レナ様ったらいじらしいお顔をするので、甘やかすことを優先してしまいました……♡』


とのことです!

ほんとビックリするくらいプロット通りには動いてくれません(笑)



今週バタバタしておりお返事お待たせしています(。>ㅅ<。)これから返させてくださいね〜!いつもコメントありがとうございます、励みになります!!♡



うみお様からレビューも頂きました。

嬉しい!!!!!!♡♡♡

生きる……!って思いました(エリクサー)



みなさまいつも応援ありがとうございます!ヾ(*´∀`*)ノ




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