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温泉入浴(男子たち)1

▽メンタルクラッシュ!

▽メンタルクラッシュ!

▽メンタルクラッシュ!

▽限界値が上昇した!

……

……



ロビーでは男子の従魔たちが撃沈している。


赤色のソファが並べられて、一つにつき一人が背もたれに頭を埋めていたり、丸まって顔を手のひらで隠して身悶えていたり、崩れ落ちていたり。


「難儀だな、君たち従魔は……」

「ロベルトさんもこちら側へようこそ……」

「引きずり込もうとするのはやめなさい」


金色の長髪をぱああっと床に広げて、クッションの座椅子部分で打ちひしがれていたルーカが、半眼でロベルトをじろっと眺めた。

クイっと口角を上げる。


「50パーセント」

「恐ろしいなこの場所は」

「良いところでしょう? レナパーティ」


ルーカが言うと、従魔たちみんながグッジョブサインを掲げた。

ご主人様尊いゲージが天井をぶち破ってオーバーヒートしていたが、やっとゲージ内に濃縮されて収まってきた。


クーイズがキラに抱きつく。


「くっはぁぁ〜〜! キラ先輩ったら、館内放送なんて粋なことするわよねっ」

「ねー!? 我らが全員レナに惚れ直すように、名言共有、抜かりないわっ」

「「そんなことしなくてもメロメロなのにィ。でも女湯の会話、聞けてよかったありがとう!!」」

「どういたしまして☆」


ハマルが床をごろごろごろごろ転がっていく。

影の魔物たちが、ハマルの下敷きになって汚れないよう守ってあげる。

そうしなくても床は[クリーン]されているが、念のため。


「ハアハア、レナ様に『大好き♡おいで』って言われながら鞭に縛られて『あなたの愛の束縛が強くて動けませんもの〜』ってやりたぁい……ハアハア」

「落ち着けハマル。具体的に言うな……想像してしまう……想像しやすすぎる……いつものじゃん……」

「オズはそーいう願望ないのー!?」

「精神的にはすごい満たされてるかな。それくらい? ……やめろロベルトその報告書をよこせ!」

「仕事ですから」


ロベルトとオズワルドの追いかけっこが始まった。

最初は人型だったものの、半獣人姿となり、ついにはデカイ獣二体がロビーを駆け回る。


それでも道幅に余裕があるほどロビーは広いし、細やかな装飾品はルーカが結界保護している。

なんなら、キラがロビーを随時拡張している。


「マスター・レナ。今やんちゃな獣がおいたしているのですけど〜? お叱りして頂けませんか?」

<そうなの?>


館内放送で、女湯にいるレナの声が響く。


<こらっだめですよ! あとでたくさん構ってあげるからね。その毛並み、ブラッシングの刑です!>


▽オズワルドと ロベルトは 静止した。


<ちなみにこれまでのおいたへの罰なので、ブラッシングは決行します。じゃあ楽しみにしててね!>


▽獣の尻尾がぴくぴく揺れた。


「ミッション完了。さすがで御座います! それでは引き続き、温泉遊園地をお楽しみくださいませ」

<はーい>


キャーキャー! とレナの背後から女の子たちがはしゃぐ声とホットウォータースライダーの音が聞こえてきたので、クーイズが期待に顔を輝かせた。

シャララン、と効果音がして通話が切れた。


ハマルがオズワルドとロベルトに突っ込んでいき、もふもふ手を動かす。


「ボクも叱られるような愚行しておけばよかったぁ〜!! めええぇぇ……これじゃマゾヒストの称号返上だよぉー……!」

『『それはない』』


『ハマルがマゾヒストじゃないとか、ないから。さっきの発言も行動も主さんに聞かれてなかっただけで愚行だから。安心しろお前は立派なマゾヒストだよ……なんだこれ……』

『愚行……』

「「っあー! ロベルトたいちょーの雪豹耳しょんぼりしてんじゃん! 元気だしなよ、子供扱いもいいもんだぜ!」」


クーイズが雪豹にのしかかり、耳を引っ張って、サラサラ雪色の毛並みを撫で回してケラケラ笑う。


青い毛皮のデス・ハウンドにもたれかかったハマルは「嫉妬ジェラシーなのですー」なんて愚痴をまだ言っているので、(こいつ、最近主さんがまた女王様っぽさを増したからマゾヒストこじらせてるな……)と察した。

豊かな尻尾でペシペシとハマルを叩いて転がしてやった。

なんの慰めにもならなーい、なんて文句を言いよる。



ロビーの片隅で、モスラはまだ打ちひしがれていた。

長らくレナに会えなかった従魔が食らったメンタルパンチの破壊力は物凄かったのだ。

しかも別の部屋で自然に言われたこと、というのがまた、イイ。


ソファに座り、項垂れて、片手で顔を覆ったモスラは、この溢れる主人尊さに満たされている。

だから溢れているんだってば。主人尊さを収める魂の器を、グンと大きくした。足りない。溢れた分の愛情は、モスラを紅色に包むオーラとなる。


ルージュの僕である影の魔物たちが(大丈夫?)(大丈夫?)(大丈夫?)とアワアワウロウロしながらモスラの様子を見ている。


スッ!! と急に立ったので(きゃーー!)とびっくりして影が拡散した。


▽モスラは覇気を纏っている!

▽モスラはぶわわっと薔薇色オーラを全開にした!


「あのお言葉を赤の教典用に書き下ろししなければ気が済まない!!!!!!」

「はいこれ第一稿用の冊子と赤インクのペン」

「おおおおおおおお!!」


怒涛のスピードでペンが動く。

動きが目で追えないくらいに早い。


クーイズが面白がって眺めていたけれど、目を回してしまった。

アシストしたルーカが笑いを堪えている。


「モスラさーん。マスターの音声記録はバッチリですから、お言葉は教本用にいい感じに華美に装飾、お願いしますねっ」

「誠にありがとうございます毎日1000回聞きます、承知致しました!」


「ルーカティアスさん校正お願いしまーす☆」

「原稿上がるの早っ! なにこれ……湯気の中で響く金言はまさしく緋々色黄金のように輝き、従魔たちの太陽となり…………あーーっはっはっはっは!! その通り、ふ、くくくっ!」


ルーカが爆笑しながら、校閲を終える。


モスラがやっと満足した頃には、冊子五冊が美辞麗句で埋まり、それがルーカによって、一ページの簡易用赤の信者教本に圧縮されたのであった。

モスラ著の原本は狂信者用。



『難儀だな、君たち従魔は……』


ロベルトがしんみりと呟いた。


クーイズが離れたかと思えば、オズワルドとハマルが雪豹毛並みにひっついてじゃれてきたので、おとなしく子守り……生体ソファになってあげた。




▽温泉交代!

▽男子も入浴しよう!


読んで下さってありがとうございました!


短めなので、明日も更新しますね。頑張るー!


感想返信は明日の朝にさせて下さい(。>ㅅ<。)

いつもありがとうございます〜!!

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