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2-3. 旅の終わりに
皮肉にも最初の強行軍が大幅に旅程を縮めたため、当初の予定よりも帰国は早まることとなった。
報告が済むと、彼女にはすぐさま全身のメンテナンスが施され、兵器化が進められていった。
ハードディスクには搭載装備の詳細が書き加えられ、兵器らしからぬ容姿は、ゴツゴツとした怪物へと換裝していく。
兵器化も佳境を迎え、徹夜の日々が続く中。久しぶりに自室へと戻った俺がベッドに倒れ込んだ時。
反動で頭の上に落ちてきた物に対し、俺は顔を上げた。
それは旅の中であれが描いていた落書きだった。
特に報告に加える必要もないため外しておいたのだが、どうやら処分を忘れて、机の上にまとめていたようだ。
落書きを拾い集めて机の上に目をやると、そこにはあの旅で使用した携帯端末が置いてあった。
なんとなく端末を起動し、保存されたデータを見ていた俺は、あるファイルで手を止めた。
それは旅の中で、毎日のメンテナンス時に取っていたバックアップファイルだった。




