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1-3. 旅の始まりは
面倒な仕事だと思った。
なぜ、研究者の俺が行かなくちゃいけない。
そんなものは健脚な兵隊にでもやらせておけと反論もしたが、聞く耳すら持ってもらえなかった。
荷物持ちを連れての、落ち着かない旅が始まった。
同行者と無駄口を叩く気にもなれず、ただただ目的地を目指す日々。
目的地に着くと、すぐに作業に取り掛からせて、完成すればさっさと宿を引き払って。
毎日、石みたいなパンを齧り、強行軍を重ねる生活。
どうせ作業は同行者任せになるのだ。
俺はさっさと終わらせて戻りたかった。
そんな旅を続けていたある日のこと。
あいつを作業場所へと連れて行って、宿へと戻ろうとしたところで意識が遠のいて。
気付けば俺は宿のベッドに横たわっていた。
ふっと横を見ればスープが置いてあって、とりあえず一口飲んでみて…そうだ、あれから料理を覚えさせたんだったな。
それから…。
***
――んせ――
ふっと、誰かの呼ぶ声が聞こえる。
――んせい――
そうだ。確か、あの時も声が聞こえてきて。
「先生」
振り返れば、あいつが困った顔をしてこっちを見てたんだよな。




