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君が描くもの  作者: 鳥頭
1/12

1-1. ある旅路の一景

「どうだ~?」

進捗状況を伝えると、先生は適当な相槌を打って私の隣に腰を下ろしました。


ちらちらと私の作業を覗き込む視線。

「デリカシーに欠けています。」

私がそう言って睨みつけると、先生は慌てて身体の向きを変えました。


先生が内ポケットをまさぐり始めたのを見つけた私は、さっとその腕を引っ張ります。

手の中に握られている箱を取り上げると、先生は抗議の言葉を口にしました。

「暇なんだし、一本ぐらい良いだろ?」

箱を奪い返そうと伸びる手を叩き落とすと、私はいつもの言葉を返します。

「煙草は害悪です」


先生は恨みがましく私を見つめると、「完成したら起こしてくれ」と言って横になりました。

静かになるのは構わないのですが、なぜ私の膝を使うのでしょうか。

起こして退かしてしまおうかとも考えましたが、再び騒ぎ出すのが目に見えるので、大人しく寝かせておくことにします。


先生の穏やかな呼吸と私の筆の音だけが、展望台に静かに響ました。

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