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ドラゴンになりました、使い魔らしいです   作者: NHRM
成り上がり・建国編
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パーティー結成

捕縛された椅子の前まで連れてかれた。ご丁寧にルージュは縄で捕縛。俺は常に抱っこと言う形である。

まさに早業である。


「おい、私は連れてこいと言ったのだ」

「うん、だから捕獲したよ」

「人間を捕獲するんじゃない!」


青いお姉さんが激怒していた、どうやら意思の疎通がうまく行かなかったらしい。

さっきまで笑顔だった獣人ちゃんがネコミミをペタンとして尻尾を悲しそうに振っている。

何て言うか、アホの子な気がしてきた。


「でも、人間の匂いじゃなかったよ!甘くて血の匂いがしたもん!」

「ニ、ニンゲンデスヨー」


まさかの発言に、ギクッとルージュが震えた。最悪である、俺達の正体がいきなりバレてる。


「ふむ、どう見る?」

「可愛いな、もしかしたら私の同族とハーフかもしれない」

「ほう、ハーフエルフか」


良かった、一瞬顔を近づけたエルフさんがルージュの汗を舐めてコイツは嘘を吐いてる味だとか言うのかと思った。


「すまないな。仲間が悪い事をした、何か事情があるのだろう。まずは自己紹介させてくれ」


俺達の恰好、黒いローブに身を包んだ杖を持った魔法使いのルージュ。

それと、黒い体毛の狼である俺。どう考えても使い魔を連れた魔法使いだ。

だから事情と言うのは、貴族が冒険者をしているって事だろう。


「リーダーのアリアだ。槍と剣を使う遊撃だな、髪は青いが魔法は使えない。山を越えた先から来た」

「私は見ての通り放浪エルフをしているエリーだ。魔法の関係上偽名だが許せ。主に遠距離からの後方支援担当で精霊術が使える」

「えっとね、カシス。覚えやすいでしょ!罠とか斥候とか色々するよ!」

「……あっ、マイン。ドワーフ」

「もっと色々あるでしょ!マインはね、こうバンとしてドカーンって感じね!ボーっとしてるけど気にしないで!」


それぞれが自己紹介をする。俺もするべきだろうか、するべきなんだろうな。


「俺の名前はヤンヤン。犬に見えるがドラゴンだ、すごいだろ?」


皆さんポカーンである。えっ、どういうこと……


「犬なのに、喋れる、私の……」

「スゲー!喋ってる、スゲー!この子、スゲー!」

「……これが、使い魔って奴か。喋るのか知らなかった」

「フッ、私は知ってたぞ。エルフは物知りだからな!」


一般常識である筈なのに皆さんポカーンとしていた理由が分かった。

どうやら今まで見た事が無かったらしい。そんな筈は無いと思うのだが、もしかしたら冒険者になる貴族で学園に行く奴は珍しいのかもしれない。そうだったら知らないのも無理はない。というか殆ど念話で会話しそうだしな。


さっきからスゲーしか言わない獣人ちゃん。えっと、カシスだっけ。

それと、所有権を主張する真顔の幼女マインちゃんの間に座っている拘束されたルージュさんがプルプル震えてる。アカン、コイツ緊張してる。


「どうした、自己紹介してくれないか?」

「アリアは知らないだろうから教えてやる。これは人見知りって奴だ」

「いや、知ってるよ」


何やら漫才している二人は放っておいてルージュを見る。うーん、ローブで顔が見えんな。


「メア……ルージュでしゅ!あぁ、えっと……あの、あぅ……」

「噛んだな」

「噛んだようだな」

「噛んじゃったね」

「……噛んだ」


もうやめて、ルージュさんのHPはゼロよ!あぁ、ヤバいちょっと泣きだした!?

お前、メンタル弱すぎるだろ!


「お、おおお落ち着くんだ。我慢しろ」

「……我慢」

「そうだ、自己紹介出来るよな。ほら魔法使いだって、全部の属性が中級まで使えて異国の魔法も使える読み書きや計算のできるルージュですって言えるな?」

「ヤンヤンが全部言っだぁぁぁ!もう、やだぁぁぁ!」


ルージュさん号泣である。

ゴメン、悪気は無かったんだ。みんな見てるから、なぁ本当泣き止んで!ほら、ヤバいって視線が!ゴメン、本当ゴメン!お願いします、泣き止んで!


取り敢えず、食堂から彼女達の借りてる部屋まで強制連行である。

どうしてこうなった……

部屋に着くと、アリアがフォローしだした。


「その、最初は誰でも緊張するもんだ」

「私は知ってるぞ、これはコミュ――」

「わーわー!?エリーちゃん、ダメだよそれは」

「コミュ障……プッ」

「何で言うかなマイン!この馬鹿ちん!」


更なる追撃にルージュさん自力で縄を引き千切って、ベットにダイブした。

おい、人の布団に篭るんじゃない。引きこもりか己は!


「何て言うか、パーティーを募集したのが分かった気がする」

「私の推測なら自分から話しかけられない奴だな」

「エリー、悪化するから黙ってくれ。私が話すから」


丸まった布団に向けてリーダーのアリアが近付いて行く。

その間、俺は幼女に肉球をプニプニされていた。解せぬ……


「元々私達は五人でな。魔法しか効かないモンスターのせいで君を雇おうとした。みんな悪気は無いんだ」

「……違うんです、恥ずかしくて」

「見ての通り、珍しい奴が多いから気にしないでいい。少し人付き合いが苦手なだけだろ。もしよければ、パーティーに入ってくれないか」


布団の中から顔だけ出して、ルージュが上目づかいで恐る恐る窺った。


「でも、途中で抜けるかもしれないですよ。私、まだ募集してるから」

「そういう事情も分かる。でも、私達は迫害や差別された者もいる。女の魔法使いで私達を嫌がらないだけで貴重な存在だ……素直に言おう、君が欲しい!」


その告白に答えるようにコクコク、とルージュが頷いた。

嬉しそうで感動的な場面である――


「ねぇ、アレってプロポーズだよね」

「フッ、レズという言葉がある。女が好きな女の事だ」

「……やだ、大胆」


――後ろのお前らさえ居なければな!な!


「お前達、うるさいぞ!」

「アリア、大丈夫だ。私は知ってるからな」

「えっと、応援するね」

「……おめでとう」

「おい、貴様らぁぁぁぁ!」


その後、部屋の中で乱闘が始まった。一件落着なのだろうか、スゴイ重い話したから場を和ませようとしてるのかもしれない。迫害や差別か……男が嫌いってのはそういうのが関係あるのかもな。


「ヤンヤン、ヤンヤン」

「何だよ、てか他人の布団から出ろよ」

「どうしよう、プロポーズ……」

「真に受けんなよ!違うからね!」


ちょっとウチの主人が天然入ってるけど大丈夫そうで良かった。

なんとかパーティーを組めるようになったからな。




そして、さっそくダンジョンに入ってみようという事になった。

ダンジョン、それは魔力が集まりやすい場所に生息するモンスターである。

地上から魔力を吸収し、生きる上で余剰な自身の魔力からメスのモンスターなどを作成、誘き寄せた外からのモンスターを住み着かせ、死んだ時に魔力を吸収する。

本来であればそういうモンスターだ。


しかし、人間が付近に住み着きダンジョン内に侵入するようになった。

その為に人間を倒す罠などを作成しだした。また、モンスターの生態系を作る事で防衛しようと進化した。

そのうち人間は侵入しなくなるのだが、そうなると外からのエネルギーを得る事が出来ず空気中から魔力を得るハメになる。


だから、今度は人間の習性を利用するように魔力の篭った薬草や鉱石を生み出す事にした。

それは様々な箱の中に入れて配置すれば取りに来ると判断したからだ。


「っていう話があるけど、他にも管理している人がいるって言うのもあるよ。だって、ダンジョンがそんなに頭良い訳ないじゃんね」

「カシスさん、物知りなんですね」

「フッ、それは私が教えてやったのだ。馬鹿に騙されてはいけないぞルージュよ」


にゃんだと、とエルフと獣人が喧嘩しだす。本当、喧嘩ばっかりする国だな。

ダンジョンの中は想像と違って広くて洞窟と言った感じだった。もっと規則的なレンガの道とか迷路でないのは予想外である。

配置として、まずシーフのカシスとエルフのエリーが先行する。その後ろに、リーダのアリアと盾役のマイン。そして、俺とルージュだ。二人の後ろに三人と一匹が付いて行く形だ。


「何か来る……男だな」

「冒険者のようだな」


目の良いエリーがアリアに報告してマインとアリアの後ろに移動した。

それを不思議そうに見たルージュが疑問の声を上げる。


「なんで警戒してるんですか?」

「冒険者同士の戦闘は多い、宝の配分で仲間割れもな。私達は女しかいないから高確率で襲われる。注意はしといて損はない」


道は暗いが広いため距離を開けて通り過ぎて行く冒険者達。

エリーが後ろを見てから一息吐いて、再び前に出る。


「冒険者が今までいたからモンスターが湧く前に移動する。こういう時は早く行くんだ、索敵するだけ体力の無駄だからな」

「そうなんですか」

「そうそう、罠とかモンスターはみんな処理しちゃうからね。死んだりダンジョンで寝ると壁に飲み込まれるから気を付けるんだよ。マインが片足まで飲まれたことあったけ」

「……カシス、忘れるべき」


そんな雑学を聞きながら小走りで俺達は移動していく。なんか凹んだ地面があったので、罠が作動した後かもしれない。これがダンジョンか。

そして、何度か冒険者達とすれ違っているとカシスが止まった。


「へうっ!?」

「あぁ、急に止まる事もあるから気を付けろ。今、カシスが罠を見つけた。これから先はモンスターしかでない」

「何でですか?」

「ダンジョンは異物がいると罠や宝箱の中身が再配置されないんだ。罠があると言う事は、宝がありモンスターが湧いて、冒険者が先行していないことになる」


ぶつけた鼻を摩りながらルージュは、なるほどと頷いた。

これが冒険者の知恵と言った所か。まだまだ先は長い。


「壁の穴から攻撃が来る、あの小石がスイッチだから踏まないで」

「おい、ゴブリンだ。先制する」


カシスが注意している間、早速モンスターと遭遇した。五匹程のゴブリンの群れだ。


「囲まれるとまずい、こうやって誘き寄せる。見てるだけで良いから後ろを警戒してくれ」


入れ替わるように、アリアとマインが前に出る。

最初のゴブリンがマインのタワーシールドに向かってぶつかる。


「まず一匹」


怯んだ所を、ハンマーが上から押しつぶす。一度盾受けしてから一撃を与えるスタイルなんだろ。

対するアリアは小さい盾でゴブリンの棍棒を弾いて喉に槍を一刺しする。


「いいか!こうして罠を使う場合もあるからな!」


教えるように声出したアリアが、槍に着いたゴブリンの死体を小石に向かって投げた。

次の瞬間、壁から複数の矢が三回ほど放たれた。それは後続のゴブリン三体に当たる。

罠を利用した、攻撃だ。


「後は心臓に核、つまり魔石がある。余裕があれば身体事持ち帰るから覚えておけ」

「おぉ……すごく冒険っぽい」

「ルージュ、驚いてないで核を取るのを手伝え。新人の仕事は魔石取りだぞ」

「は、はい!」


俺達のダンジョン攻略が始まった。

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