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スピード解決だよ、ナオキくん

「そして俺は死んだ、スイーツ。なんつって」


ナオキは原作の話を思い出しながら呟いた。

そう、何を隠そうこれから起こるであろう原作知識では主人公は一回死ぬのである。

失意のどん底に落ちるペトロ、絶望は彼女の中に眠る無属性を少しだけ覚醒させ片鱗を見せる。

そして万の軍勢を退け、将軍コングラートに化けていたラグッセルを倒した英雄は迎えた死を無かった事にされ生き返ると言う第一期アニメの燃え回。


ナオキはペトロの領地で世話になっていた頃からいつ起こるのかと探っていたのだが、今日はペトロが学園に用事があると言っていたので確信していたのだ。

そう、イベントが起きる日であると!


「ここで主人公との関係が使い魔と主人じゃなくて、友達みたいな対等な物になってくるんだよな。でもなんか微妙に違うから生き返られる保証もないし、ギクシャクした仲でもないんだよな。オッサン達にも生きて欲しいし、どうするか?」


正直、自分は原作の主人公よりもチートだという自覚はあった。まず魔力によってブーストする身体能力、振れた瞬間から悪意ある魔力を吸収する体質、あらゆる魔法を操る能力。

原作に出てくる伝説の使い魔の能力全てが付いている。正直、数万の軍勢なんかあっという間に倒せるだろう。まぁ、四天王を倒せば両親も死なないし同盟も無事結べるけどな。


「問題は俺のせいか、今まで見たことない二次創作の展開なんだよな」


ペトロとラブラブな感じの展開でもないし、悲劇のヒロインメアリが何か強気な性格になっているし、ドラゴンスレイヤーな筈の姫様がドラゴンオタクになってるし、この世界は俺の知識と結構齟齬があった。


「でも戦争しないと、不壊の双剣が手に入らないしな……」


うんうんと、唸っても仕方ないと思い御馴染みの展開メイド速攻殺害ルートで行くことにした。

この展開は実は四天王じゃない人だったとか、強すぎて殺ろうとしたら殺されたという展開もあり、余りやりたくなかったのだ。


なので、安全に事を運ぶために蛸を買いに行った。公式設定では四天王変貌のラグッセルは沖縄のケンムンというモンスターのような物が元ネタらしく、元は人間であったとか弱点は蛸などという逸話がある。

二次創作でも、蛸を使った触手プレイでラグッセルを……あぁ、こっちは十八禁版の二次創作か。

まぁ、要するに弱点が蛸であるのは確かなのである。


蛸は比較的に簡単に手に入った、この世界の蛸型モンスターだ。茹で上げれば赤く美味い、でかい蛸である。必殺技は蛸墨ブレスからの殺人タックルだ。美味いのだが逆噴射でツッコんできて怪我人が絶えないそうだ。

現に店先で買ってから、ずっと袋の中で暴れている。流石に口は防がれているのでブレスは発射されないがウザい。


「さて、メイドフラグか。確か酒場で酒でも飲めば発生するだろう」


苦笑いで、昼間っから俺は酒場へと入っていた。

酒場は閑古鳥が鳴いていた。それはそうだ、朝から飲むほどみんな暇ではないのだ。

しかし、人がいない訳ではない。暇な貴族や旅人が寄ってくる時間帯なのでファミレスのように営業はしているのだ。


「おぉ、ナオキじゃねぇか」

「やぁマスター、遊びに来たよ」

「かー、食客様は暇で良いね。おい、この店で一番高いメニュー持って来い!」

「おいおい、勝手に決めんなよ!まぁ、食べるけどさ」

「へへへ、毎度あり」


いつものやり取りをして俺は席に座る。この酒場のマスターは貴族用のメニューを押し付けて高い食事代を払わせるのだ。まぁ、払えない額ではないし自分で稼いだものだから文句は無いのだが手持ちがない時はどうするのだろうか。

俺がやれやれと呆れながら店を見ていると、見慣れない女の子がいた。

黒い髪のメイドさん、奴に違いない。しかし、同時に勘違いではとすら思った。

これが二次創作でも難しいところ、リアルになってから見訳も付きにくいし本当に難しい。


「おい、何見てんだ。ほら出来たぞ」

「いや、あそこにいる子……見ない顔だなって」

「あの子か、少し前に来たんだがな。異国の奴らしいんだが、盗賊に親が殺されてな住み込みで働いてるんだ」

「盗賊?この地方でか?」

「少なくなっても、いるからな、怖い思いもしてるのに慣れない土地で必死になって偉いじゃねぇか……」


まるで親のように慈愛の目を向けるマスター、だが俺は怪しいと思った。

この地方では魔物の死体を街道に晒す方法で、魔物を近づかない様にする取り組みを俺の発案で行っていたのだ。そして、それに伴い定期的に魔物を倒す騎士団が巡回しているため、盗賊などはめっきり数を減らしていた。

それなのに、襲われたと言うのか?


「俺、ちょっと話してみる」

「手籠めにする気か、やるねぇ……」


なんか変な勘違いをしているようだが、面倒なので放置しよう。

俺が近づこうとしている彼女は、どこかの貴族に絡まれているようだった。


「私はこの地の農法にすごく興味があるんだ。それに縄張りを利用した魔物避けに、騎士団を使う事による魔物討伐、それによって訓練するように兵を強くしてインフラ設備を整える。それだけではない、あの不思議な粉は何だ、何故畑に撒いているんだ!肥料なのか?この土地にあった肥料なのか!酸性土壌やアルカリ土壌など私より変な知識のある農民もいるし、ここの子供たちは識字率が高いではないか。なんだ、あの寺子屋と言う物は採算は取れているのか、それに――」

「ちょ、ちょっとすみません貴族様。この子に用がありまして」

「――な、ななな!?私は貴族ではない、し、失礼する!そこなメイド、また来るからな!」


捨て台詞と共に走り去る貴族の旦那、明らかに服装や仕草からしてバレてるのだが気付いていないのか?

いや、みんな関わりたくないだけか。


「あ、あの……」

「あぁ、大丈夫だった?」

「はい、英雄様。あの、私……実は前からお話ししたくて」


うわー、明らかに露骨な誘い。アニメでも思ったが、どうして原作ではこんな怪しい奴に主人公は騙されたのだろうか。


「そうなんだ、俺も話がしたくてさ。これから、俺の屋敷に来ない?」

「まぁ、行ってもよろしいのですか?一度行ってみたかったんです」


酒の席なら冗談でも言えるが、素面でそんな恐れ多い事を言う平民はいない。

この子がラグッセルという確信が生まれた瞬間だった。


屋敷に連れて行くまでは簡単だった。

ホイホイついて来ちまって、俺は魔族でも喰っちまう男なんだぜ。なんて思うくらい可愛いので困る。

ラグッセルじゃなかったら、愛人とかにどうだろうか。

そしてついに部屋に来てしまった。


「ナオキ様ぁ……」

「間違いであれよ、喰らえタコアタック!」


甘い声で俺を押し倒す彼女、俺は袋から取り出した蛸を彼女の後頭部に付けた。


「ギャアアア!?タ、タコじゃないか!うわぁぁぁ、身体に張り付いてやがる!」

「出たなラグッセル、喰らえ間接締め!」


魔法が解けて、翼を生やした女の子になるラグッセル。俺は容赦なく関節を絞めて一気に力を込める。


「あぁぁぁぁぁ!?この野郎、腕を折りやが――」

「おらぁぁぁぁ!」

「――ぎゃあああ!あ、足までぇぇぇ!」


魔族には人権は無いので俺は容赦なくラグッセルの四股を再起不能にしていく。


「何……してるの?」

「――ッ!?」

「う、うぅ……」

「なんてタイミング!?」


酷く震えたペトロの声がした。

振り向けば、学園から帰ったペトロが失神していた。

しまった、俺ってば顔中血だらけでメイドの腕とかスプラッタにしてる。


「へへへ、油断し――」

「うるせぇ、黙ってろ!」

「ちょ、首がもげ、いたたた、こんな死に方嫌だ!」

「オラァ!」


俺は首の骨を折り、急いでペトロの傍に寄った。

暫くして起きたペトロが、ラッグセルを見て再び気絶したことは心の中にしまっておこう。


テストが近づき、更新遅れてすみません。

皆さん、風邪などには気を付けましょう。

私はテスト前に熱とか出して辛いです。

これより下は作者の悪ふざけになります、読まなくても良いです。


ラグッセルの陰謀を打ち砕いたナオキくん。

ラグッセルは四天王の中でも最弱、そして忍び寄る黒い影。

一体黒い影は誰なんだ、負けるなナオキくん。


次回、「黒い影、その名は四天王のヒューゼン」


デュエルスタンバイ!

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