例示1
では、共存が可能であるという実例を順次上げていく。
2000年代の初頭、一般家庭の中に愛玩ペットとして、ロボットが入ってきた。1999年に発売されたAIBO、2006年に発売された愛犬てつ、また2007年に発売された夢ひよこといったものである。
これらに共通しているのは、ペットロボットと言われたブームのさなかに、順次発売されたものである。特にAIBOは、ブームの火付け役を担ったロボットでもある。さらに、AIとも言うべきな、自律系を有しており、撫でられて喜ぶ、叩かれて嫌がる、無視されて泣くといったものである。これらの機能は、工業用ロボットでは不必要であり、人類がロボットと共有することができる感覚が、ロボットと心を通わせているという感覚を、持たせてくれることになる。
このようなペットロボットは、ペットが飼えないような居住環境、例えば、アレルギーがある、マンションに住んでおり規約上飼うことができないといった人の中に、しかしペットが飼いたいという意欲によって買われている。彼らは、生きているペットを飼っている人と共通の感覚を共有している。それが、ペットとともに暮らす充実感である。これは、ペットロボットが、すでに一般のペットと同様の地位を占めており、ロボットと共存を必要としている人がいるということである。