表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/47

第27話 【聖域】奥谷旅館、ついに国とギルドに公認される Part.131【ニュース特番】


 その夜、俺たち三人と、いつの間にかたびたび顔を出しては居間に居座るのが定位置になったブリザードの白石たちは、固唾をのんでテレビの画面を見つめていた。

 午後九時のゴールデンタイム。国内で最も信頼されていると言われるニュース番組が、俺たちのことを特集していたからだ。

 画面には、【特集】福井“聖域”ダンジョン 非合法ギルド襲撃事件の全貌、という、いかにも重々しいテロップが映し出されている。


『先日、福井県XY市のS級指定区域にて、海外の非合法ギルド『ケルベローズ』のメンバー約30名が、探索者ギルド協会と大手ギルド『ブリザード』の合同作戦により、一網打尽にされました』


 神妙な面持ちの女性キャスターが、公式発表を読み上げる。

 画面がスタジオに切り替わり、コメンテーターたちが口を開いた。


「ブリザードの対応は見事でしたが、問題は、これほどの規模の武装集団の国内侵入を、なぜ許してしまったのか。政府の危機管理体制が問われます」

 

 元自衛隊幹部だという、厳つい顔の軍事評論家が、厳しい口調でそう指摘する。


「より衝撃的なのは、その後の政府の対応です」

 

 次に口を開いたのは、経済アナリストの女性だった。

 

「事件の現場となった『奥谷旅館』とそのダンジョンを、国が『特別独立管理地区』として正式に認定したのです。これは、一個人が所有する土地に、治外法権に近い権利を認めるという、前代未聞の決定ですよ」

「ええ。そして、世界最大手ギルドであるブリザードが、その旅館と『対等な同盟』を結んだと発表しました」

 

 最後に、皮肉な笑みを浮かべたジャーナリストが、カメラに向かって語りかける。

 

「一介の旅館が、なぜ? 公式発表の裏に、我々の知らない、よほど重大な何かがある……。政府とブリザードは、一体何を隠しているのでしょうか?」


 番組は、「謎多きこの『聖域』。今後の日本のダンジョン情勢を左右する、最重要拠点となることは間違いありません」というキャスターの言葉で、締めくくられた。

 俺は、ただ、呆然と画面を見つめることしかできなかった。



 


【聖域】奥谷旅館、ついに国とギルドに公認される Part.131【ニュース特番】


201:名無しの探索者

 おい、今のニュース見たか!?


202:名無しの探索者

 見てた見てた! まさかの全国ニュースで特集www


203:名無しの探索者

 公式に「聖域」って呼ばれてて草。

 もう隠す気ねえな、国もギルドも。


204:名無しの探索者

 やっぱり、ただの田舎の旅館じゃなかったんだ……。


205:名無しの探索者

 それにしても、「合同作戦」ねえ……。


206:名無しの探索者

 絶対嘘だろwww

 どう考えても、あのワンパンオーナーが一人で全員返り討ちにして、ブリザードは後片付けしに来ただけだろ。


207:名無しの探索者

 そして、その手柄と情報を元に、国と同盟を認めさせた……。

 恐ろしいぞ、あの旅館。


208:名無しの探索者

 海外のテロリストからも真っ先に狙われるとか、どんだけヤバいんだよ、あのダンジョン。

 お宝ザクザクなのは確定か。


209:名無しの探索者

 ていうか、あの旅館自体が、もう一個の独立国家だろ。

 オーナーが国王で、ニジが守護神で、ブリザードが国防軍。


210:名無しの探索者

 どんな魔窟だよ。RPGの最終盤かよ。


211:名無しの探索者

 ある意味、日本で一番安全で、一番危険な場所だな。

 泊まりに行きたいけど、下手に近づいたら、テロリストと間違えられて消されそう……。


212:名無しの探索者

 もう、我々一般人が、面白半分で首を突っ込んでいい領域じゃない。

 あれは、神々の領域だ。


213:名無しの探索者

 だよな。

 でも、そうなると、最後のジャーナリストが言ってたことが、ますます気になってくる。


214:名無しの探索者

 ああ……。


215:名無しの探索者

 政府と、世界最強のギルドが、国を挙げて、ギルドを挙げて、たった一つの旅館を、必死で守っている。

 ……一体、あのダンジョンの奥には、何が眠っているんだ?


 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
この世界線では、まだ地上波の報道に信用があるんだね。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ