大理石の碑文
かつて古の代、時の変遷に打ち捨てられたある渓谷の深淵の遺跡にて、漆黒に輝く大理石の碑文が発見された。以下にその碑文の内容を示す。
”数多の英傑達の揺籃の地であるロードランより出でし偉大なる魔法使いにして王、英霊王ローラントの息子、王の中でももっとも傑出したる王、叡智王ロキの功績を讃えここに記す。
齢十三にして王位を継ぎしロキはオルド七氏族を破りロードランの地を統一した。
西には小人王フィリッポスの託宣を受け、小人族の叡智を授かり永遠の同盟と友情を誓った。
東には野蛮にて勇猛なる胡貉の一族を平定しこれを従えた。
南には三千里、ウルゴーン山脈を超えしローデシアの地にて、ソロモン王の使者、知恵の悪魔、階位二十八にして四十の地獄の軍団を従えし大いなる公爵、アスタロトを打ち破り、彼の地に封じた。
北にはソロモン王の使者、牛頭の悪魔、階位二十一にして三十六の地獄の軍団を従えし大いなる伯爵、モラクスと戦いこれを殺し、この地をローゼンハイムと名付け国を開いた。
最も偉大なる王、永遠の統治者、最も寛大にして慈愛にあふれる者、善なる神の寵愛を受けし者ロキはその治世第九年にて全ての夷狄を討ち滅ぼし中原を統一した。
全ての民が王に敬譲し仕えた。全ての民を王は慈しみ愛した。
聖職者、神官、大魔道士、占星術師、豪族、そして名だたる屈強な戦士たちが王の偉業を称えるため全国から招集された。
寛大なる国王は自らの土地、食料、そして諸々の歳入を彼らに分け与えた。
さらには税を軽くし彼らがより富み栄えるようにした。
貨幣を統一し度量衡を定め、新しい文字と法を定めた。
王に債務を持つものには、その債務を取り消し開放した。
咎人たちには恩赦を与えた。
全国から兵士、軍馬、鉄を集め、城塞を築き国境の守りを盤石なものとした。
国家が安全なものとなり、国がより富み栄えると、彼は王位を息子ロンに譲り渡し、さらなる叡智を求め再び南へ旅立った。
彼は再び竜の渓谷を越え南の大地に入り……”
ここから先の碑文は失われている。




