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45 だんじょん?

 

 精霊による領地開拓のプレゼンテーションをドライアドのドラさんに丸投げして数時間。


 説明は白熱し、まだ続いている。

 エリオットはそこまででもないけど、ゴードンたち職人が盛り上がっている。

 最初は精霊とまともに話せることに感動し、精霊ができることや私を介して精霊がしてくれることを聞かされるとすごい盛り上がりをみせた。


 技術や資材、人手不足で諦めていたことが全て出来るし、精霊の知識や提案もあり、構想以上の事ができると大盛り上がりだ。


 途中で私は飽きた。


 いや、私はドラさんに絶大なる信頼を寄せているし、表層的な意識は召喚時に繋がっているので情報共有はできている。ドラさんに任せておけば間違いないに違いない。


 なので弟妹と会議用天幕の外のちょっとした広場で遊んでいる。

 ジャンプしたい気分だったので、縄跳びしているのだ。大縄跳びの方。


 回す役は身長がほぼ同じな人がよかったので、リヒトと(シオル)の従者であるクラートに頼んだ。


 最初は回る縄を怖がった弟妹だったけど、直ぐ慣れて今では楽しそうに跳び跳ねている。

 そのうち他の子供たちもやってきていっしょに跳んでる。ここまでの最高記録は45回。なかなかの大記録。

 見ていたおじいちゃんおばあちゃんも拍手で応援してくれた。


 旅の間、きちんと食事がとれるようになった子供たちは元気が有り余っていた。

 はじめみたときは目も虚ろでガリガリのボロボロだったけど、今では子供らしい表情と肉付きでかなり見違えている。


 食事は朝昼夕の三回と、水は馬車毎に大きな水袋を配備しているのでそこから好きなときに好きなだけ、あとは小腹が空いたとき用に数枚程度だけど日替わりで干し肉かドライフルーツが配られていた。

 朝は汁物とパン、昼はチーズとハムとパン、夕は具沢山の汁物とふかし芋とサラダが定番だった。

 今までいた場所で生活しているよりも旅の間のほうが充実した食生活を送れていたっぽい。



 縄跳びでしばらく遊んでいると、予定より早くアレンジーク達が戻ってきた。

 見るかぎりでは怪我らしい怪我はしていない。

 所々汚れているから交戦はあったのかもしれない。


「おかえり」


「「おかえりなさいませ、父様」」


 くっ、弟妹の貴族の子女感よ……!

 次こそは私も「おかえりなさいませ」って言う!


「おお、みんな仲良く遊んでいたのか。偉いぞ。……エリオットは中にいるか?」


 アレンジークは双子の頭を同時に撫でてから私に視線でエリオットの居場所確認をするので頷く。


「うん。ドラさんから話を聞いてる」


「ドラさん?」


「精霊召喚した」


「そうか。入っても問題ないんだな?」


 精霊召喚という言葉(パワーワード)にアレンジークの笑顔が一瞬固まったけど、持ち前の脳筋で直ぐに気を取り直したのか、それとも思考を放棄したのかは定かじゃないけど、用件を遂行したほうが建設的と判断したようだ。


「うん」


 私が返事をするとアレンジークは微妙な顔をしつつ、通りすがりに私の頭を撫でて会議用天幕に入っていった。

 たぶんまずドラさんに絡まれるだろうけど頑張ってね!


 アレンジークが会議用天幕に入って数分。

 中から文官くんの大声が聞こえた。

 一瞬声が裏返ってたから驚きの声だったのかな?


 でも……そうね、定かじゃないけど「ダンジョン」って聞こえた気がする!


 これはわくわくするしかなさそうね。


 わくわく!


 私は大縄跳び大会と化している現場からそろりと離れ、さっと会議用天幕に忍び込む。

 まあ、ドラさんと両親にはモロバレだけど。


「スタンピードがあったことに間違いないだろうな」


 話の途中からだからわからないけど、エリオットがアレンジークからもたらされた話からそう判断した。


「まあ、よくあることよね」


「よくあることなのですか?」


「ええ。この世界にはまだヒトに見つかっていないダンジョンはたくさんあるの。その中でスタンピードという形でダンジョンから外に出てそのまま外の魔物や動物と交わったり、外で食べ物を摂取したりして野生化しちゃうのよ。外の魔物のほとんどが元はダンジョンから出てきたのよ」


「なんと……」


 驚愕の新事実! みたいな顔を全員してる。


「でもそうね、倒して魔石とドロップ品を残して消えるってことは、最近もスタンピードがあったってことね。この辺一帯に魔物が多いのは定期的にスタンピードが起きていたということだと思うわ」


 会議机に広げられた地図を指しながらおっとりと教えてくれるドラさん。


「しかしこちらの領にはあまり被害は出ていないようなのですが」


 ハッとしたように文官くんがドラさんにたずねる。


「ではこのあたりから奥の方向、海の近くにあるのかしら。こちらに被害が出ていないのは時間の問題で、あと数回スタンピードが起きればこの地も大きな被害が出ていたわね」


 ドラさんの言葉に大人たちは絶句していたけれど、ダンジョンはきちんと管理できれば資源になる。

 管理するまでは大変かもだけど、なにもない不毛の土地として与えられた領地からすればとても魅力的なものだと思う。


 未だ厳しい顔で思い悩む大人達。

 ジャングルじみた未開拓の土地を予想を遥かに越える数の魔物を倒しながら開拓開墾なんて。


 それらを踏まえた上で、ドラさんから一つの提案があった。

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