77 停滞
「それじゃあ行ってきます」
「うん。よろしくね」
一旦別行動を取ることにしたリンと別れた。
効果はあるかはわからないがルアたちを連れてくるときの為に雪原での目印作りとルアたちと合流してこちらの詳しい様子を伝えることをリンに頼んだ。
一面白の雪景色の中にあっという間にリンの後ろ姿が消えていく。
「僕もやることやらないと」
この場に残った僕がやるべきことは周囲一体の整備と大吹雪の調査。
整備は【闘気反応】を利用して周囲一体の雪を操作して造形し固める。かまくらをいくつか作り、周りを囲むような雪の壁を立てる。
「雪の下は永久凍土になってるんだ」
動かした雪の下からは凍った大地が姿を表した。
「地下から大吹雪の中に入ったらどうなるかな?リンの言葉だと門は地表にありそうだから、結局はモンスターと戦うことになるけど最低限の戦闘でいけるかもしれない」
永久凍土に闘気を流す。消費する闘気は他の地面と違い少々多いが誤差のようなもので、問題なく【闘気反応】で動かすことができる。
「穴を作って進むことはできるね。……うまくいくかはわからないけど候補の一つとして頭の隅に置いておこう」
整備を終わらせ、大吹雪の調査に移る。
「大吹雪を弱らせるか収められる方法とかが有ればいいけど」
今のままだと大吹雪に侵入し推定ネームドのモンスターと大量のモンスターを切り抜けて全員で無事にダンジョンに辿り着けるビジョンが見えない。
せめて大吹雪の強さを道中で切り抜けた普通の吹雪程度にできれば少しは可能性が見える。
「………………大吹雪を弱らせるのは無理そう」
まず【闘気反応】で干渉できるか試してみたが、結果は全く干渉できずに大吹雪の中で闘気が霧散しただけだった。
次に【闘気反応】で周囲の雪を操作して吹雪を作ってぶつけてみた。結果は一瞬でも勢いが弱まることなく雪が取り込まれて終わった。
その他にもいくつか思いついたことを試してみてから、最終的に大吹雪を弱らせるのは無理という結論になった。
「大吹雪がどうしようもできないなら、中のモンスターを少しでも減らすとかすれば可能性が見えるかな。推定ネームドに他のモンスターの邪魔がなるべく入らずに集中して戦えれば例え環境が不利でも突破できるかもしれない。もしくは門から離すか」
推定ネームドを倒せなくとも門を通れればダンジョンに入れるかもしれない。その場合なら僕とリンで囮になって門から離したうちにルアたちを入らせてその後で僕たちも入る。みたいなことができるかもしれない。
まぁ、推定ネームドを倒さないと門が開かない可能性もある。これは試してみないととわからない。今僕一人で行うのは不可能だけど。
「そもそも吹雪の中に生息してるモンスターのことをほとんど知らないな」
数が多かったし全方位の攻撃を捌くのに意識を割いててあまり視認していなかった。とにかく近い気配に反射で対応していた。
「オオカミみたいなのとイタチみたいなのはいたな。後でリンが見たやつも教えてもらおう」
今のところ自分が思い付くことでできそうなことはした。
「……他に何をしようかな」




