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5 ダンジョン攻略 第三層 


「十分休んだしそろそろ行くか」


戦闘と逃走する際に闘気に変換してだいぶ消費した魔素が全回復する頃合いで僕は立ち上がった。これ以上の休憩は必要ないだろう。


「さっきみたいな臭いがしてこないだけで気が楽だな」


第一層の様に臭いが流れてくるということはなく無臭だ。まぁ、僕の鼻がやられていて臭いがわからないだけかもしれないけど。


「階段は落ちないように気を付けて行こう。どちらかというと滑り落ちる方が心配だけど」


今度の階段は螺旋階段ではなく真っ直ぐ前に降っていくタイプの階段だった。


材質は石製で、さっきみたいなことは起こらないと思うが、トラップが仕掛けられていないとも限らない。先程の二の舞にだけはならないようにしよう。


ま、さっきは気を付けていてもあのざまだったけどね。


◇◇◇


「一層二層とは様子が全然違う。ボス部屋が近いのかな」


第三層は壁と床が石レンガの一本道で、綺麗に整備されているという印象を受けた。一層二層の洞窟のような通路に不快な臭いとはほど遠く、全く違うダンジョンみたいだ。


「わ!……びっくりした」


一歩踏み出したら壁にかけられていた燭台に青色の火が灯って長い一本道が照らされた。というかこんなところで火を使って大丈夫なのかな?窒息死一直線だと思うけど。


「窒息死する前に攻略すればいいだけか」


そんなことを言った一方で、


(これで死んだら運営に苦情送ろう。)


と考えた。


「そんなことよりも灯りを出してくれるなんて急に良心的だね」


独り言を呟きながら、青白い光に照らされる一本道を歩き続ける。


「もしかして第三層ってこれだけ?流石にない…よね…?でももしこれだけならこのダンジョン相当手抜きで造られてるな。よくあるアンデッドダンジョンに嫌がらせ要素を付け加えただけじゃん。これ」


そう言って一歩踏み出した足に何かが引っかかった感覚、その直後、真正面から顔目掛けて矢が三本飛んできた。


僕は反射的にしゃがむことでどうにか避けることができた。足元を確認してみると切れた糸が巻き付いている。


「唐突にトラップ仕掛けて来たな。しかも映画とかでよくあるやつ」


僕は巻き付いた糸をほどいて投げ捨てると、立ち止まって少し考える。


(この先似たようなトラップがいくつもあるはず。それなら二層と同じように駆け抜けた方が楽かな?トラップ一つ一つに止まるよりかは早いだろうし動いていた方が発動されても対処もしやすい。)


(それに結局トラップに気付いても無効化できないからね。)


「よし!行こう!」


【闘気纏】で精製した闘気を両足を纏わせ走り出す。


何本もの糸が自分の体に引っかかってはプツンと音がして切れるのがわかった。


その数秒後、矢が飛んでくる。そして今度は前だけではなく左右からも飛んでくる。


「ふぅぅ」


息を吐いて呼吸を整える。


「鬼の身体能力を舐めるなよ。」


まず顔目掛けて飛んでくる三本の矢を右手に闘気を纏わせてまとめて薙ぎ払う。


その次に今度は左の脇腹あたりに飛んでくる矢を左手に闘気を纏わせて上から下へ叩き落とす。


そして左右から迫る矢に対しては前方に跳躍して回避、天井近くまで上がったため壁を蹴って前に出る。


『ガタッ』


着地した場所の石レンガがそんな音を立てて凹んだ。


「もしかして何かやらかした?」


ゴロゴロという音が前方から聞こえてきた。その音はどんどん大きくなってきている。


「なんか察した」


音の正体に察しがついた僕は更に足に闘気を纏わせる。


青白い光に照らされる通路の奥から球状の巨石が転がってくる。とある有名なトレジャーハンターが出てくる映画のワンシーンのようだ。


「おっらあぁぁ!!」


僕を轢き潰そうとする巨岩に闘気で強化した足の回し蹴りを撃ち込んだ。


ドゴォォーンという重い音がして巨岩が細かく砕け、強い衝撃と反動が僕の身体を駆け巡った。


「ふぅ、どうにかなって良かった」


強い衝撃による反動ダメージを受けたが大した怪我はない。このままダンジョン攻略を進めても大丈夫だろう。


「今のトラップは異常に殺意高かったし、もしかしたら最後のトラップだったのかな。もしそうなら、あとはこのまま一本道を進むだけだし楽だね」


警戒は怠らず早歩きで進む。


変わらない景色に飽き飽きしてきた頃に、それは見えてきた。


誰がどう見てもボス部屋の入り口と言うだろう繊細な装飾が施された巨大な門。装飾の所々濃い赤色が青い火の光に照らされて薄い紫色に見えて、不気味と神秘的を同時に感じられる。


「いよいよボス部屋か。わくわくしてきた!」


ステータスの確認をしてから挑戦しよう。


――――――


名前:セツノ 

性別:男

種族:鬼

LV:24→26

純魔ランク:3 SP:90


種族専用スキル


【魔素解放】【闘気纏】【闘気変換】【闘気操作】【闘気融合】


スキル


【短剣術LV6】【投擲LV1】【毒作成LV1】【隠密LV5】【鑑定LV2】【不意打ちLV3】【体術LV4】【一撃必殺LV4】【暗殺術LV2】【暗視LV4】【状態異常耐性LV1】【危機察知LV3】


称号


【人殺し】【鬼戻り】


装備


武器:旅人の短剣

頭:旅人の髪留め

体:旅人の軽鎧

腕:旅人のグローブ

腰:旅人のレギンス

足:旅人のブーツ


――――――


装備が初期装備のままなのが少し不安だけど、まだ最初の方のダンジョンだしきっと大丈夫だろう。そもそも当たらなければ問題ないし。


「では、いざボス戦。」


巨大な門を両手で押して開き、ボス部屋に足を踏み込んだ。


◇◇◇


ボス部屋はドームのようになっていて、思っていたよりも広く高くなっていた。そして壁には不思議な模様が全体に描かれている。


そして、そんな空間の真ん中にボスがいた。


五メートル程の巨大な灰色のゴーレムが鎮座しており、その両手には三メートル近くはありそうな大剣が握られている。


「【鑑定】」


――――――

ボスモンスター

種族:リビングゴーレム

LV:30

――――――


レベルが僕よりも高い。あっ、動き出した。


「いいね。道中の雑魚とは違って倒しがいがありそう」


僕は短刀を抜いて構える。


「始めるか。殺し合いを」


観覧ありがとうございます。

執筆のモチベーション上昇になりますので、ブックマーク、感想などよろしくお願いします。


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