3 戦果と情報
明日続き出すとか言ったの寝落ちして投稿していなくてごめんなさい。
僕の前には武器を捨てた七人の聖の陣営のプレイヤーがボウリングのピンを並べたかのような形で正座して座っている。
「んー。じゃあ最初はそうだね。何でこんな場所に君たちがいるのかを教えてもらおうかな。君たちの街からここスタヴィルまでは結構距離があってサービス開始から一日では来れないと思うんだよね?どんな方法を使ったのかな?」
(教えてくれた方法によってはやり返しに行こうかな。)
そんなことを考えながら僕は問いかけた。
「こ、ここまでは乗り物に乗ってきました。ま、まず貴方様が殺した三人がβ版プレイヤーでして、β版の時のレベルとお金を引き継いでいるんです。それでそのお金を使って馬車を借りてここまで来たんです」
「馬車を使ってもこんなに早くここまで来れないはずだが?」
僕の後ろで様子を見ている魔の陣営の生き残り四人のリーダーだと思われる人がそう言った。
「そうなんですか?」
「あぁ、そうだ。聖の陣営の最初の街ライファから馬車に乗ったところで一日で来れるほど近くない。それにある程度馬を走らせたらしばらく休ませないといけないから徹夜で移動しても無理だ」
「へぇー。」
僕はゆっくりと短刀を抜いた。聖の陣営のプレイヤーの顔が一気に青褪めた。見ていてちょっと面白かった。
「さ、最後まで聞いてください!嘘は付いてないです!ぼ、僕たちはライファじゃなくてルコールから来たんです。キャラクターメイキングが終わった後、この世界に転移させられましたよね?何も言わなければ自分の選んだ陣営の最初の街に転移させられますが、ルコールから始めたいと言えばルコールに転移してもらえるんです」
「そうなのか。ルコールから馬車に乗ったんだったら徹夜はすることになるがここまで来れるか」
ルコールは確かスタヴィルとライファを線で結んだちょうど真ん中にあるどちらの陣営にも属していない中立の街だ。
「そもそもの疑問だけど、何でわざわざお金と時間を沢山かけてここまで来たの?」
「それは貴方様が最初に殺したプレイヤーが今話した方法を使えばサービス開始の次の日にはスタヴィルに行けることに最初に気付いたらしくて、魔の陣営の最初のフィールドでモンスターを狩り尽くしていれば自分たちのレベルが上がる、魔の陣営のプレイヤーはモンスターがいなくてレベル上げができない。それにプレイヤーに見つかってもβ版のデータを引き継いでいるプレイヤーが三人いるからどうにかなる、更に数の暴力で責められるから簡単に返り討ちに出来る、ということらしくて、僕たちは経験値稼ぎの効率が良い場所を見つけた、数が必要になるから一緒に来いと言われてここまで来たというわけです」
モンスターがいなかったのはこいつらのせいなのか。まぁ、聖の陣営のプレイヤーを殺した方がモンスターを討伐してレベル上げするよりも効率が良かったから今回は許そうかな。
「なるほどね。よくもまぁこんなこと考えたね」
「ぼ、僕たちもそう思います」
「そう。他に質問したいことはないからもういいよ。じゃあまた会うときがあったらその時はまたよろしくね」
そう言って僕は目の前にいた三人の首を刎ねた。
「えっ!」
何度目になるかわからない聖の陣営のプレイヤーの驚愕の表情が僕の瞳に映る。
「ちゃんと質問に答えれば痛くしないって……」
「即死だからきっと痛くないよ」
そのやりとりを最後に七人のプレイヤーは全員大きな肉片に変わった。
「さてさて戦果はどんな感じかなっと」
自分のステータスを確認する。
――――――
名前:セツノ
性別:男
種族:鬼人→鬼
LV:1→24
純魔ランク 1→3 SP 84
種族専用スキル
【魔素解放】【闘気纏】【闘気変換】【闘気操作】【闘気融合】
スキル
【短剣術LV3】【投擲LV1】【毒作成LV1】【隠密LV4】【鑑定LV2】【不意打ちLV3】【体術LV2】【一撃必殺LV4】【暗殺術LV2】
称号
人殺し…人を殺した証。
鬼戻り…鬼人から鬼になった証。基礎ステータスが少し上昇する。闘気が多少扱いやすくなる。
――――――
種族が鬼人から鬼になってる。LVが20を超えたときに進化したのかな。
進化は魔の陣営の種族が特定のレベルになった時に起こる現象のことを指していて、今の種よりも上位の種となって強くなることだ。
鬼になったからか、種族専用スキルが増えている。普通のスキルもいくつか増えているから、どこかで全てのスキルを使ってみていろいろと検証してみたいな。あとは純魔ランクという特別な数値が2も上がっている。
純魔ランクは高ければ高いほど魔の陣営で強力な力を持つ者の証となり、これが高いと進化の際に特別な種に進化できるようになったり魔の陣営のNPCに尊敬されたりする結構大事な数値だ。
「いい感じだね」
僕が自分のステータスを確認して満足していると、
「ちょっといいでしょうか?」
「はい。何ですか?」
先程からたびたび会話に入ってきていたプレイヤーに声をかけられた。
「先程は危ないところを助けていただきありがとうございました。この御恩はこの先絶対に忘れません。」
「あぁ、別に気にしなくていいよ。同じ陣営の仲間だし助け合うのは当然だからね。じゃあ僕は行くよ」
ここにいる理由は無くなったので、早く新しいスキルの検証をしたいなと考えながら来た道を通って戻る。
「少しお待ちください!お名前を伺ってもよろしいですか?」
「セツノ。僕はセツノ。じゃあね」
「この度は助けてくださり本当にありがとうございました!セツノ様のダンジョン攻略が上手くいくように願っております!」
「ん?ダンジョン攻略?」
僕は歩みを止めて振り返った。
「ダンジョン攻略って何?」
「おや?ここに来たのはてっきりダンジョン攻略のためだと思ったのですが……」
「僕はただレベル上げをしに来ただけだよ。数十分くらい前にRFOを始めたばかりの初心者プレイヤーだからね」
「そうでしたか!強かったのでてっきり自分と同じようにβ版を引き継いだプレイヤーでダンジョン攻略しにここへ来たのかと思っていました」
「そう。それでそのダンジョンはどこにあるの?」
「ここから向こうの方へ少し歩いたところにあります。ボロボロになった人工物が目印で、近くに地下へ続く階段があるのでそこがダンジョンの入り口です」
「そうなんだ。情報ありがとう」
「もしかしてダンジョンに行くのですか?」
「うん。行こうかなと」
新しいスキルの検証にダンジョンはちょうどいいからね。これは行くしかない。
「ご武運をお祈りします」
「ありがとう。じゃあ君たちも元気でね」
僕は四人のプレイヤーに別れを告げると、教えてもらったダンジョンに向けて歩き始めた。
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