9 フェルリアの魂
翌日、学校から帰って用事を済ませると早速ログインする。スポーン地点は昨日泊まった宿屋の部屋だった。
「まずは昨日の最終的な成果を確認しようかな」
ベッドの上に座ってステータスを表示する。
――――――
名前:セツノ
性別:男
種族:鬼→破鬼
LV:26→42
純魔ランク:3→4 SP:84→148
種族専用スキル
【魔素解放】【闘気纏】【闘気変換】【闘気操作】【闘気融合】【闘気結界】【闘気硬化】【闘気反応】
スキル
【短剣術LV9】【投擲LV2】【毒作成LV1】【隠密LV8】【鑑定LV3】【不意打ちLV5】【体術LV6】【一撃必殺LV5】【暗殺術LV4】【暗視LV6】【状態異常耐性LV1】【危機察知LV5】【魔法耐性LV5】【無慈悲LV3】【跳躍LV4】【回避LV5】【気配察知LV3】
称号
【人殺し】…人を殺した証。
【鬼戻り】…鬼人から鬼になった証。基礎ステータスが少し上昇する。闘気が多少扱いやすくなる。
【ダンジョン攻略者】……ボスを倒しダンジョンを攻略した証。
【真のダンジョン攻略者】……ダンジョンの真のボスを倒し本当の意味でダンジョンを攻略した証。
――――――
「進化して破鬼になったのか。……心なしか角が大きくなった気がする」
部屋に置いてあった鏡で見てみると、僅かに長くなっているような気がする。あとは青色が少し濃くなったようにも感じる。
「まぁ見た目がちょっと変わったくらいどうでもいいや。今は破鬼についてと新しい種族専用スキルについてが気になるね」
【鑑定】を使って破鬼と【闘気結界】【闘気硬化】【闘気反応】について調べてみる。
破鬼……鬼の中で特に闘気の扱いが長けた鬼が進化すると言われている希少な鬼。環境適応力が高く、自分の周りの物に闘気を流し込み、闘気を込めた物を自由自在に操ることができるとされている。
【闘気結界】……闘気を自分の周りに放出し攻撃を防ぐ結界を作るスキル。この結界はあらゆる物理攻撃、魔法攻撃を防ぐのに使える。攻撃が結界の出力より高い場合、結界は砕ける。
【闘気硬化】……闘気を硬化するスキル。攻撃にも防御にも応用することができる。しかし硬化できるのは体に纏っている闘気だけで、体から離れると硬化は解除される。
【闘気反応】……破鬼になった鬼が獲得するスキル。闘気を自分の周りの物に流し込むことができるようになり、闘気を流し込んだ物を操ることができる。
「【闘気硬化】は結構使えそうかな。メインは短刀による暗殺とはいえダンジョン攻略で殴る蹴るをよくやったからね」
威力は上がり防御もできる。ダンジョンのボスみたいに暗殺ができなくて肉弾戦になる時によく使えそうだ。
「……短刀にも使えればいいけど体に纏っている闘気だけだから多分無理かな。投げナイフとかにも使えれば戦いが楽になると思ったのになぁ」
できないものは仕方ないと割り切って思考を切り替える。
「【闘気結界】は何個か面白い使い方が思いついたし、あとで検証してみようかな」
小さい結界を足元に作ってそれを踏み台にして跳躍をするとかできれば空中戦にも対応できるようになっていいかな。
確か聖の陣営には天使族とかいう空を飛べる種族があったはずだから、空を自由自在に動けるようになって全員叩き落とせるようになりたいね。
「【闘気反応】はあまりピンとこないなぁ。破鬼の特徴を体現したスキルだから強いんだろうけど……どんな効果を発揮するのか全然予想できないね。これは要検証かな」
ステータス表示を閉じる。
「ステータスの確認はこれくらいでいいか。じゃあ次はドロップアイテムの確認かな。と言ってもドロップアイテムは基本素材だし確認が必要な物なんてあまりないけど……これは確認しておかないとね」
アイテムボックスから濃い青と薄い青のマーブル模様をした宝玉のような物を取り出すと、ベッドの上にそっと置いて【鑑定】を使った。
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古き魔法使いの魂(武器)
特殊なモンスターを討伐した際に入手できる魂が結晶化したアイテム。所有者が求める武器に形を変え、生きていた頃の力の一部を持った最上級の武器となる。
――――――
「…………わーお」
とんでもないアイテムだった。これが有ればしばらくの間は他のプレイヤーと武器の面で大きなアドバンテージが作れるだろう。
「それなら早速使うしかないよね」
短刀をイメージしながら魂に触れる。
すると、青い輝きを放って宝玉のような見た目から透明感がある青色の短刀へと変化した。そしてその短刀の持ち手の前後には環が付いていた。
再び【鑑定】を使って短刀の性能を確かめる。
――――――
魔環短刀フェルリア
古き魔法使いの力が込められた短刀。環に登録された魔法を言葉一つで発生させる。短刀に溜め込まれている魔素を消費するため、魔法は所有者の性質に影響されない。また、環は常に魔素を溜める性質があり溜まった魔素を所有者に還元することもできる。
――――――
「つまりこの短刀が有れば魔法を使えない鬼の僕でも魔法を使えるってことか。それに短刀に溜まった魔素は僕に還元されるから闘気の使用量も増えると…………チート武器かな?」
ゲーム開始二日目にしてえぐい性能をした武器を手に入れてしまった気がする。
まぁ、フェルリアと戦った報酬としては妥当か。
「一つの環に一つの魔法が登録できるみたいだから前後二つの環で二個の魔法が登録できるのか。それなら一個は【隠密】をいつでも発動できるように煙幕を発生させる魔法で決定かな。二個目は……何にしよう?」
その後しばらく二個目の魔法は何にするか考えていたが、最終的にその時に合う魔法を登録すれば良いということに気が付いたため、二個目は何も登録しなかった。
「それじゃあこれからよろしくね、フェルリア」
フェルリアを腰に装備する。初期装備の旅人の短剣も一応装備しておく。
フェルリアと旅人の短剣で二刀流はできなくはないけど、投げナイフを投擲したり闘気を纏わせて殴ったりするから基本はフェルリアでの一刀流になる。
「確認することは終わったしポーションと投げナイフを補充してから昨日と同じ草原のフィールドにでも行こうかな。あっ、でもルコールを目指してみてもいいかも!」
草原のフィールドをずっと南下していくと中立の街ルコールがあり、更に南下すると聖の陣営の最初の街ライファがある。
「よし!ルコールを目指そう。」
ルコールに乗り物を使わないで行くとなるとリアルで一日必要らしいが鬼の身体能力と闘気による強化を使えばそこまで時間はかからないだろう。
とは言っても、特にルコールに用事があるわけではないのでゆっくり行くけど。
それにリアルで一日かかるほどの距離があるなら途中で宿場町的なところがあるはず。いい感じのところが有れば観光していこう。
今日のこれからの予定を考えてワクワクしながら宿を出る。
「あっ、そうだ!調合セットも買わないと。これがないとせっかく【毒作成】スキル持ってるのに毒が作れないんだ」
僕はまずスタヴィルでの買い物を楽しんだ。
古き魔法使いの魂(武器)じゃなくてもっとカッコいい名前にしたかった。
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