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(WEB版)凄くモテる後輩が絡んでくるが、俺は絶対絆されない!  作者: yuki
第二章 : 俺は絶対に絆されない!
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閑話・隣の席の男の子

 私の名前は、宮藤 三月といいます。

 最近……と言ってもまだ3ヶ月程度のお付き合いですが、

 お隣の席の藤代くんとは、それなりに親しくさせてもらっています。


 藤代くんは、なんだかとても不思議な人です。

 いつも少し長めの前髪の奥で、眉をきゅっと寄せ、不機嫌そうな顔をしているので怖い人なのかなぁ……と最初は思ったのですが、話してみると意外と気さくで、楽しい人でした。

 多分、あの表情でかなり損をしていると思います。


 香月くんや音琴さんとお話しているときのような表情を常に出していればきっと香月くんに負けないくらい、モテると思うんですけどね。

 あと、たまーに見せる優しそうな笑みはヤバいです、思わずドキっとしてしまいます。



 ……まぁ、そんな藤代くんにも、彼女さんがいるわけで。


「先輩ー、お昼のお迎えの時間ですよー!」


 来ました、この春からの新入生、天音さんです。

 天音さんは同じ女子の私から見ても、とても魅力的な女の子です。

 アニメの世界から来たの? って言いたくなる、ぱっちりした大きな目も、身長の割りに出るところは出たスタイルも、羨ましすぎます!


「あいつ、こっちには来るなって言ってるのに……」

「え、彼女のお迎えとか、男の子は嬉しいんじゃないんですか?」

「彼女じゃないです宮藤さん……!」


 いつも彼女じゃない、って藤代くんは言いますけど、本当にそうでしょうか?

 あの二人は付き合っている、というのはもうこのクラスでは共通認識なんですけど。


 ただ一人、往面くんだけはそれを認めていないようですけど……ほら、今日もまた、往面くんが天音さんに話しかけています。

 といっても、相変わらず天音さんは塩対応ですが……それにも関わらず全然諦めない往面くんは、本当に凄いと思います、メンタル強すぎます。

 私なら一度目の時点で、心が折られます、怖いです。

 ところで、彼氏さんはあれ、放っておいていいんですか?


「こうなるからこっち来るなって言ってるんだよなぁ……」

「早く行ってあげなくていいんですか?」

「面倒くさ……」


 そういいながらも、毎回ちゃんと助けに行くんですから、わかりません。

 好きじゃない女の子なら、放っておきますよね?

 ああ、藤代くんがまた、天音さんの手を引いて出て行きました。

 あんなことをするから、みんなから付き合ってる、って言われるんですよ?

 藤代くん本人は全然気付いていないみたいですけど。


 天音さんがいつも、住面くん相手に物凄い塩対応をやってのけた後に、蕩けたような表情で手を引かれていくから、もうそういうアレにしか見えないんですよねぇ……。


 ほんとに付き合ってないんでしょうか?



 でも、そんな藤代くんには、私も文句を言いたいことがあるんです!


 時々、私に……あ、愛してる……とか!

 そういうことを言うのは本当にダメだと思います!

 冗談だって分かっていても、いつもドキドキさせられるこっちの身にもなってください!

 しかもそういう時に限って、ふっと眉間のしわが取れて優しい顔になるんですから……!


 も、もう! そうやって女の子を勘違いさせるのはいけないと思います!

 藤代くんには天音さんって可愛い彼女さんがいるのに!


 ……でも。

 本当に藤代くんと天音さんが付き合ってないんだとしたら……。

 私は、どうするんでしょう?



 まぁ、なんにしても。

 天音さんと藤代くんがこれからどうなるのか、見守ってからですよね、うん。

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凄くモテる後輩が絡んでくるが、俺は絶対絆されない!
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